年100冊以上本を読む私が厳選!「この夏に読みたい」おすすめ本3選

2021/07/11
  • 暮らしにまつわるあれこれを幅広く執筆するオールラウンダー。とりわけ北欧インテリア・家計・読書が好き。もっと見る>>

こんにちは。
年間100冊以上の本を読む読書マニアのサンキュ!STYLEライターあやをです。

夏本番が近づいていますが、今年もなかなかお出かけが難しそうですね。そんな今年の夏は、涼しいお家で読書はいかがですか?

今回は「夏におすすめの本」をご紹介します。

夏に読みたい本3選

火花 / 又吉直樹

お笑い芸人二人。奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩徳永。笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令した。彼らの人生はどう変転していくのか。人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ!「文學界」を史上初の大増刷に導いた話題作。

夏に読みたい本1冊目は、花火大会のシーンが印象的な「火花」。徳永と神谷、正反対の2人が辿る人生に、夢を追うこと、諦めることの難しさを考えさせられます。

ネタバレになるので詳しくは書きませんが、筆者は後半のあるシーンででボロボロと泣きました。文字を目で追って泣くって、映像を見て泣くよりずっと難しいと思うんです。「火花」は、久しぶりに文章で泣いた、忘れならない小説。文章一つ一つに重みがあり、むき出しの感情に胸を締め付けられる一冊です。

夏物語 / 川上未映子

大阪の下町に生まれ育ち、東京で小説家として生きる38歳の夏子には「自分の子どもに会いたい」という願いが芽生えつつあった。パートナーなしの出産の方法を探るうち、精子提供で生まれ、本当の父を捜す逢沢潤と出会い、心を寄せていく。いっぽう彼の恋人である善百合子は、出産は親たちの「身勝手な賭け」だと言い、子どもを願うことの残酷さを夏子に対して問いかける。この世界は、生まれてくるのに値するのだろうか―。

これまで考えもしなかった「なぜ子どもを生むのか」という問いを突きつけられた小説。

私たちは、さも当然のように子どもを持とうとするけれど、幸せになれるとも限らないこの世に、本人の意思とは関係なく強制的に生み出すことは残酷なのではないか?と言われ、ハッとしました。

関西弁でまくし立てるような文章が、登場人物の可笑しさや哀しさを引き立たせていてとても面白いです。結末に対しては意見が分かれそうですが、女性には、ぜひ一度読んで、主人公と一緒に考えてみて欲しい作品です。

怒り 上下 /吉田修一

若い夫婦が自宅で惨殺され、現場には「怒」という血文字が残されていた。犯人は山神一也、二十七歳と判明するが、その行方は杳として知れず捜査は難航していた。そして事件から一年後の夏―。房総の港町で働く槇洋平・愛子親子、大手企業に勤めるゲイの藤田優馬、沖縄の離島で母と暮らす小宮山泉の前に、身元不詳の三人の男が現れた。

文章からうだるような暑さが伝わってくる、じっとりと重い物語。

愛する人が「もしかしたら殺人犯かもしれない」と分かったら、私だったらどうするだろう...。信じられなかった人、信じていた人、どちらも辛くて、考えさせられました。

筆者は読み終わった後しばらく放心状態に...。それくらい苦しくなるテーマなのですが「信じること」の難しさを真正面から問われ続ける、読み応え抜群の一冊でした。

暑い夏こそ家で本を読もう!

今回は、暑い夏にピッタリの本をご紹介しました。今年は、クーラーの効いた部屋で冷たい飲み物を片手に、夏の読書を楽しみましょう!

◆記事を書いたのは・・・あやを
インテリアも節約も収納も料理もそこそこな肩書き迷子。強いて言うなら暮らしにまつわるあれこれを幅広く執筆する「暮らし」のオールラウンダー。お金好きが高じてFP2級を取得。暇さえあれば本を読んでいる読書家。Instagramでも定期的に読んだ本を紹介しています。

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