減塩には「塩水」が役立つんです!漬物などのしょっぱすぎる食品の塩気を調整する方法とは?

2024/08/14
  • 管理栄養士&食生活アドバイザー。5歳娘のママ。食と栄養に関する記事執筆、栄養相談をメインに活動中。 もっと見る>>

こんにちは。仕事で栄養指導にも関わっている、サンキュ!STYLEライターのゆかりです。

漬物、塩蔵品など、食べたいけれど塩気が強すぎて塩分のとりすぎが心配……
そんなときでも、うま味をキープしつつ塩気を上手に減らす方法があるんです!

この記事では、管理栄養士である筆者が、健康維持&ダイエットに役立つ「塩水」を使った減塩方法についてご紹介します。
「塩水」を使うと余計にしょっぱくなりそう、とイメージがあるかもしれませんが、その原理についても触れているので参考にしてみてくださいね!

漬物にはどれくらいの塩分が含まれているの?

ごはんのお供として重宝する漬物。大きく分けると、短時間でつくれる浅漬けと、保存期間が長めな一般的な漬物に分けられます。

浅漬けであれば2%、一般的な漬物であれば3%ほどの塩分でつくられていることが多いといわれています。(※)
これは、小鉢50gあたりにそれぞれ1g、2gの塩分を含んでいることに。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日の摂取目安量が成人男性で7.5g未満、女性で6.5g未満となっています。そのため、一般的な漬物であっても、50g食べただけで1/3近い塩分をとってしまうこともあるのです。

普段から塩分のとりすぎに気を付けて薄味を心がけている人にとっては、市販の漬物はしょっぱく感じられるのではないでしょうか?

※……皮がむかれた食材が使われていると、皮付きのものよりも食塩量多めの傾向(4~7%)。また、漬物の種類によっては、10%以上になるものも存在するのでご注意ください。

「塩水」を使った減塩方法とは?

この塩分は、もともと保存性を高める目的で多く使われています。
そのため、短期間で消費できるのであれば、手づくりで塩分を減らしてつくることで減塩することが可能。

それができない場合、水に浸して塩気を抜く方法があります。ただし、そうするとうま味も一緒に抜けやすくなってしまったり、表面が水っぽい仕上がりになって味を損なってしまうことも……。

そこで、「塩水」を利用した塩抜き方法がおすすめ!
水ではなく「塩水」を使うことで、食品のおいしさを残しつつ塩気を減らすことができるのです。

方法は、1~1.5%の濃度に調整した塩水に浸すだけ。漬物であれば15分くらいでOKです。
これは、200㏄の水に対して食塩2~3gを溶かすことでつくれます。小さじがあれば、その1/3が食塩2g、1/2が食塩3gに相当しますよ。

濃度の低い塩水に浸けることで、食品と塩水の水分量を一定にしようとする作用がはたらき、食品内外の適度な塩気は残しながら、多すぎる塩気を上手に抜いて減らすことができるのです。

この方法は、おせちなどで使われる塩漬けのかずのこの塩抜きでも知られています。呼び塩や迎え塩、と呼ばれていて、漬物だけでなく塩鮭などの塩分調整にも役立てることも◎

塩鮭などの場合は、4~5時間ほど長めに塩水に浸けるようにしてみてくださいね。

おいしく減塩に役立ててみて!

和食は健康によいと世界からも注目を浴びていますが、どうしてもしょうゆや味噌などの塩分を多く含む調味料が多用されているので、塩分摂取の面からは気を付けたいところ。

調味料の使用量を抑えたり、減塩商品に変えるのも有効ですが、ご紹介したような「塩水」を利用した減塩方法も取り入れてみると、より毎日の塩分摂取を減らしやすくなるのではないでしょうか。

塩気が減って物足りない場合は、レモンやゆずなどの柑橘類の果汁をたらしたり、ごま油などの香りを加えてみると満足感を得やすくなります。減塩するなら、ぜひおいしさも保ちつつ取り組んでみてくださいね!

参考サイト



★この記事を書いたのは・・・管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり

小学生女児のママ。食べること・料理をすること・喋ることが好き。講師、食材記事の執筆・監修、食育サイトの栄養相談や献立作成などで活躍中。個人で食育イベントの実施や、YouTubeチャンネルを運営しています。

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