気にしなくても意外と平気!無視してもいい料理の常識2

2023/07/30
  • 二児の母。塾講師、学校教師の経験あり。甘いものと日本の古いものをこよなく愛しております。もっと見る>>

こんにちは。サンキュ!STYLEライターのdanngoです。
幼い頃に大人から教わった習慣を、なんとなく続けてしまっていることってありませんか?
一昔前は常識だったことが、今では違うということもありえます。
無視してもたいして問題にはならない、料理の常識を2つ紹介します。

調味料の「さしすせそ」

新婚時代、料理教室に通っていた時の話です。
その料理教室では、いつも調味料があらかじめ計量した状態で置かれていました。
少し大きめの空の皿も一緒に置いてあり、「それでは調味料を全部皿に入れて混ぜてください」と言われます。

当然ながら私は困惑。料理の味つけと言えば「さしすせそ」が基本だからです。
「さ」が砂糖、「し」が塩、「す」が酢、「せ」がしょう油、「そ」が味噌。
この「さしすせそ」の順番にしないと味がうまく入らないから必ず守るように、と家庭科の授業で習ったはずなのです。

困惑したあげく「砂糖から順番に入れなくて大丈夫ですか?」と思い切って聞いてみました。
すると先生、笑顔で「大丈夫ですよ」。
仕方なく言われた通りの方法でつくってみたところ、何の違和感もなくおいしく仕上がりました。

理論的には分子の大きい砂糖を先にしないと味がしみこみにくいなどと言われるのですが、今の世の中時短の時代。
時間差で少しずつ調味料を入れるより全部合わせておいたものを一気に入れた方が楽で、失敗も少ないのでしょう。
特に生肉を使った料理では途中で味見がしにくいため、合わせた調味料のみで先に味見をした方が思った通りの味に近くなります。

アルコールをとばす必要のある酒やみりんは早いうちに、香りのとびやすいしょう油や味噌は食材に火が通ってから、くらいのことに気をつければほぼ問題なし。
あとはほぼ同時に入れても、気になるほど味は変わりませんよ。

献立の「1日30品目」

新婚時代の私を苦しめたのが、家庭科の授業で習った「1日30品目を目標に」という指針でした。
加工食品は複数の素材が入っていても1つの食材として扱うため、手づくりにこだわらないと目標を達成できません。
何度も指折り数えては「今日は2品目足りなかった。ダメだなあ私」と自分を責めて落ち込むことしばしば。

ところが、食生活アドバイザー(R)の資格を取るために勉強を始めたところ、教科書のどこにも「1日30品目」の文言が見当たらないのです。
不思議に思ってネットで検索すると、この「1日30品目」という厚生省(厚生労働省)がかかげた言葉、2000年に削除されていることが判明。
あまりニュースにもならなかったので、私のようにずっと信じている人も多いのではないかと思います。

削除理由の1つが、「たくさん食材をとろうとしてカロリー過多になることがあるから」。納得です。
私もこだわっていた頃はなんとか30品目を達成しようとして、お腹もすいていないのにデザートの果物を食べていましたから。

大事なのは、品目数よりバランス。
多くの品目を食べればバランスよくなりそうなものですけれど、米・パン・麺類など主食を複数とって品目数をかせぐことも可能なわけで。
糖質や脂質にかたよっていてもいろいろなものを食べればいいと思われやすい指針では、意味がないのですよね。

今の食生活指針は「主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを」となっています。
いわゆる粗食に近いものでも、主食のほかに肉や魚、野菜などをバランスよくとれていれば食材の数にこだわる必要はないでしょう。

食事づくりは毎日のことですから、あまり頑張りすぎるとストレスがたまります。
完璧でなくとも家族が元気に過ごせればいいと、ゆるく考えていきたいですね。

トップ画像撮影風景。ニンジンは投げていません、つるしています。

◆記事を書いたのは・・・danngo
料亭女将のDNAを受け継ぐアラフォー。料理上手ではなく、おいしいものを嗅ぎ分ける能力のみに特化。魚介類と甘いものに目がありません。お酒に弱いけれど日本酒が好き。食生活アドバイザー(R)の資格を取得。

計算中