畑のじゃがいも

【旬食材】ビタミンCはレモンより多い!新じゃがの栄養を逃さないための3つのコツを野菜ソムリエが解説

2024/03/13
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

冬の終わりから初夏にかけて各地で出回るじゃがいも、新じゃが。
じゃがいもの栄養と言えばでんぷん!と思われるかもしれませんが、じつはビタミンCの含有量はレモンより多いのです。

しかも新じゃがは通常のじゃがいもと比べ、ちょっとしたコツを押さえることでビタミンCを含むさまざまな栄養素を逃さず取りやすいという特徴も。
今回は、野菜ソムリエと気象予報士の資格を持つライター・植松愛実が、新じゃがの季節にぜひ知っておきたいポイントを解説します。

レモンよりビタミンCが多いってどういうこと?

レモン

レモン100gあたりのビタミンCは50mg、じゃがいも100gあたりのビタミンCは35mg(日本食品標準成分表 五訂より)。
「あれ?レモンのほうが多いよね?」と思われそうですが…、レモンに含まれるビタミンCの量というのは、果汁と皮の両方のビタミンCを足したものなのです。

レモンの皮も少しくらいなら食べる人はいると思いますが、丸ごと全部食べる人は少数派のはず。
レモン全体の重さに対して果汁は30%くらいしかないので、結局、ビタミンCの量は15mg程度ということになります。

つまり、じゃがいもはレモンの2倍以上のビタミンCを含んでいることになるのです。
もちろんじゃがいもはレモンと違って丸ごと食べるのが簡単ですから、賢く調理すればビタミンCを逃さず取ることができます。
そして新じゃがの場合、通常のじゃがいもよりも「賢く調理」しやすいのです。

【コツ1】皮ごと加熱しよう!

じゃがいも

じゃがいもの栄養を逃さないための最大のポイントは、皮ごと加熱すること。

通常のじゃがいもであれば皮ごと調理すると食感が悪くなるのが気になる…という人も多いと思いますが、新じゃがなら皮が薄く、しかも皮の水分量も多いため食べやすいのがうれしい特徴。

最終的に切って盛りつける予定の料理でも、加熱の段階では切らずに丸ごとがおすすめです。

【コツ2】茹でる・煮るときは水から&ギリギリの水量で

ガスコンロと鍋

鍋を使って茹でたり煮たりする場合は、沸騰したお湯に入れるのではなく、水の段階で入れて火をつけましょう。

というのも、沸騰した状態で投入してしまうと、外側だけ先に火が通って、中心まで火が通るのに時間差が開きすぎて、中心に火が通るころには外側が煮崩れてしまうため。
これは新じゃがだけでなく、通常のじゃがいもや、にんじんや大根などほかの根菜類にも共通するポイントです。

とくに新じゃがに関しては、先述のように栄養素を逃さないようせっかく皮ごと加熱するわけですから、茹でるときに煮崩れてしまっては皮ごと加熱する意味がなくなってしまいます。

そして、水の量も重要。
あまり多すぎる水量で茹でたり煮たりすると、鍋の中でじゃがいも同士がぶつかりあって煮崩れやすいので、ギリギリかぶるくらいの水量にしておきましょう。

【コツ3】切って調理するときは短時間で

じゃがいも料理

新じゃがは皮ごと調理するのがよい…とわかってはいても、料理によっては、どうしても切ってから調理すべきものもあります。

そんなときは、加熱時間をできるだけ短くしましょう。
たとえばフライドポテトなら電子レンジであらかじめ少しやわらかくなるまで加熱してから揚げるなどすると、じゃがいもの断面から逃げる栄養素を最小限にすることができます。

旬を味わいながら栄養もしっかり取ろう

畑のじゃがいも

収穫後に乾燥の工程を経ずに流通する新じゃがは、通常のじゃがいもと品種は同じでも、みずみずしくてやわらかく、格別の味わいがあります。
しかも、皮まで食べやすいことによって、通常のじゃがいもよりも栄養を逃しにくい調理方法が可能なのがうれしいところ。

ビタミンC以外にもビタミンB群やカリウム、マグネシウムなどの栄養が含まれていますので、ぜひコツを押さえて存分に味わってください!

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。

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