必見!きっとあなたも「おから」好きになる!子供&男性も喜ぶ洋風アレンジレシピ
こんにちは。
管理栄養士&食アドのゆかりです。
料理を作ることはもちろん好きですが、それ以上に食べることが大好き!
今回は、自身が講師を務める料理教室や、ご自宅に伺って調理する出張料理サービスでも、人気を博した1品をご紹介します。
そもそも、おからって何?
みなさんは、普段からおからを食べているでしょうか?
おからは、生の状態ではフワフワとした見た目をしていますが、味噌や醤油の原料となる、大豆の一部なのです。
大豆を絞った時に、液体と固体に分けることができるのですが、
それぞれ次のような名前で呼ばれ、利用方法に違いがあります。
● 液体 ➡ 豆乳、大豆油
● 個体 ➡ 大豆かす(脱脂大豆)、おから
豆乳は、にがりなどを使って固めることで豆腐が作られます。
大豆かすは、脱脂大豆として味噌や醤油などの加工品に使われることがあり、おからは、単体で販売されていることが多いのです。
おからに馴染みのない人にとっては、
「そもそもどこに売っているの?」と聞かれたことがあるのですが、冷蔵コーナーの豆腐売り場内や、乾燥パウダータイプは、切干大根や乾燥ひじきが売られている乾物コーナーに置かれていることが多いようです。
あんな見た目をしていますが、たんぱく質はもちろん、身体の調子を整えてくれる各種ビタミンやミネラルも豊富に含まれているのです。
特に注目すべきは、食物繊維が多い食材であるということ!
これだけ栄養価があるというのに、江戸時代では豆腐を作る時の
“残りかす”としてしか認識されておらず、豆腐屋さんが無料で配ったり、捨てられていたというのです。
現在は、栄養価が評価され、食品に加工されたり、家畜の飼料として利用されるようになりました。
(それでも、生タイプは安価ですし、まだ大半が捨てられているそう…)
水分を多く含むために日持ちが悪いため、おからそのまま(生)ではなく、乾燥させて保存性を高めたパウダータイプに加工されたものも多く見かけるようになってきましたね。
おからにはどんな栄養があるの?
日本食品標準成分表2015年版(七訂)によるおからの栄養成分は、以下の通りです。
おから(生)100gあたり
・ エネルギー:111kcal
・ 炭水化物:13.8g(うち、糖質:2.3g)
・ たんぱく質:6.1g
・ 脂質:3.6g
・ ビタミンB1:0.11mg
・ ビタミンE:0.4g
・ カリウム:350mg
・ カルシウム:81mg
・ マグネシウム:40mg
・ 鉄:1.3mg
・ マンガン:0.4mg
・ 食物繊維:11.5g
(うち、水溶性食物繊維:0.4g/不溶性食物繊維11.1g)
※ ビタミン、ミネラルについては、比較的多めに含まれているものと、不足しやすい栄養素についてのみ、見やすいように抜粋して記載しています。
炭水化物(糖質)をエネルギーに変えるのに必要な【 ビタミンB1 】は、おから100gで1日に必要な量の10%を摂ることができます。
また、骨や歯の成分であり、細胞の合成やエネルギーの代謝に必要な【 マグネシウム 】、血液中のヘモグロビンの成分として、全身の細胞に酸素を運ぶのに不可欠な【 鉄 】も、同様に、1日の必要量の10%以上含まれています。
その他、あまり知られていませんが、
骨や皮膚を作るのに役立ち、血糖値をコントロールするインスリン(ホルモン)を合成したり、活性酸素による身体のサビを防ぐ抗酸化作用、生殖機能の正常化にも欠かせない【 マンガン 】は、20%近く満たすことができます。
食物繊維は、圧倒的に【 不溶性食物繊維 】が多く、便の量や回数が少ないという人にとって、かさを増やして便意を促進し、体内の有害物質を吸着して排出するデトックス作用が期待できます。
100g食べただけで、1日分の食物繊維の摂取目標量をクリアすることができてしまいます。
(カチコチ便で排泄時に苦労する人は、水溶性食物繊維を多めにするのがお薦め!)
