宝石のような果実を選び放題!フルーツ王国・山形で野菜ソムリエがおすすめするお土産とは
- 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>
旅のおいしいお土産と言ったら、地域の農産物を使ったお菓子…と思っていませんか?
全国屈指のフルーツ生産県・山形は、農産物を使ったお菓子ではなく農産物そのものを買って帰りたくなるような、キラキラした場所があります。
一度のぞいてみれば、「生のフルーツを持って帰るなんて大変そう…」と思っていたのが「なんとかして持って帰りたい!」となるはず。
今回は、東北180市町村を回った野菜ソムリエ・植松愛実が、山形旅行でぜひ買って帰ってほしい"いつもと違うお土産"をご紹介します。
見渡すかぎり、フルーツだらけ!
道の駅や産地直売所には、よく産地直送の農産物が並んでいますよね。
場所によっては農産物の数も種類も多く、めずらしい野菜などを旅先で見つけて買って帰る人もいると思います。
が、山形県内の道の駅や産直は、そんな「数も種類も多く」というレベルではないのです。もう数えきれないほど、どこまでもどこまでも並ぶフルーツたち…。さくらんぼだけ見ても、ぶどうだけ見ても、洋ナシだけ見ても、「世の中にはこんなに種類あったの?」とびっくりするくらい並んでいます。
まさに選び放題、というより、選ぶのが楽しすぎて大変なくらい。しかも、東京や大阪で買うより圧倒的に安いのです。
車での旅行でないとなかなかたくさんは持って帰れませんが、「公共交通機関で帰るために一番ほしいのを1個だけ選ぼう!」と思ってがんばって探すのも、いい思い出になりそうですよね。
めずらしいフルーツがあっても安心して選べる!
そもそもふだんの生活でぶどうもりんごもそんなに何種類も食べないので、せっかくいろいろなフルーツを売っていても違いがわからない…、そんな人でも大丈夫。だいたいの道の駅では、「それ何?」と思うような聞き慣れない名前のフルーツに、どんな味がするのか説明のポップが立っています。
場所によっては試食が用意されていることもあり、めずらしいフルーツでも安心して買うことができます。そしてもちろん、山形のフルーツの品質はピカイチです!
こんなものを買ってみました
筆者は東北在住経験があるため、東北産のフルーツはかなりいろいろ食べたことがありますが、「ローカルニュースで聞いたことがあるのに食べたことがないフルーツ」がいくつか存在しました。
そのひとつが、スチューベン。初めて聞く人が多いと思いますが、ぶどうの仲間です。
アメリカのニューヨークで開発された品種で、酸味がほとんどなくとにかく強い甘さが特徴。涼しい気候でしか育たないので、東北でも一部の地域でしかお目にかかれません。
見た目はデラウエアに似ていますが皮の色は巨峰くらい黒っぽく、今まで食べたぶどうのなかで一番甘かったです!
もうひとつが、サルナシ。サルが梨のように食べるからそう名付けられたと言われています。ベビーキウイとも言われ、その別名のとおり小さなキウイです。
ちょっと大きいドングリくらいのサイズで、ふつうのキウイと違って表面に毛は生えておらず緑色です。
味もキウイに似ていますが、小さいぶん、味がギューッと凝縮されて甘味も酸味もキウイより強く感じました。
これも東北の一部でしか栽培されていないのでなかなか出回っておらず、現地に来た甲斐がありました。
フルーツ購入場所おすすめ3選!
山形県内には大規模な道の駅が多く、なかでも「道の駅チェリーランドさがえ」(寒河江市)は山形どころか東北地方でも最大級の規模を誇ります。
フルーツだけでなく、ありとあらゆる山形物産品が集まるお土産のテーマパークみたいな場所です。
また「道の駅よってけポポラ」は、山形空港と同じ東根市にあります。
「よってけ」とは山形の方言で「来てね」とか「来てください」、「ポポラ」とはイタリア語で「みんなが集まる広場」という意味。
所属する会員の農家さんは約600人もいて、毎日さまざまなフルーツや野菜が入ってくるので、レアなものにめぐり会える確率も高いです。広大な売り場面積の7割以上が旬のフルーツコーナーという破格の規模。初夏の目玉はさくらんぼで、開店前から行列ができることもあります。
季節のフルーツを使ったジェラートも食べられますよ!
さらに、道の駅ではありませんが「産直あぐり」(鶴岡市)にも日々、膨大な数のフルーツが並びます。レストランも併設されていて充実しているので、筆者は道の駅だと勘違いして楽しんでいたくらいです。
とくにぶどうの種類が多く、初夏~夏はハウスもの、夏~秋は露地栽培ものが出て、60種類くらいの品種をあつかっています。
とにかくおいしいものがあふれている山形県。しかも価格は都市部で買うよりかなり安いです。
ぜひ道の駅や産直での一期一会を楽しんで、山形の幸を持ち帰ってください。
■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。