子どもの話を聴くときに大切にしたい4つのポイント
チャイルドコーチングアドバイザーで、サンキュ!STYLEライターの山名美穂です。
「子どもの話はしっかり聴く」、みなさん日々されているかと思います。今日は更に上手に聴くための4つのポイントをご紹介させてください。
まねる・合わせる・繰り返す・観察する
子どもの話を上手に聴くためのポイントは、下の4つです。
1.まねること
2.合わせること
3.繰り返すこと
4.観察すること
ひとつずつ見ていきましょう。
1.「まねる」ただし「さりげなく」
ひとつ目は子どもの「まねをする」。「ミラーリング」とも言います。耳にしたことがありますよね。
仲のいいふたりは、仕草が似ていることが多くあります。また、人は仕草や姿勢が似ている相手に対して、信頼感や安心感を抱きやすくなります。
そのテクニックを子どもと会話に取り入れましょう。
ただし、さりげなくやること。あからさまに猿真似をされると、イヤですよね。
子どもが両手をあげて喜ぶ姿勢を見せたら、自分は少し背筋を伸ばしてみる。子どもがため息をついたら、時間差で息を吐いてみる……そんな感じがいいです。
2.話し方を子どもに「合わせる」
ふたつめは、話すスピードや声の大きさなどを子どもに「合わせる」。これを心理学NLPでは「ペーシング」と呼びます。
想像してみてください。自分が淡々と話しているとき、めっちゃ早口のハイテンションで相手がしゃべってきたら、イヤですよね。逆もしかりです。
人は話すスピードや声の大きさなどが合わない相手に、苦手意識を持つ傾向があるんです。ですので
・落ち込んでことばに詰まる子どもに対し、早口で説得する
・楽しくて興奮している子どもに、冷めた声・暗いトーンで返事をする
そんなことが続くと「お母さんは、分かってくれない」「自分に興味がない」という気持ちがちょっとずつ溜まってしまうのです。
忙しいとつい早口で返事をしがちですが、子どもの話にじっくり耳を傾けるときには、ちょっとだけ意識的にやってもらえるといいかなと思います。
3.「繰り返す」、バックトラッキングは会話の基本
3つ目は「子どものことばを繰り返す」。「バックトラッキング」という、コミュニケーションのスキルです。
子どもが「もっと遊びたい!」と言ったら「もっと遊びたいね」、「〇〇がムカつく!」と言ったら「ムカつくんだね」と繰り返すだけ。
バックトラッキングは、子どもに「お母さんは話を聴いていくれている」という安心感や信頼感を与えます。バックトラッキングをすることで、子どもはもっとあなたにこころを開いて、よりたくさんの話をしてくれるようになるでしょう。
4.「観察する」、ことば以外のサインを見逃さない
最後は「観察する」。ことば以外のサインから、相手の本当の気持ちを読み取ることでです。NLPでは「キャリブレーション」といいます。
「大丈夫」とは言ったけど、実はものすごく緊張していて体がこわばっている……。そんな心理状態を、ご自身も経験したことがあるのではないでしょうか。
そう、ことばと本音って、しばしば一致しませんよね。子どもと話すときも、ことばだけを額面通りに受け取るのではなく、それ以外の表情や体のこわばりなどにも目を向けられるといいです。
難しく考える必要はないように思います。「笑ってはいるけど、から元気だな」とか「平気って言うけど、調子悪そうだな」とか感じたこと、おありじゃないでしょうか。
それって、お母さま方が子どもの様子を観察していることに他なりません。無意識に行っている可能性大ですので、まずは安心してもらっていいです。
少し意識するだけで、子どもはもっと話してくれる
まねる・合わせる・繰り返す・観察する。どのくらいかは分かりませんが、みなさん普段から行っていることだと思います。だからこそ、今の親子関係があるのでしょう。
逆を言えば、子どもが話さない・関係が不安定などと感じるときは、上の4つのポイントがおざなりになっている可能性があるわけです。
1.さりげなく仕草を「まねる」ミラーリング
2.話すスピードや声の大きさを「合わせる」ペーシング
3.ことばを「繰り返す」バックトラッキング
4.表情や体を「観察する」キャリブレーション
ときどき見直してみてください。
お子さんと、よりよい会話を!
*NLP(神経言語プログラミング)は、「脳と心の取扱説明書」と呼ばれる実践的心理学。セラピー分野から生まれ、カウンセリングやコーチング等でも広く活用されている。
■この記事を書いたのは…山名美穂
WEBライター。チャイルドコーチングアドバイザー(R)、全米・日本NLP協会NLPプラクティショナー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。サンキュ!STYLEでは、子育てや人間関係を中心に、主婦の身近なトピックを扱って執筆しています。