暖かくなってきたらGよりずっと怖いあの虫に注意!気をつけるポイントとは

2022/04/18
  • 二児の母。塾講師、学校教師の経験あり。甘いものと日本の古いものをこよなく愛しております。もっと見る>>

幼少期『ファーブル昆虫記』を愛読書にしていた昆虫好きライターのdanngoです。
春らしい気候になると、昆虫の活動も増えてきます。
嫌われ者のゴキブリより恐ろしいのは、刺されると死ぬこともあるスズメバチ。
注意すべき時期・場所・行動などをお伝えします。

スズメバチは4月くらいから活動開始

スズメバチの女王は、巣をつくらず単独で越冬。
昆虫が動きやすくなる4月あたりから活動を開始し、飛び回るように。
この時期に1匹だけで飛んでいるスズメバチを見つけたとしたら、女王バチである可能性が高いでしょう。

その後1匹で巣をつくり産卵、働きバチが増えてよく目につくようになるのが初夏くらい。
それから秋までは個体数が多く、動きも活発なので注意が必要です。

スズメバチに威嚇された恐怖体験

昨年の8月くらいのこと。
私は息子と一緒に森に面した公園へ。
息子を遊具で遊ばせながらそばの林をふと見ると、朝の優しい光に照らされて舞うサトキマダラヒカゲが目にとまりました。
6、7頭はいたことでしょう。
薄茶色の地味なチョウですが、近くで見ると蛇の目模様が独特で光の当たり方次第では幻想的な美しさをかもしだすのです。

近所で1頭だけじっとしていたサトキマダラヒカゲ。これがたくさん飛んでいたのです。近縁種のヤマキマダラヒカゲの可能性もありますが、斑紋の特徴からおそらくサトキマダラヒカゲだろうと推定しました。

近くで見たいと思った私はスマートフォン片手にチョウの集団に接近。
あと3メートルくらいで接写できると思った瞬間です。
顔の1メートルほど前でスズメバチがホバリングして、こちらをじっと見つめているではありませんか。
「これは威嚇、近づいたらやられる」と察知した私は少し腰を落としてさっと後ずさりした後、背を向けて一目散に逃げました。

どうやらスズメバチのえさ場にもなっていたようです。
サトキマダラヒカゲもスズメバチも、樹液をえさとする昆虫。
スズメバチがいる可能性を考えなかったのはうかつでした。
後日同じ場所でズーム撮影した写真では、黄色の矢印にいる4匹がスズメバチ、ピンクの矢印の先にいる2頭がチョウであるのがわかります。

スズメバチが巣をつくる場所

私達ができることは、巣をつくりそうなところにできるだけ近づかないこと、自宅付近に巣づくりされた場合は早急に対処することです。
スズメバチは木の上のほか、民家の屋根裏や軒下、ダンボール箱の中やトラックの荷台など目立たない所に巣をつくります。
キイロスズメバチは都会でも見かけることがあり、要注意です。
オオスズメバチの場合は、土の中にも巣をつくります。

実際、母の実家の屋根裏から巣が出てきたり、父の実家の軒下で巣づくりの現場に出くわしたり、転勤で留守中に自宅ベランダの倉庫に巣をつくられたりした経験が。
現在住んでいるマンションにも何かのハチの巣ができているので念のため管理人に報告しておきました。
ジガバチかドロバチあたりの巣で危険性低めでしたが、殺虫剤はまいてくれたそうです。
個人宅の場合は、自治体に相談してくださいね。

刺されないために気をつけるべきこととは

私の恐怖体験を振り返ると、反省すべき点がいくつかあります。
1つは警戒しないまま樹液のある場所に近づいたこと、もう1つは威嚇されたと感じて慌てて逃げたことです。
充分に用心し、刺激しないようゆっくり逃げるべきでした。
振りはらう動作をしなかっただけ良かったとは思いますが、心の準備がないと知識があっても慌ててしまうものなのです。

以下、山の中で気をつけたいことをまとめてみました。
・肌を露出しない
・黒っぽい服を着ない
・帽子をかぶる
・香水をつけない
・決められた道以外歩かない
・スズメバチを見かけても騒いだり攻撃したりしない

スズメバチだって、自分達の生活で忙しいのですから余計なことで体力を消耗したくはないはずです。
刺すのはあくまでも自衛のため。
先にスズメバチの生活の場を奪い、トラブルを引き起こすのは他ならぬ私達人間であることを自覚しておいてもらいたいものです。

※参考文献…中村雅雄『世の中への扉 おどろきのスズメバチ』2013年、講談社

◆記事を書いたのは・・・danngo
中高国語科教員免許を持つ、活字中毒気味のアラフォー。高学歴・高血糖・高齢出産の三高ライター。「家事は化学、子育ては文学」を信条としている。

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