2大ジンギスカンのタレ比較

ジンギスカンにタレが必須の理由とは?ベルとソラチ比較してみた|北海道グルメ

2025/04/11
  • 調理師・食育インストラクター2級・菜園家。もっと楽しく&健康的に食べたくなる食のはなしを発信 もっと見る>>

こんにちは!サンキュ!STYLEライターで北海道育ち、調理師のracssです。
北海道の肉料理といえばジンギスカン。ご存知、羊の肉を野菜と一緒に焼いて食べる料理です。ジンギスカンには「成吉思汗のたれ」が必須なのはなぜ?

ジンギスカンにたれが必須な理由とは

タレに漬け込んだ羊肉
出典:写真AC タレに漬け込んだ羊肉

ジンギスカンは漬け込みタイプ、つけダレタイプがありますが、どちらもたれが必須。ラム肉を塩やこしょうで提供するお店もありますが、やはり基本はタレですね。
これは羊肉の独特の匂いを消して美味しくいただくために必要なタレなのです。ジンギスカン用のタレを販売しているメーカーはいくつもありますが、玉ねぎや酢が入った、甘酸っぱい味が共通しています。

北海道では軍需で羊毛をとるために殖やしためん羊の活用法のひとつとして食べ方が工夫されてきました。
大人の羊肉はマトンと呼ばれ、濃い旨味や脂と弾力がある代わりに「羊臭さ」が強い肉です。
そこでそのクセを中和しできるだけ柔らかく焼くために、玉ねぎや果物を使って考案された醤油ベースのタレが「ジンギスカンのタレ」の始まりです。
筆者が子ども時代には、各家庭でも自家製タレのレシピがあったものでした。

現在北海道のスーパーに並ぶのはオーストラリアなどのラム肉です。子羊の肉であるラムはマトンに比べると柔らかくクセが少なくて食べやすいですが、やっぱり「ジンギスカンのタレ」は必須。
ちなみに、専用の「ジンギスカン鍋」を使わず普段からフライパンで焼く家庭も多くなっています。そこで重要になるのが、簡単に味が決まる市販のタレです。

2大メーカー「ソラチ」「ベル」のたれ比較

ベルのたれとソラチのたれ

ジンギスカンのタレを販売している2大メーカーといえば、ベル食品とソラチです。どちらも60年以上の歴史があるタレなんですよね。
しかし味の違いがあるので、各家庭で好みが分かれるところ。道民には大抵「うちはこっち派」というのがあるんです。そしてジンギスカンのタレを略して「ジンたれ」と呼んだりします。
2種のジンたれの特徴は以下の通り。食べたことがなくてどちらを買おうか迷っている方がいたら、ぜひ参考にしてください。

ベル成吉思汗のタレはスパイシー

ベルのたれ

ベル食品は1956年に成吉思汗たれを発売。道内の先駆けです。
ベルのジンギスカンのタレの味はスパイシーで、お皿に出してみると赤い粉状のスパイスが目立ちます。また玉ねぎのほか、ニンニクや生姜がたっぷり入っているのが特徴です。
香辛料の風味がちょっとクセのある羊肉の脂をさっぱり食べさせてくれる味わいなんです。

ソラチのたれ「特選成吉思汗」はりんごの甘さ

ソラチのたれ

ソラチのジンギスカンのタレはやや甘め。お皿に出してみると色がかなり濃く、少しとろみがあります。
もちろんこちらも醤油ベースですが、玉ねぎのほか、りんごをふんだんに使って開発されたもの。1960年から販売されています。
ソラチのタレの方は酸味が控えめなのでお子さまにも好まれる味ですね。味の濃い羊肉を甘さで包んでなじませる、ご飯に合う味です。

ジンギスカンのタレはアレンジもおすすめ

家庭のジンギスカン

ベル食品やソラチのジンギスカンのタレは、アレンジもおすすめ。カレーや肉じゃがなど、いつもの料理の隠し味に使うと面白いですよ!
また、シソの千切りやみょうがなどの薬味を足すというアレンジがソラチのパンフレットで紹介されていました。夏の焼きうどんにぴったり合いそうです。

ジンたれは豚肉や鶏肉に使っても美味しいんです

広い北海道では地域により豚肉のジンギスカンも親しまれています。手に入りやすい豚肉の切り落としをジンギスカンのタレで炒めるだけでもいつもと違う味に。
また鶏の唐揚げの下味に使って「ジンギスカン味のザンギ」にするのも人気があります。卵と一緒に肉に揉み込むとしっかり味がつきますのでお試しください。

筆者宅では、ソラチのジンギスカンのタレにみりんを足して豚肉に絡めた十勝風豚丼をよく作ります。ソラチでは「豚丼のたれ」も出しているのですが、それで作るよりもジンギスカンのタレを使うほうが複雑な味わいになってとても美味しいんです。

ジンギスカンのたれをお土産にどうぞ

北海道グルメのジンギスカンに欠かせないタレをご紹介しました。
北海道以外の地域では羊肉が手に入りにくいかもしれませんが、ジンたれにはジンギスカンだけでない使い道もたくさんあります。
余っても使い道があるとわかれば、北海道のお土産としてもっと買いやすくなるのかな、と思いますがいかがでしょうか?
今回ご紹介の2大有名ジンたれのほかにも、ジンギスカン専門店とのコラボ商品や一味違うタレがたくさん販売されています。北海道旅行やアンテナショップで見つけた際にはぜひ手にとってみてくださいね。

●記事を書いたのは・・・racss(らっくす)
【racssプロフィール】
調理師・食育インストラクター2級・菜園家。
もっと楽しく&健康的に食べたくなる食のはなしを発信します。

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