植物油の品揃え

油は減らすよりも種類を変えるべき!油を積極的に使っている管理栄養士おすすめの選び方とは?

2021/11/13
  • 管理栄養士&食生活アドバイザー。5歳娘のママ。食と栄養に関する記事執筆、栄養相談をメインに活動中。 もっと見る>>

こんにちは。調理には油を積極的に使っている、サンキュ!Styleライターのゆかりです。

油というと、カロリーが高くて敬遠している人もいるのでは?
そんな油にも、細胞膜やホルモンを作る材料になったり、油に溶けやすいビタミンの吸収を高めたり、便通の改善に役立つなど、いくつもの作用を持っています。

この記事では、管理栄養士である筆者が、油の種類と特徴、おすすめの使い方をご紹介します。

油の種類による成分の違い

油は、大きく分けると常温で固まる飽和脂肪酸と、液体のままの不飽和脂肪酸に分けられます。前者は、ほとんどが動物由来で、後者は魚類や植物由来となっています。

家庭用で使われる飽和脂肪酸には、バター、ラードなどが有名。不飽和脂肪酸には、ごま油、菜種油(キャノーラ油含む)、オリーブ油、大豆油、コーン油などが多く使われています。どの油も、適量の範囲であれば肥満に繋がったり、動脈硬化を引き起こす心配はないのですが、摂り方が偏ってしまうと悪影響が出てくることに…


これらの中で特に気を付けたいのが、「飽和脂肪酸」の摂り過ぎです。飽和脂肪酸は、体の中でLDLコレステロールという動脈硬化の一因となる成分を増やしてしまいます。調理用の油に限らず、脂身の多い肉類にも飽和脂肪酸が豊富なので、こってりとした洋食が好きな人は要注意!

その次に気を付けたいことは、不飽和脂肪酸の中でも割合が高くなりがちな「リノール酸」の摂り過ぎです。リノール酸は家庭用の調理用油に限らず加工食品にも多く含まれ、多く摂ることで他の有益な作用を弱めてしまうといわれています。

賢い油の摂り入れ方とは?

一方で増やしたいのが、魚類に多く含まれる「DHA」や「EPA」、アマニ油やエゴマ油に多く含まれる「α-(アルファ)リノレン酸」。
これらには、動脈硬化を防いだり、アレルギーの改善や脳の働きに役立つことが期待できます。

では、日常生活ではどうすればよいのかというと、【調理用の植物油をオリーブ油へ変える】のがおすすめ!
オリーブ油にはリノール酸が少なく、動脈硬化の原因となるLDLコレステロールを減らしてくれるオレイン酸を豊富に含みます。オリーブ油以外には、次いでオレイン酸を多く含む菜種油や「ハイオレイック(高オレインという意味)」と表記されている植物油を使用するのも効果的。
また、サラダのドレッシングなどの加熱しないで使う油(※)には、アマニ油やエゴマ油を使うことも◎。これらにもリノール酸が少ないことはもちろん、積極的に摂っていきたいα-リノレン酸が多く含まれているのです!

他にも、加工食品(調理済み食品、ファスト―フード、菓子など)の原材料に「植物油脂」と表記されていれば、リノール酸を含む可能性が高いといわれているため、そういったものを選ぶ回数を減らすのもいいですね。

※…α-リノレン酸は加熱すると酸化されて性質が変わるため、非加熱での使用が前提です。特殊な加工によって加熱OKのものも、商品によってはあります。

保存方法やサイズ選びも重要!

<まとめ>
・脂身の多い肉類や加工食品の摂り過ぎを避ける
・オレイン酸を多く含むオリーブ油や菜種油、ハイオレイック表記のある油に置き換える
・アマニ油やエゴマ油を利用して、α-リノレン酸を多く摂る

このように普段の油の摂り方を見直すことで、同じ油であっても体への影響が大きく変わります。

また、油自体にビタミンEやポリフェノールを含むなど、酸化しにくい種類もありますが、基本的には光・熱・酸素に触れるほど酸化しやすく変質してしまいます。開封後の油は確実に蓋を閉め、暗くて熱のこもらない所へ保存しましょう。その場合でも酸化を100%防ぐことは難しいので、1~2カ月以内に使い切れるサイズを購入するのが賢明です。(アマニ油やエゴマ油に限っては冷蔵保存がベストですが、二重構造の特殊な容器入りのものなどは常温でも◎)


健康維持には欠かせない役割を持つ油、ぜひ、生活の中に上手に取り入れてくださいね!



★この記事を書いたのは・・・

管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり
年長の女の子のママ。食材記事の監修、食育サイトの栄養相談や献立作成などで活躍中。個人では食育イベントの実施や、地元のケーブルテレビの食育番組に出演しています。
食べること、料理すること、喋ることが好きです。

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