梅雨に気になる【カビ問題】!食べてもいいカビ、ダメなカビの見分け方

2020/06/26
  • 管理栄養士&食生活アドバイザー。5歳娘のママ。食と栄養に関する記事執筆、栄養相談をメインに活動中。 もっと見る>>

こんにちは。
管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかりです。

気温が高く、ジメジメしてくる時期、気になるのは【カビ】!
浴室に限らず、部屋の壁やクローゼットの衣類も、換気が悪いとカビで汚れてしまうことがあり、食品に至っては廃棄せざるをえなくなってしまう、厄介なやつら。

ちょっと保存状態が悪いと、いつの間にかフワフワと生えていたり、色とりどりに変わっていたり・・・
ついこの間も、値の張ったチーズをダメにしてしまって後悔している筆者です。


この記事では、誰もが気になったことのある、
「カビを食べるとどうなるの?」
「食べても大丈夫なもカビもあるの?」
という疑問について紹介します。

カビは内臓にダメージを与える?

糸状の体を持つ菌のことを指したり、フワフワと集団で密集している様子をカビと呼ぶこともあります。

酵母とキノコも、実は同じ仲間で、「菌類」と呼ばれています。

酵母が密集している様子や、きのこの一部分もカビが生えたのと同じように見えるのだとか。

種類は山ほどあって、食品などの劣化や腐敗を引き起こし、悪臭を引き起こすものだけでなく、発酵に役立っているものも。
中には、毒素を作り出して食中毒の原因となったり、体に悪影響を及ぼす種類も含まれています。

特に危険とされるのが、「マイコトキシン」という毒性を生み出す種類。
大きく分けると、嘔吐・下痢・腹痛といった食中毒のような症状を引き起こすものと、発がん性物質となって肝炎を起こすものがあります。


カビは、空気や水を介して、食品に付着します。
免疫機能が正常であれば、通常の食品と同じく、胃液などにさらされて、カビは消化されるといわれています。
ところが、カビそのものに毒性がない場合であっても、食品が劣化したり腐敗していた結果、カビが発生したと考えられるため、その場合は、やはり食中毒のような症状を引き起こしかねません。
(カビ以外にも、細菌やウィルスによっても食中毒は起こりますが)

どれくらい食べたら危ないの?

カビは、目に見えている糸状のフワフワした部分を頭の部分とした場合、目に見えない食品内部に根を張り巡らせて生きています。

よく、「カビが生えたら〇cm切り落とせば大丈夫!」というような話を耳にしますが、基本的には、食品全体がカビに侵されている可能性があるため、食べるのは危険が伴います。

そうは言っても、誤って「一口食べてしまった!」

という経験も、身の回りであるのでは?
少量であれば、強力な胃酸の影響を受けて死滅すると言われているので、安心してくださいね。

問題となるのは、どんな食品や成分にもいえることですが、長期的に大量に食べ続けた場合!!
肝炎を起こすだけでなく、腎障害や消化器系障害が起こる可能性も・・・

ですので、たまたま一口食べたからと言って、「すぐに病気になる?」なんて心配は無用です。
(それでも、その時の体調や体質によっても影響が異なりますので、誤食には注意!)

どのカビなら食べても大丈夫?

さて、いくらかカビが安心な存在に思えてきたのではないでしょうか?

食べられるカビで思いつきやすいのは、白カビや青カビで発酵させたナチュラルチーズ。
毒素のない安全な種類のカビをチーズ作りの際に植え付け、カビの力を借りて風味豊かに作り出されるものです。
そういったチーズに限っては、内部に有害なカビや細菌などは発生しにくいとされていて、周りを除いたら食べられるとされています。
(そうはいっても、明らかに状態や味がおかしい場合は、やめておきましょうね。。)


その他、カビの仲間には、酵母やキノコも含まれます。

パン作りに使用される酵母は、イースト菌とも呼ばれます。
酵母そのものは、淡水・海水・空気中など、自然界のあらゆる場所に存在していて、そういったものを利用して発酵させた天然酵母のパンなどがありますね。

他にも、ワイン、日本酒、ビール、焼酎、醤油、味噌・・・こういった食品も全て、酵母のおかげで作られています。
(麹も使う食品では、コウジカビを利用しています!)


キノコも、私たちが口にする部分しかイメージがないかと思いますが、それは大きく育った一部。本来の姿は、カビのような姿をしているのです。


というわけで、私たちは知らず知らずにカビ(の仲間)を日常的に食べていたわけ。
【カビ=全て悪】、ではないのですよ。

まさか、酵母やきのこをカビ(というか菌)と思って意識しながら食べている人は少ないと思いますが、正しい知識を持っていれば、カビも怖くないということ!

正しい知識で安全に食べよう!

とはいえ、賞味期限や消費期限内で、正しい保存方法を取っている限り、カビが食品に見られることはありません。
(見えないだけで存在している可能性は十分にあります。)

賞味期限を過ぎていたり、暑くてジメジメする季節に常温に置いておくと、食品としては明らかにおかしい状態で、カビが生えて目に見えるようになってきます。
そのような場合は、当然ですが食べるのを避けてくださいね!


4つの条件(酸素、温度、水分、栄養分)が揃うと、カビは発育しやすくなります。逆に、どれか1つだけでも徹底的にクリアできれば、カビを防げるということです。

◆酸素:カビは呼吸のために酸素が必要。
◆温度:5~45℃で発育可能、最適温度は20~30℃。
◆水分(湿度):一般には食品の水分量が高いほど発育良好。湿度80%以上で発育良好。
◆栄養分:蛋白質の多い肉や卵に繁殖するが、炭水化物や糖を含んだ穀類、豆類、いも類をより好む傾向。
<※ 大阪健康安全基盤研究所のWebサイトより>

少しでも食品へのカビの繁殖を防ぐためには、以下の項目を意識してみてくださいね!
● 冷蔵庫の清潔を維持して保存する(ex.残渣を取り除いて、アルコール拭き)
● 室内の湿度を40%以下に保つ(ex.晴れた日は窓を開けて換気)
● 食品を買う前にカビの有無をチェックする(ex.なるべく鮮度の良いものを選択)
● カビに成長する時間を与えないよう、食品は少しずつ買って早く消費する
● 食品をラップで包んだり、密封袋や密閉容器に入れる
● 残り物は3日以内を目安に食べ切る

特に、【早く消費する】というのが重要かと思います。
(筆者がカビを生えさせてしまったチーズの原因でもあります・・・)

どうしても、消費しきれない場合、食品の風味や食感などが変化する可能性はありますが、冷凍保存に切り替えるという手もあります。

カビが生えて廃棄してしまうことにならないよう、参考にしてみてくださいね!

計算中