これで本当に果物なの?「アボカド」の栄養価が想像以上にすごかった件について

2022/08/26
  • 管理栄養士&食生活アドバイザー。5歳娘のママ。食と栄養に関する記事執筆、栄養相談をメインに活動中。 もっと見る>>

こんにちは。昔から食品栄養成分表をみるのが大好きな、サンキュ!STYLEライターのゆかりです。

「森のバター」という異名をもつアボカドですが、濃厚で脂質たっぷりということは知っていても、そのほかの栄養についてはあまり知られていません。
筆者も気にしていなかったのですが、改めて調べてみてビックリ!

この記事では、管理栄養士である筆者が、ぜひ多くの人に見直してほしいアボカドの栄養についてご紹介します。
また、どうして甘味がないのにアボカドが果物に分類されるのか、という疑問についてもお答えします。

アボカドの脂質量はケタ違い!

こってりと濃厚でなめらかな食感が特徴的なアボカド。
カットしてサラダに入れたり、滑らかにしてスムージーやアイスにするなど、いろいろな使い方ができる果物です。

良質な脂質を多く含むことから、「森のバター」という呼び名以外に「食べる美容液」と呼ばれることもあるのだとか!

そんなアボカドの脂質は、100g中に17.5g含まれています。
これは、生の果物の中では断トツの多さで、次に多いココナッツミルク(16.0g)、その次のドリアン(3.3g)と比較しても歴然。

その脂質には、動物性食品に多い飽和脂肪酸ではなく、植物性食品に多い不飽和脂肪酸の割合が高くなっています。
アボカドは、コレステロール値を下げたり、動脈硬化や血栓を防いでくれるオレイン酸やリノール酸といった不飽和脂肪が多いため、脂質たっぷりでも健康には役立つのです。

そのほかの栄養素は?

アボカドは「食べる美容液」という魅力的な呼び名もありますが、この理由は脂質以外にも多くの栄養素が豊富に含まれていることに由来します。

アボカド100gに多く含まれる主な栄養素を見てみると……

・たんぱく質  ☆2.1g (ドリアン2.3g、アテモヤ1.8g)
・食物繊維    5.6g (かりん8.9g、ゆずの皮6.9g)
・カリウム   ★590mg (ドリアン510mg、バナナ360mg)
・マグネシウム ☆34mg (ドラゴンフルーツ41mg、キワノ34mg、バナナ32mg)
・銅      ☆0.24mg (アセロラ0.31mg、ドリアン0.19mg)
・ビタミンE    3.3mg (ゆずの皮5.2mg、すだちの皮3.4mg)
・ビタミンB2  ★0.20mg (ドリアン0.20mg、アテモヤ0.12mg)
・ビタミンB6  ☆0.29mg (バナナ0.38mg、アテモヤ0.28mg)
・ナイアシン  ☆1.8mg (パッションフルーツの果汁1.8mg、ドリアン1.4mg)
・パントテン酸 ★1.55mg (ゆずの皮0.89mg、パッションフルーツの果汁0.63mg)
・ビオチン   ☆5.3μg (ドリアン5.9μg、ゆずの皮3.6μg)

※ 栄養素の直後の数値がアボカドの含有量、その前の星印はほかの生の果物と比較した場合の順位を表します(黒:1位、白:2位、なし:3位を)。また、括弧内は比較目安として近い数値の果物を掲載しています。

たんぱく質は健康的な皮膚・髪・爪・筋肉などの材料になり、ビタミンB2からビオチンはいずれも代謝に関わるビタミンでダイエットや美容を気にする人は積極的に摂り入れるべき栄養素となっていますよ。
含有量の一覧にはドリアンもいくつか含まれていますが、アボカドには及ばず。これらの栄養素が効率よく一種類で摂れる果物はアボカドだけ、ということがいえます。

アボカドが果物に分類される理由

さて、栄養価が非常に高いことがわかったアボカドですが、甘味がないのにどうして果物に分類されるのでしょうか?
その理由は、実がなる状態で決まるからです。

野菜との大きな違いは、草になるか樹になるかということ。それと収穫は1年で終わるのか、2年以上できるのかということなどで区別されます。(農林水産省の場合)
そのことから、アボカドは樹になって2年以上収穫できるため、果物として扱われるのです。

アボカドを賢く取り入れてみよう!

アボカドは脂質が多い分、100gで176kcalもあるため果物としては高カロリー。ですが、同じ重量のドライフルーツやジャムよりも低カロリーになっているんですよ。

甘味がない分、それだけで間食に向くわけではないのでスイーツ代わりに……というわけにはいきませんが、甘いものが苦手な人や栄養不足が気になる人は、料理に摂り入れてみましょう!
野菜のように扱うことができるので、ソテー、グラタン、ディップソースなどにすれば、手軽に栄養補給に役立ちますよ。


ぜひ、普段の健康維持やダイエットに、栄養抜群のアボカドを役立ててみてくださいね!



★この記事を書いたのは・・・

管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり
小学生女児のママ。食べること・料理をすること・喋ることが好き。講師、食材記事の執筆・監修、食育サイトの栄養相談や献立作成などで活躍中。個人で食育イベントの実施や、YouTubeで食育チャンネルを運営しています。

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