【予報士解説】夏は面白い雲の宝庫!空を見上げてみよう…自由研究にも

2023/07/05
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

気温も湿度も高い日本の夏は過ごしにくい一方、いろんな種類の雲を見られるチャンスでもあります。
特別な知識や道具がなくても楽しめる、夏空。
ちょっとコツを知っていると、絵画のような現象にも出会えるかも!?
今回は、夏空を見上げるのがもっと楽しくなるコツを、夏休みの自由研究のヒントとともに気象予報士・植松愛実がお伝えします!

いつ見ても飽きない夏空

夏空は"雲"の宝庫。
1日を通して多種多様な雲を目撃することができて、面白い雲を探すには絶好の季節です。
曇りや雨の日はもちろん、晴れた日でも夕方にはもくもくと雲が立ち上がり始めることが多いからです。

夏は空気だけでなく地面が非常に熱くなっているのに気づく人が多いと思いますが、その熱くなった地面によって地面付近の空気が温められて、温まった空気は軽いためどんどん上昇していき、上昇の過程で冷やされて雲になります。

もくもくした雲を複数見つけたら、それらの雲がどう変化していくのか"観察"してみましょう。
真剣に見続けるより、ぼーっと全体を眺めるほうがおすすめです。

しばらく見ていると、うまく成長できずに次第に風に流されてなくなってしまう雲もありますし、中にはどんどん成長し続けて「積乱雲」と呼ばれる巨大な雲になるものもあります。
「積乱雲」になれるものは意外と少なくて、雲の世界も弱肉強食です。

一番のっぽな雲「積乱雲」

国際的な基準で、すべての雲は10種類のタイプに分けることができます。
秋によく見られる「うろこ雲(巻積雲)」や、刷毛でサッと描いたような「すじ雲(巻積雲)」などがある中で、積乱雲は一番のっぽな雲です。

地上から雲の先端までの高さは10キロ~15キロほど。
これは飛行機が飛ぶのと同じくらいの高さなので、もし飛行機が雲の近くを通ったら、高さを比較してみるのも面白いですね。

雲と同じくらいの高さを飛ぶ飛行機。周りの雲が虹色に見えるのは「彩雲」という現象で、よく珍しい現象と勘違いされるが、空をよく見ていればほぼ毎日見つけることができる。

また、積乱雲の真下では強い雨が降っていることが多いですから、雲が見える方角を調べて気象庁HPなどの雨雲レーダーと見比べてみると、夏休みの自由研究にもなりそうです。
小学校高学年以上の自由研究なら、雨が降っていたときと降っていないときで気温や湿度を比べてみるのも面白いですね。

天が割れる!?チャンスは夕方!

積乱雲のようなもくもくした雲が多い夏は、絵画のような現象も目撃できるチャンスが多くなります。

サムネイル写真にもなっている、「天割れ」とも呼ばれる現象。
この写真の場合だと、写真上方の右側は積雲の頂上から出た光線(専門的には「薄明光線」と言います)によって光に照らされているのに対し、左側は暗くなっていて、まるで空が左右にパカッと割れているみたいです。

この光線の正体は、空気中のごく小さな水滴やチリなどによって、光が散乱されたもの。
そんな細かい水滴やチリでこんなに光るの!?と驚くほど、明るく照らされていますよね。

雲の端から上空へ向かって光が伸びているタイプの「薄明光線」。「光芒」や「天使のはしご」とも呼ばれ、上下逆さまのバージョンもある。

高校化学で習う「チンダル現象」という現象が起きているのですが、学校によっては中学でもさわりだけ習うことがあるようです。

ちなみに「天割れ」は、積乱雲や、積乱雲より小さいサイズの積雲の頭から光が出てくる必要があるため、積乱雲も積雲も発生しやすい夏は観察のチャンス。
特に夕方によく出現します。
探す方角はもちろん、太陽がある西側です。

遠くに出かけなくても楽しめる、夏の空。
家事や仕事の合間に、あるいはお子さんと遊びに出た帰りになどに、空を眺めてみては?

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。

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