空気カラカラでも洗濯物が乾かない?鍵を握る"湿度"を気象予報士が解説

2022/11/07
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

秋が深まるとともに最近、洗濯物の乾き悪くなってきたと感じる人も多いのではないでしょうか。
春夏と比べて秋冬は空気が乾燥しているはずのに、なぜ洗濯物が乾きにくいのか?
今回は、気象予報士と料理人の2足のわらじを履くライター・植松愛実が、家事効率化のためにぜひ味方につけたい「湿度」のしくみを解説します!

「湿度」の正体

私たちが普段使う「湿度」は正確には「相対湿度」という用語で、「空気中に含むことのできる水蒸気量に対して実際にどのくらい水蒸気があるのか」を表しています。

相対湿度のしくみイメージ(作画:植松愛実)

含むことのできる限界まで水蒸気がたっぷり含まれていれば、湿度は100%。
そして、半分しか含まれていなければ湿度50%です。
MAXの量と比べて相対的にどのくらい水蒸気があるか、という指標なので"相対"湿度と呼ばれるわけですね。そして、洗濯物が乾くときは、上図の空いているところ(まだ水蒸気が入っていないところ)に水分が逃げていくことで乾くのです。

気温が下がると…?注目は「空きスペース」

空気中にどれだけ水蒸気を含むことができるかは、実は気温で決まっています。
そして秋が深まるにつれて気温が低くなると、空気中に含むことのできる水蒸気量自体が減ります。
つまり、図で示した、水蒸気を入れるための器のサイズが小さくなるのです。

気温が下がると空気中の「空きスペース」が縮小する(作画:植松愛実)

器のサイズが小さいと、同じ湿度50%でも、洗濯物から水分が逃げていくための「空きスペース」が小さくなってしまいます。
これによって気温が低い秋から冬にかけては、たとえ空気がカラカラに乾燥していても洗濯物の乾きが悪くなるのです。

すぐできる!洗濯物の乾燥を早める方法

一番のおすすめは、柔軟剤を使うこと。
柔軟剤を使って洗濯をすると、洗濯終了の時点で通常よりも水分が減っているので、結果的に乾きが早くなるのです。
また、家事の順番を入れ替えて干す時間を長くすることも戦略の一つ。
毎朝やらなければならない掃除や洗い物など複数の家事の中で順序を入れ替えて、洗濯を先にやってしまえば干す時間を多めに確保できます。
さらにこれからの時期は室内の乾燥対策も必要になってくるので、部屋の加湿を兼ねて部屋干しするのもおすすめ。
晴れているのに部屋干し!?と思われるかもしれませんが、基本的には外より室内の方が気温は高いので、乾きやすくなるというわけです。

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。

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