小銭と身近な道具でできる!理科好き元塾講師おすすめ実験3
小学生の頃から理科が得意で、中学受験を目指す進学塾で理科を教えていたことがあるdanngoです。
小さな子どもに見せると間違いなく盛り上がり、勉強にもなる科学の実験。
家や財布の中にある小銭と身近な道具を使って、簡単にできる実験を紹介します。
十円玉をピカピカにする実験
用意するのは、錆びて茶色くなった十円玉数枚、綿棒、ケチャップなどの調味料。
ティッシュも数枚置いておきます。
まず、ティッシュをぬらして十円玉の表面の汚れを軽くふきとります。
手の脂がついていることもあるので、液体せっけんを少しつけてふくとより良いでしょう。
乾かした後、綿棒に調味料を少しだけとり、十円玉の上に塗ります。
塩や砂糖などの固体の調味料は、少量の水で溶かしてから塗ってください。
10分から15分程度放置します。
その後、ティッシュで優しく調味料をふきとりましょう。
今回試したのは、マヨネーズ、ケチャップ、砂糖、塩、酢。
マヨネーズとケチャップが特にきれいになり、酢も茶色い色がだいぶ取れていました。
塩と砂糖は、変化が見られませんでした。
茶色くなった十円玉は表面が酸素に触れて酸化銅の膜ができた状態になっています。
酸性のものに触れて酸化銅が酸と結びつき分解されることで、もとのきれいな銅の色が見えるのです。
十円玉に限らず、銅を含む硬貨なら同じように実験が可能。
色が濃いもののほうがわかりやすいので、十円玉の次におすすめなのが五円玉。
銅と亜鉛の合金でできている硬貨です。
ケチャップをつけて放置してみると、かなりきれいになりました。
酢よりケチャップやマヨネーズの方がはっきり変化するのは、含まれる塩分が反応を助ける働きをするかららしいです。
現在家にはないのですが、小学生時代にやった時はタバスコでもかなりきれいになっていました。
水に浮く一円玉の実験
用意するのは平皿かトレー、コップ、しょう油さしやスポイト、一円玉。
まず、水がこぼれても大丈夫なように皿やトレーを置き、そこに八分目くらいまで水を入れたコップを置きます。
それからしょう油さしなどでコップのふちぎりぎりまで水を注いでいきます。
横から見て、水が少し盛り上がって見えるくらいが目安。
その水面に、一円玉を水平にしてすべらせるように置きます。
すると一円玉は沈まず、水に浮くのです。
一円玉の原料であるアルミニウムの比重は水よりずっと大きいので、本来なら水に沈むはず。
実際、少しでも斜めに入れてしまうと一円玉は沈んでしまいます。
浮いていられるのは、水が水だけで集まろうとする表面張力という働きがあるからです。
6歳の娘に「なんで浮くの?」と聞かれた時は、こう答えました。
「お水さんは、自分達だけで集まりたいの。ぎゅっと肩を組んでできるだけ小さくなろうと頑張っているんだね。その肩の上に一円玉がそっと乗ると、バランスが取れて浮いていられるの」
「表面張力」だの「性質」だのといった言葉を幼稚園児に対して使うと全く理解されないので、難しいことは無理やりにでも擬人化して教えています。
踊る十円玉の実験
十円玉とガラス製の口の細い瓶があれば簡単にできる実験です。
昭和の時代はどこの家にも瓶ビールが冷やしてあったので、ほろ酔いの父親がよくやってくれたものでした。
現在ビール瓶は見かけないので、調味料の空き瓶などを冷蔵庫に入れて冷やしておくと良いと思います。
一時間以上冷やして、よく冷えたら取り出しましょう。
十円玉を軽く水でぬらして、瓶の口の上に置き密着させます。
後は手で包み込むようにしてしばらく待つだけ。
そのうちカタカタという音が聞こえてくるはずです。
これは瓶の中の空気が温められて膨張し、逃げ場を求めて瓶の口の上の十円玉を押し上げるから。
十円玉に顔を近づけてよく観察すると、ほんのわずかに十円玉が持ち上がり、すぐまた戻る様子が確認できます。
この実験では、穴が空いていなくて重さと大きさが適当な硬貨が必要。
百円玉は十円玉より少し重い程度なので、十円玉がなければ百円玉でも代用可能です。
家に瓶がない場合は、ペットボトルも使えます。
500ml以上の容量があるものがやりやすいです。
それ以下の場合、中の空気が少なくなるため難しくなってきます。
どうしても小さいペットボトルしか用意できないなら、冷凍室で冷やすという奥の手も。
思い切り冷やせば、空気の膨張率が上がり少ない容量でも成功しやすくなります。
キャッシュレス化が進み、なかなか減らない小銭。
たまには実験に使ってみるのも一興です。
紛失や破損の危険性もあるので、実験は必ず大人が付き添うようにしましょう。
◆記事を書いたのは・・・danngo
中高国語科教員免許を持つ、活字中毒気味のアラフォー。高学歴・高血糖・高齢出産の三高ライター。「家事は化学、子育ては文学」を信条としている。