ちびっこのハミガキと格闘するママへ
実は歯科衛生士の資格を持っている(持って は いる)三田とりのです。
専門学校を卒業して国家資格を取りまして、結婚前に5年ほど歯科医院に勤めていました。
この経験は子供たちへの歯磨きに非常に役立っています。
役立ってはいるのですが、あの頃親御さん方へと伝えていたアドバイスが自分にブーメランとして舞い戻り、ぶちかまされる日々であります。
というのも、息子は歯磨きにすんなり慣れて全く嫌がらず余裕だったのですが、娘は歯磨きが大嫌い。
まぁ大嫌い。
子供の歯磨きは、大変
毎度この調子なので、母はぐったりうんざり溜息混じり。
「磨かせてくれなくて……」
とお悩みだった親御さん方、今ならお気持ち解ります。
な〜んで歯磨きするだけでこんなにしんどいんでしょうね!
ホントに!!
なんで歯磨きが嫌なの?
子供が歯磨きを嫌がる理由はいくつかあるようです。
1番わかりやすくしかも多いのが「痛いから」です。
一生懸命なあまり(抵抗されるとますます力が入りますよね〜、格闘するという言葉がぴったりです……)ゴシゴシ磨いてしまうと、小さな子供はかなり痛いんです。
当然嫌だし、もうしたくない! となる訳です。
そこで
歯ブラシの選び方、持ち方を変えてみると良いかもしれません。
大人が磨く時も同じですが、歯磨きに力はいらないんです。
歯ブラシのお尻の方、端っこの方を鉛筆の持ち方か摘むような形で持ちます。
こうすると力が入りません。
力を入れないとキレイにならないじゃない、と思われるかもしれませんが、大事なのはブラシの毛先が歯にしっかり当たることです。
毛先を当てたら、1本ずつ磨く気持ちで細かく横に動かします。
これで汚れが落ちてきます!
子供用の可愛い歯ブラシは、毛先の硬さが「ふつう」の物が多い印象です。
本人が磨く時は好きなキャラクターの描かれた歯ブラシなどで楽しく磨くと良いと思いますが、仕上げ磨きは「やわらかめ」の歯ブラシがオススメです。
歯ぐきを磨いてしまっても、やわらかめのブラシを弱い力で扱えば痛くないからです。
痛くないなら磨ける、となるかもしれません。
絵のようにほっぺた部分のお肉をぐっと除けて磨くと、奥歯の横側もキレイに磨けます。
柔らかい頬の肉を巻き込んで磨いて痛がられる事も無くなります。
指を奥の方に入れると気持ちが悪くなってしまう子は無理をしないでください。
刺激に弱く、触られると吐き気が強く出る子もいるので、無理は禁物です。
そういう子にはブラシ部分の小さな物を選ぶと異物感が減ります。
毎日ちょっとずつでも磨いていると慣れて気持ち悪くなりづらくなってくる子も多いので、気長に考えた方が良いと思います。
気持ち悪いものは気持ち悪いですもん。
誰も悪くないのです。
対応策を考えれば大丈夫!
タフトブラシという、歯の細かい部分を磨ける小さなブラシ。
これはかなり小さいので、気持ち悪くなりやすい子の奥歯を磨く練習にちょうど良いかもしれません。
あとは、気持ち悪くなるポイントを把握してそこは極力避けるようにするというのもありです。
拭き取るタイプの歯磨きという手もあります。
指にシートを巻きつけて拭き取るので、気持ち悪くならないように加減しながらキレイにできます。
これ、歯が生える前の赤ちゃんにやっておくと歯磨きの練習になるそうです。
赤ちゃんの場合は清潔なガーゼを指に巻いて、かる〜くお口の中を拭ってあげるだけ。
口の中に異物が入って掃除をするという状況に慣れることができるので、歯磨きへの抵抗が減るそうです。
大人用のものもあるので、避難袋に入れておけば災害時の歯磨きが安心です。
特に高齢の方は歯磨きをしないことで口の中の状態が悪くなり、そこから肺炎を起こしてしまう事もあるんです。
歯磨き嫌いからそうでない人まで、幅広くオススメ商品かと思います。
うちの娘は暴れるんですけど……
はい、娘は逃げるし暴れます。
「はい、ゴロンしてあーんしてね〜」
で磨かせてくれれば良いのですが、説得に応じる訳もなく。
我が家では最終的に、娘を無力化させて磨いてます。
大の字に転がった子供の腕の上に自分の太ももを乗せまして、固定するんです。
「押さえつけてまで磨かなくても」という声もありますが、毎日全く磨けないのではさすがに困ります。
なので、短い時間で磨き終わるように、痛くないように気を付けながら押さえ込んで磨いちゃってます。
1度の歯磨きで全部の歯をキレイに磨くのは難しい場合は、分割して磨けば大丈夫。
朝に前歯だけ夜に奥歯だけ、朝に上が磨けたら夜は下を磨くなど、1日がかりで全体をキレイすると考えると少し肩の荷が降りませんか?
あとはもう、フッ素です。
うちはフッ素入りの子供用歯磨き粉を2種類の味で準備して、
「どっちにする〜?」
「こっち!」
というやり取りで娘の気持ちの下準備をしています。
完全に汚れが落ちていないのは自分でも判ってる。
せめて、せめてフッ素による再石灰化(食事後の酸で溶けた歯の表面を固めてくれる)に期待しよう。
そんな気持ちで使用してます。
頑張って磨くけど、頑張っても力及ばないときってありますよね。
あります。
大丈夫です、決してあなただけではございません!!
どうか皆様に幸あれ
あれもこれも書きたくなってきますが、今回はこの辺りで終了させていただきます。
歯科衛生士の国家資格を取った母でも、我が子の歯磨きは大変です。
ちなみに娘、歯科検診で保健師さんに磨かれた時は見たことが無いような良い子ぶりでした。
歯科医院勤め時代も
「うちでは口を開けないのに、ここでは開けられるの!?」
というお声を伺いました。
はい。
ちびっこにも格好をつけるというプライドがあるんです。
よそではできるけど、親には甘えちゃう。
あるあるです。
でも、毎日磨けるのは一緒に暮らす人間だけ。
やるしかない。
そう、やるしかないのです……。
「うちの子ホントに歯みがき嫌いで」
そう愚痴りながら、色々挑戦して乗り切りましょう。
いつか平気で磨けるようになるはずです。
なれるかな?
なれるとも!
◆この記事を書いたのは・・・三田とりの
歯科衛生士の国家資格を持つが完全にペーパー衛生士な2児の母。手先が不器用なのに細かい仕事をする職業を選んでしまったうっかり野郎。現在は専業主婦。