【実体験】数学の偏差値30でも気象予報士試験に受かるワケ
- 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>
私は高校時代、全国模試で数学の偏差値が30台という、とにかく理系科目が苦手な生徒でした。
学校では試験のたびに数学で赤点を取って追試を受け、それも落ちて再追試、再々追試まで受けてようやく留年せずに済んでいたレベルで、今なお苦手なままです。
そんな私が、なぜ"難関"と言われる気象予報士試験に合格できたのか。
春を迎え新しいことに挑戦する方へのエールも込めて、私の実体験を語ります!
数学の偏差値30でも気象予報士試験に受かるワケ
結論から言うと、数学的思考をほとんど使わなくても気象予報士試験の問題は解けるからです。
もう少し詳しく言うと、もちろん数学的思考を使って解いてもいいのですが、解き方はいくらでもあるので、文系の人はわざわざ数学的に考えなくても理屈で考えて解けば受かるというわけです。
合格率に惑わされないで!
気象予報士試験の合格率は約5%。
これだけ聞くとなんだか難しい試験に聞こえるので、「やっぱり数学の偏差値30で受かるのはあり得ないのでは?」と感じるかもしれません。
しかし、合格率は試験の難易度をそのまま表しているわけではありません。
たとえば医師の国家試験の合格率は90%を超えていますが、医師の試験が簡単なわけありませんよね。
医師国家試験は医学部で6年間勉強した人しかそもそも受けることができないので、受かる可能性が高い人たちのみが受験して、そのうちの90%超が合格しているだけの話なのです。
これに対して気象予報士試験は誰でも受けられます。
本当に誰でもOKなので、試験会場に行くと小学生からおじいさんおばあさんまで文字通り老若男女がいます。
そして、これも一度会場に行けばわかりますが、明らかに勉強してきていない人も沢山います。
試験問題の漢字が読めない人も、試験時間の長さに体力が持たなくて途中で帰ってしまう人も、過去問と同じ問題すら解けないくらい勉強が足りていない人も、全部合わせて合格率5%です。
合格率の数字だけ見ていても、実態を知ることはできません。
それでも勉強は大変
じゃあ気象予報士試験は楽勝なのか、と言われると、そうではありません。
どんな試験も勉強は必要ですし、そもそも社会人が仕事や家事の合間を縫って勉強時間を確保することは容易ではないからです。
一方で、これもやはり他の試験と共通することですが、数字に騙されて敬遠するでもなく、かといって侮るでもなく、ちゃんと向き合って勉強した人が受かるようになっています。
もちろん、私のように理系科目がからきしダメな人間でも。
最近では、本屋さんに行ったりネットで検索したりすると、気象予報士試験の参考書は沢山あります。
ひとまず過去問と、そして古き良きバイブルである『一般気象学』(小倉義光著)は手に入れるとして、あとは好みで自分が読みやすい参考書を選ぶのが良いと思います。
そして一番大事なのは、とにかく過去問を解くこと。
それも1回だけでなく、過去5年分くらいは少なくとも2回以上解くのがおすすめ。
気象予報士試験のような独特な試験内容の場合、学術的知識を得ることよりも、問題形式に慣れることが重要だからです。
この春、新しいことを始める人へ
これはかつて大学時代にある先生から言われた言葉の受け売りですが、すべての物事には必ず前提があります。
今回の例で言うと、医師国家試験は医学部で6年間勉強した人しか受けに来ない、というのが隠れた前提でした。
新しい物事を前にしたとき、そこに隠れている前提が何なのか、ぜひ頭の片隅に置いて向き合ってみてください。
きっと次の段階へ進むための助けになるはずです。
■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。