不器用に生きる息子が背中で教えてくれるのは……継続することの大切さ

2022/02/13
  • 二児の母。塾講師、学校教師の経験あり。甘いものと日本の古いものをこよなく愛しております。もっと見る>>

こんにちは。サンキュ!STYLEライターのdanngoです。
我が家には、少し成長の遅いのんびり屋の息子がいます。
幼い頃は周りと比べて悩む毎日でしたが、今では彼の個性だと考えることに。
そんな息子が、愚直に続けることの大切さを教えてくれた話をしようと思います。

小学1年生の後半から始めたピアノ

ピアノを始めることになったきっかけは、「指先を動かすことが発育に良い」と耳にしたこと。
早速ピアノ教室を探しましたが、地元の教室では断られ続けました。
見学に行くと、落ち着いて演奏を聴くこともままならない状態だったからです。

そのうちの1つの教室の先生がかわりにと紹介してくれたのは、数駅離れた教室でした。
不安でいっぱいでしたが、こころよく受け入れてもらったことに今でも感謝しています。
最初のレッスンでは、鍵盤に触るどころかピアノに近づくことも拒否。
それでも先生は決してしかったりせず、演奏をだまって聴いたことをほめてくれていました。

少しずつピアノが好きに

だんだんピアノに慣れた頃、息子の才能もわかってきました。
習い始めて間もない頃、息子が低音の鍵盤をたたきながら「太い音」とつぶやいていたのを聞き、「いい表現です。耳が良いのですね」と先生がほめてくれたのです。
その時はあまり合点がいかなかったのですが、先生の引いた音を聴き取る「聴音」というプログラムで納得。
私がよくわからないと思う時でも、息子は正確に音階を当てるのです。
音感が良いのは確かでした。

息子の耳の良さを育てるなら良いピアノが欲しいと思い、アップライトピアノを購入。
キーボードより音が良いようで、練習の頻度が増えました。
レスターというブランドのピアノで、1960年製。
今ではほぼ製造不可能な象牙の鍵盤で、黄ばみや欠けも見られます。
古いピアノのため1年に1度の調律が欠かせませんが、音の独特の深みがすごく素敵です。

発表会に初挑戦

つい先日、息子の教室のピアノ発表会が開催されました。
人前で演奏なんかできないと思っていた私でしたが、息子が「出る」と言い出し参加することに。
毎日、ピアノ発表会で演奏する曲を練習する息子を見ながら応援するしかありません。

衣装はレンタルにしました。
ほぼ1人で着られた息子をほめ、衣装のまま練習もさせておうちリハーサル終了。

本番の日は雪が心配されていましたが見事に晴れ、すがすがしい空気が漂っていました。
息子はフランス民謡を2曲披露。
少し緊張していたのか弾くペースが普段より少しゆっくりだと感じられましたが、ミスなく弾き終えることができました。
3年ちょっと前、ピアノに近づくこともなかった頃には考えられない進歩です。
不器用でもやると決めたことはやり続ける、その愚直さは大きな力になることに改めて気づかされました。

◆記事を書いたのは・・・danngo
中高国語科教員免許を持つ、活字中毒気味のアラフォー。高学歴・高血糖・高齢出産の三高ライター。「家事は化学、子育ては文学」を信条としている。

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