災害時に必要な項目のチェックリストを作成する家族のイラスト

台風シーズン!命を守るために、必ずしてほしいこと

2020/09/03
  • 2人の食べ盛り男子の母。子育て支援の現場で働きながら手抜き&時短のごはん作りを楽しんでいます。もっと見る>>

 こんにちは!子育て家庭向け防災講座の講師活動を行っている、サンキュstyleライターのみい太です。

 9月から10月にかけて、本格的な台風シーズンですね。ここ数年の台風は、今までの常識が通用しない!大きな被害が各地で出ています。
 「今までこの辺は被害が出ていないから、今度も大丈夫だよね。」と思っていた地域でさえ、浸水や土砂崩れ、暴風による被害に見舞われました。

 そこで!台風被害を他人事と思わずに、まずは必ずしてほしい「家族の命を守る行動」を紹介いたします。

見たことある?「ハザードマップ」

 みなさん、「ハザードマップ」を知っていますか?

 ハザードマップとは、「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用するために、被災想定区域や避難場所、避難経路などを表示した地図」(国土交通省国土地理院ホームページ参照)のことです。
 つまり、これを見れば、自分の住んでいる地域が「浸水の危険はあるのか」「土砂崩れはあるのか」「いざというとき、どこに避難すればいいのか」など、命を守るために必要な情報がいっぱい載っているのです!

 …ですが、今まで防災講座をしてきて…「ハザードマップ」が何かは知っていても、「見て自分の地域を確認したことがある」お母さんには、数えるほどしか出会っていません…。
 先日子育てひろばで行った講座では、実際にハザードマップを開いて、自分の家の周りが浸水の危険性があるかどうかを見てもらいました。すると、自分の家の周りや近くが膝上以上まで浸水する可能性がある、と知ったお母さんたちがびっくり!!
「川から遠いし、まさか自分の家が浸水するかもとは思ったことありませんでした…。」と。川から遠くても、土地が低くなっていて雨水が流れ込んでくる地形では、浸水の危険性があるのですね。
 そのように、いざ自分事として考えると、
「小さい子どもを連れて、逃げられるのか?→早めに避難しよう」
「どこに逃げればいいの?→自分の地域の避難所をチェックしよう」
「家や家財を守りたい!→土のうの用意、車を動かしたり2階に物を上げたりしよう」
と、どんな備えをすればよいかがイメージできるはずです。

 まだハザードマップを見たことがない!という方は、非常持ち出し袋も大事ですが、なによりまずハザードマップを確認しましょう!
 お住まいの自治体役所に行けば無料でもらえますが、なかなか行けない…という方は、インターネットで見ることもできます。
 国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で、日本全国のハザードマップを検索することができます。おススメは「わがまちハザードマップ」です。各自治体が出しているマップをPDFファイルで見ることができます。経験上、自治体が出しているマップがいちばんくわしく情報が載っているからです。

 ちなみに、地震発生時の避難所と、水害発生時の避難所は、ちがう場合があります。そのこともよくチェックしておいてくださいね。 

マイタイムラインを作ってみよう!

 ハザードマップを見たら…なんと、自分の地域が浸水の可能性があった!とわかりました。そこで、どうしたらよいのか?いざというときに、わからなくてパニックになっては、自分も家族も危険です。
 そこで、水害に備えてどんな用意をしたらよいか、自分の家族オリジナルの計画を立てることができるのが「マイタイムライン」です。
 
 地震とちがって、台風などの大きな水害は、天気予報である程度予測ができる。それが強みです!そこで、いざというときにどのタイミングでどう動けばよいのかを、事前にスケジューリングしておくことで、落ち着いて行動することができます。

 上に挙げたのは、石川県かほく市のマイタイムラインです。必要な項目がわかりやすく簡単に書き込めるようになっていたので、ご紹介します。
 大事なのは、我が家オリジナルのスケジューリングをしておくこと。小さい子どもや高齢者がいたら、どのタイミングでどこに避難するか。2階がある一軒家なら、どのタイミングで何を2階に避難させるか、車をどこに持っていくか。用意するものは何か。…これらのことは、住む地域や住宅、家族構成によってちがうため、事前に検討しておくことが大切です。
 他の地域でも、地域の実態にあったマイタイムラインが作られているので、それを使ってもよし、かほく市のように使いやすいものを見つけてダウンロードしてもよし。ぜひ子どもも交えて家族会議を開き、マイタイムラインを作ってみてくださいね!

 

具体的に…用意してほしいこと

 次に、浸水や土砂崩れの心配のない人たちも含めて、台風に備えて準備してほしいことをいくつかご紹介します。

・土のうの用意…
浸水が予想される地域では、玄関から家の中へ水が入らないように、土のうを積んで備えます。ですが、もし土のうが手に入らないときは、45Lサイズの丈夫なビニール袋に水を一杯入れて口を閉じ、それを段ボール箱に入れたものを隙間なく並べても、代わりになります。

・家の周りの排水溝の掃除…
これは普段から心掛けておきましょう。排水溝が詰まっていると、雨水が流れずに道路が冠水することもあります。

・庭や玄関先、ベランダのものを片付ける…
物が風に飛ばされて家や窓ガラスを壊したり、場合によっては人にぶつかって怪我をさせる危険性も…。物干しざおもしっかり固定するか、はずして中にいれましょう。

・窓や網戸の固定…
暴風域に入る予報の際には、前もって養生テープをホームセンターで買っておきましょう。窓ガラスの内側から「バッテン&周りを囲む」ようにテープを貼ります。さらに段ボール紙などを重ねて貼るとさらに強化できます。窓ガラスが割れると、破片で怪我をしたり、台風が去った後の生活にも影響が出てしまいます。

・トイレ対策…
大雨のときは、下水道があふれて使えなくなることも予想されます。まず、トイレや風呂場などの排水溝から「ゴボゴボ…」という音がしてきたら、それは下水道があふれる危険が迫っている合図です。45Lサイズの丈夫なビニル袋に水を入れたものをトイレ内や排水溝の上に置いて、逆流を防ぎましょう。
また、下水道が使えなくなると、トイレも使えません。吸水ポリマーなどを利用した災害用トイレグッズが市販されています。その用意もしておくと安心でしょう。
(詳しくは以下のページに紹介しています。)


・水・食料…
昨年の台風19号の際、近所の店からカップ麺が一気に消えました…。ですが、カップ麺をおいしく食べるには、「水」と「お湯を沸かす熱源」が必要です。
水は一人3L×3日分が水害時の目安とされています。水源が濁って水道が使えなくなることもあるので、水の用意は大切です。また、電気やガスが使えなくなることも想定して、お湯を沸かすカセットコンロなども用意しておきましょう。



 台風や水害は、来ることを予測して事前に準備することができる…つまり準備によって少しでも被害を減らすことができる災害です!家族を守るために、今できることを少しずつでも準備してみませんか?

~読んでくださりありがとうございました~
**掲載の体験談は個人の感想です**

■書いたのは…サンキュ!styleライター  みい太
大食漢のダンナさんと中2&小5の食べ盛り男子を満足させるのに悪戦苦闘!教員と保育士の資格を活かして子育て支援の現場で働きながら、手抜き&時短をモットーに日々のごはん作りを楽しんでいます。
元サンキュ!トップブロガー  公式サンキュグラマー 
子育て家庭防災トレーナーとして、子育てひろばなどで防災講座を開いています。

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