これだけメリットの多い栄養が含まれているというのに、捨てられていたというのは非常にもったいないことだと思いませんか?
おからの美味しい食べ方を知ろう!
そんなおからですが、不溶性食物繊維が多いことが裏目に出て、
ボソボソとした食感や、大豆くさい風味がする、
ということから、おからが苦手な人もいらっしゃいますよね。
ダイエットや美容に良い、との口コミで、一時はスーパーマーケットなどで品薄になるほど人気を博したパウダータイプですが、こちらも粉っぽさが不評で、長続きしなった人も多かったのではないでしょうか?
おからがメイン食材となる「卯の花炒り(=おからの炒り煮)」ですと、おからの特徴が前面に出ていて食べにくく、逆に、おから以外の食材がメインとなる「おからドーナッツ」や「おからハンバーグ」などは、あまり気にならず、食べやすいという声もあるようです。
(あくまで、一般的な評判です。。。)
ですが、そんな「卯の花炒り」も、ある工夫をすることで、おかわりが続出するような1品に変化させることができるのです!!
それが、名付けて『カレー風味のしっとりおから炒り煮』。
レシピは次の通りです⇩
<2人分目安>
★ おから…乾燥タイプ:10g/生タイプ:50g
★ だし汁…40ml~(仕上がりに応じて調整)
★ 油…大さじ1くらい
★ すりおろししょうが…小さじ1/2くらい
★ 長ねぎ、玉ねぎなど…適量(20gくらいあればOK)
★ きのこ(お好きな種類)…1/4パックより少なめで十分
★ スイートコーン(缶、パック、冷凍品など)…50gくらいたっぷりと
★ カレー粉…小さじ1~(お好みで辛さや風味を調整)
★ 塩こしょう、ハーブソルトなど…適量
① フライパンや鍋に油を熱し、すりおろししょうが・みじん切り長ねぎなど&きのこを加えて、しんなりするまで弱~中火で炒める。
(生タイプのおから使用時は、おからだけを乾煎りしてサラサラになるまで水分を飛ばしておく)
② おからを加え、全体がしっとりと湿るまで、だし汁を注ぎ入れる。
③ 焦がさないように底をはがすように混ぜながら、煮汁が見えなくなるほど少なくなってきたら、汁ごとスイートコーン・カレー粉を加え、火を止めて、塩こしょうなどで味を調える。
調理のポイントは?
『カレー風味のしっとりおから炒り煮』、美味しくなる理由は次の通り⇩
◆ 生おからは、あらかじめ水分を飛ばすことで、臭みが抜けやすくなり、味染みが良くなります。
◆ ねぎ類をじっくりと加熱したり、スイートコーンを汁ごと加えることで、砂糖不使用でも甘味を引き立たせ、旨味を楽しめるおから料理に仕上がります。
(一般的な卯の花炒りには、砂糖やみりんが結構使われているので、カロリーも控えめに!)
◆ だし汁は和風の素材が使われていたとしても、カレー粉によって洋風感は強くなり、それでいて、ごはんにも合うような味に仕上がるのです。
カレー好きなお子さんや男性であれば、喜ぶこと間違いなしです!!
もう、「ボソボソして美味しくない」「地味な料理」だなんて言われないはず。
さらに、食べ応えを増やしたい、1品でも満足する料理にしたい、という人は、油揚げも刻んで加えると、噛み応えが増して、調味料を吸い込むことで味付けも強く感じられますよ。
ぜひ、おからの良さを見直すためにも、試してみてくださいね。
◎ この記事を書いたのは・・・管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり
4歳女の子のママ。
保育園調理、セミナー講師、出張料理、料理教室、食育サイトの記事執筆などで活躍中。
食べること、作ることが好きなワーカーホリックです。