キッチンに塩がない!?私の「出張料理あるある」

2022/11/07
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

出張料理のお仕事で様々なお宅に伺うと、それぞれのお宅ごとにキッチンの「個性」や「家族の歴史」を感じることがよくあります。
お子さんが小さかった時に使われていた小さなキャラクタースプーンや、欠けても大切に使われ続けている名前入りの湯飲みなどなど……、キッチンはある意味、家族の時間がぎゅっと詰まったような場所。
そして調味料や調理器具のラインナップにも、個性や歴史が垣間見えることがあります。
今日はその中から、「キッチンにあるはずのものが…ない!」という「出張料理あるある」をご紹介します。

塩がない

使う食材を用意して、さぁ調理を始めよう!という時によく発生する問題、「塩がない」。
正確には、「普通の塩がない」のです。
おしゃれなミル付きの岩塩や、便利な味付きの塩こしょうならあるのですが、野菜や肉・魚の下ごしらえにはなかなか使いづらい。
もちろんその場にあるものだけで仕事をするのが基本なので色々工夫して調理するのですが、やはり慣れた方法の方が手早くできて作る品数も増やせるので、今では念のため毎回塩を持参しています。

大さじ・小さじ・計量カップがない

実は海外では大さじや小さじを使わずに普通のティースプーンなどを使うような国も多くて、計量カップの代わりに水を飲む用のグラスを使っていたりします。
料理は毎日するものですから家庭ごとにやりやすい方法があると思いますし、大さじ・小さじ・計量カップがないキッチンがさほど珍しいとは思いません。
ただ、自宅であれば「いつものコップに1杯」という感覚で料理ができるものの、慣れないお宅ではなかなか難しい。
普段なら気軽にやる「目分量でざっくり料理」もよそではやりづらいので、最近では「醤油を〇ミリ幅で〇秒入れたら大さじ1杯分」といった肌感覚を身につけるようにしています。

電子レンジに使えるボウルがない

そもそもボウル自体が1つもないお宅もあるのですが、ボウルが複数あっても全部金属だったり、耐熱性のないタイプのガラスだったりして、電子レンジに入れることができないことがよくあります。
出張料理では基本的に鍋1つ・フライパン1つだけを使って3時間で10品作るので、野菜の下茹でに電子レンジを使えないと鍋渋滞(鍋が空くのを待っている食材がキッチンに溜まっていく)が起きます。
フライパンで煮込み料理をしたり(今度はフライパン渋滞が起きる)、素材を下茹での要らない切り方にしたり(味がしみやすくなりすぎて調味料の分量調整が発生する)などなど、試行錯誤の日々です。

結局は自分の技術向上が大事

一家の家事をささえる身にとってキッチンは城の本丸みたいな場所ですし、とにかく自分が使いやすいものを自分が取り出しやすい場所に備えるのが一丁目一番地で、もちろん我が家でも、他人がやってきて使いやすいかどうかは二の次です。
出張料理の仕事はそういう場所にお邪魔して調理をさせていただくわけですから、どこでも戦える技術を持っていることが大前提。
どんなハプニングがあっても、そのお宅のご家族が1週間美味しく過ごせる作り置きを時間内に作れるよう、引き続き研鑽していきたいと改めて感じました。

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。

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