真冬なのに「新じゃが」⁉意外と知らない旬と栄養のヒミツを野菜ソムリエが解説
- 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>
新じゃがの季節、と聞くといつ頃を思い浮かべるでしょうか。
おそらく春や初夏をイメージする人が多いと思いますが、じつは新じゃがは真冬にも流通しています。
「新じゃが」って結局何なの?穫れる時期は決まっていないの…⁇
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士の資格を持つライター・植松愛実が、身近だけど意外と知らない「新じゃが」の素顔を紹介します。
ふつうのじゃがいもと品種は同じ
「新じゃが」あるいは「新じゃがいも」として出回るじゃがいもは、品種としては通常のじゃがいもと同じです。
ただ、通常は日持ちしやすくするために産地で乾燥させてから出荷されるのが、乾燥の工程を経ずにそのまま出荷されるのが新じゃがになります。
乾燥させていないことによって、水分量が多いためやわらかく、みずみずしい味わい。
皮にも水分が残っているので、皮つきで食べやすいのも特徴です。
ほぼ1年中「新じゃが」
新じゃがは九州産のものが1~3月、その後は静岡産が5月から6月にかけての初夏に出回り、次いで夏にかけて関東産が出てきたあと、最後は北海道産が秋に出荷されます。
そう、つまり日本ではほぼ1年中、「新じゃが」が手に入るのです。
九州から北海道まで、まるでバトンリレーのように新じゃが出荷が引き継がれていき、さながら"桜前線"ならぬ"新じゃが前線"のよう。
さすが日本で一番たくさん栽培されている野菜(重量基準)ならでは、といったところです。
栄養価はこんなに違う!
新じゃがと通常のじゃがいもは同じ品種ですが、栄養価は大きく異なります。
新じゃがに含まれるビタミンCは、通常のじゃがいものなんと約4倍!
そのほかビタミンB6やカリウムなども豊富です。
もともとじゃがいものビタミンCは大量のでんぷんに守られているため、ほかの野菜のビタミンCよりも熱でこわれにくいという性質がありますが、新じゃがの場合は皮つきで食べられるため、皮つきで調理することでさらにビタミンCを守ることができます。
皮つきで食べられるというのは一石二鳥の長所だったのですね。
日持ちに注意!保存方法も違う
新じゃがの日持ちは1週間程度。
意外と短いことに驚く人もいるかもしれません。
光を避けて、家の中の涼しい場所に保管しましょう。
水分量が多く通常のじゃがいもよりカビが生えやすいので、風通しのよい場所がおすすめ。
また、じゃがいもを冷蔵庫に入れる人は少数派かもしれませんが、暖かい時期に出る新じゃがの場合は、冷蔵庫の野菜室に入れるのが無難です。
その際、できれば乾燥しないように1つずつキッチンペーパーか新聞紙でくるんだ状態でポリ袋に入れておきましょう。
■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。