元国語教師が教える!本の説明で終わらない読書感想文の書き方
こんにちは。サンキュ!STYLEライターのdanngoです。
夏休みの宿題の最難関といえば、読書感想文。
ほうっておくと数行で終わってしまい、あきれてしまうことも。
子どもにとっては、本を読んだ感想をいきなり原稿用紙に書くのは難しいことなのです。
読書感想文の採点経験がある私が、書けるようになる方法をお教えします。
読書感想文の準備は読む前から始まっている
課題図書が決まっている場合はしかたありませんが、自分で読む本を選べる場合は本選びが大事となります。
子どもの学年に応じ、ボリュームがありすぎず内容が難しすぎない本を選ぶことが大切。
夏休みの少し前くらいから、書店や図書館では読書感想文専用コーナーがもうけられていることが多いです。
場合によっては、「低学年におすすめ」といったように学年にあった本を紹介してくれていることもあるので、参考にするといいでしょう。
悩むようなら、書店員や図書館司書に直接聞いてしまうのも方法です。
読む時はふせんを手元に置き、面白かったところや印象に残った部分のページに貼っておきます。
後で読書感想文を書く際、引用したり詳述したりする場面を探しやすくなります。
3行で終わる読書感想文にならないために
低学年で特に起こりがちなのですが、読書感想文が3行程度で終わってしまうことがあります。
内容を見ると、本の名前と簡単な内容説明を書いて「面白かったです」で終わるパターンが多め。
もしくはあらすじばかりくわしく書いてしまって、9割が本の内容説明になっている場合も。
こうなるともはや「読書感想文」ではなく単なる「読書記録」です。
読書感想文を書く時は、以下の5つの要素から考えましょう。
1.本の紹介(著者名、作品名)
2.本を選んだ理由(あれば)
3.本の内容説明・印象的な部分
4.自分の意見や感想
5.まとめ(強く心に残ったこと、自分の考えの変化など)
書き方の手順は
本の紹介、選んだ理由まではスムーズに書けるかと思います。
具体例がある方がわかりやすいので、低学年向けの絵本である『ろくべえまってろよ』を読んだことにしましょう。
本の内容説明は、まず5行くらいで短くまとめてみます。
といったぐあいです。
その後、印象的だった部分をいくつか拾い、詳しく書くといいでしょう。
よくある読書感想文の構成には2通りあります。
1番目は、先に内容説明や印象的な部分を一気に書いてしまい、意見や感想をまとめて1か所に書く方法。
2番目は、内容説明の後に印象的な部分と意見や感想を短いまとまりで交互に書く方法。
高学年なら1番目の方法で書けますが、書き慣れていない低学年のうちは2番目の方法がおすすめ。
ろくべえのためにシャボン玉をふくばめんがあります。わたしは、あなの中ではシャボン玉がよく見えないのではないかとふあんになりました。思ったとおり、ろくべえはうごかないままでした。
といった形になります。
自分の考えを書く時は、
1.自分の経験に照らし合わせて書く
2.登場人物の立場になって書く
のどちらかに決めて書くと書きやすいです。
3.社会情勢に照らし合わせて書く
というパターンも小学校高学年くらいから可能ではありますが、普段からニュースに関心を持つことが必要。
中学生以上であれば、積極的にチャレンジしたいところです。
わたしはこの本を読んで、きょ年みちばたのみぞにすてられていたネコをたすけたのを思いだしました。友だちといっしょにかってくれる人をがんばってさがしました。
1のパターン。
ぼくがろくべえだったら、こわくてないてしまうと思います。あながとてもふかくて、どうやっても出られそうにないし、なにも見えないと思うからです。
2のパターン。
現在では、動物の権利を守ろうという動きが強くなっていると感じる。この本が書かれた当時、犬は命というより飼い主の所有物という感覚が強かったのではないかと思う。
3のパターン。
結末は、本を読み終えて自分の中に強く残った気持ちを書くようにすれば大丈夫。
特に印象的だった部分についての意見を短く書く、または本を読んで変わった自分の考えや今後変えていきたい自分の行動について書きます。
わたしは『ろくべえまってろよ』を読んで、たいへんな時でもみんなでいっしょに考えたらうまくいくことがあると学びました。今までは一人で考えてすぐむりだとあきらめていましたが、だれかにそうだんしてがんばるようにしたいです。
小学校低学年なら、このくらいの文章を書けば高評価が得られるでしょう。
読書感想文がうまく書けないのは、書き方をくわしく教えてもらうことがないからなのです。
手順を教えれば、どんな子どもでもある程度書けるようになるはずですよ。
◆記事を書いたのは・・・danngo
中高国語科教員免許を持つ、活字中毒気味のアラフォー。高学歴・高血糖・高齢出産の三高ライター。「家事は化学、子育ては文学」を信条としている。
この本はろくべえという犬がふかいあなにおちるところからはじまります。大人たちがたすけてくれないので、小学一年生の子どもたちがちえを出しあってろくべえをたすけだす話です。