【野菜漢字クイズ13】「南京豆」と書くのは、どんな野菜?収穫時期によって食べ方が変わるあの食べ物

2021/09/09
  • 管理栄養士&食生活アドバイザー。5歳娘のママ。食と栄養に関する記事執筆、栄養相談をメインに活動中。 もっと見る>>

こんにちは。
管理栄養士&食生活アドバイザーで、サンキュ!STYLEライターゆかりです。

漢字検定準1級という資格と食の知識を生かして、みなさんに漢字から読み解く野菜の豆知識を紹介します!

さて、「南京豆」と書く野菜とは一体、何でしょう?

ヒント1:「カリカリ」と「ホクホク」食感でおつまみに最適

日本居酒屋ドリンクメニュー
kazuma seki/gettyimages

「南京豆」は、なんきんまめという読み方をするマメ科の植物です。江戸時代頃に中国を経由して日本へ伝わったことで、それを意味する「南京」が付けられ、昔は一般的な呼び名として使われていました。現在では、古い呼び方になっていますが、薄皮の付いた状態のものを「南京豆」と呼ぶことがあるのだとか。

そんな「南京豆」は、炒って食べられることが多く、その場合はカリカリっとした食感が楽しめます。味を付けなくてもほんのりと甘味が感じられますが、おつまみ用に塩やバターで味付けされたものをよく見かけることができます。

また、炒る以外にも、塩ゆでにして食べることもでき、その場合はホクホクとしたやわらかい食感に変わります。炒ったものよりも水分量が多いので、あっさりとした食べ応えが魅力です。

どちらにも、ナイアシンというアルコールの分解を助けてくれる栄養素が含まれているので、お酒のおつまみに最適ですよ◎

ヒント2:野菜とナッツの性質がある

えんどう豆や大豆などは、未熟の状態で収穫して食べるものと完熟してから食べるものが両方存在します。その場合、食品栄養成分表上の分類としては未熟なものを【野菜類】、完熟したものを【豆類】に分類しています。具体的には、さやえんどう・スナップエンドウ・枝豆は【野菜類】、えんどう豆・大豆は【豆類】となります。

一般的に、野菜類に分類されるものには水分が多く、豆類に分類されるものには乾燥して長期保存ができ、タンパク質の割合が高くなっています。


一方、「南京豆」の場合は、未熟なものは【野菜類】、完熟したものは【種実類】に分類。マメ科の植物なので、完熟すれば豆であるはずなのですが、完熟すると脂質の割合が高くなることから、アーモンドやくるみなどのナッツと同じ【種実類】となっています。

ヒント3:サヤは土の中にできる

「南京豆」の一番大きな特徴としては、マメ科の植物特有のサヤが、地上ではなく地下にできること。枝豆(大豆)などは、花が咲いたら同じ部分に後からサヤができ、中の豆が膨らんで大きくなります。それに対し、「南京豆」の場合は、花が咲くと地面に向かってつる(子房柄/しぼうへい)が伸びていき、土の中に潜り込んでサヤができ豆が膨らむのです。

「南京豆」の一般的な呼び方は、このような豆の付き方に由来しています。


さて、「南京豆」と書くのは、どんな野菜(ナッツ)でしょうか?




……正解は、
「落花生(らっかせい)」でした!

らっかせいを漢字で書くと、まさに、花が落ちた後に生えてくることを表しています。また、英語では「ピーナッツ」と呼ばれますが、畑にできるナッツのようなもの、ということで本来のナッツ(木の実)ではありません。

写真のように、はっきりと網目模様が浮き出すくらいになると、完熟の【種実類】に。網目がぼんやりとしていて、膨らみきっていない頃に収穫したものは、未熟で【野菜類】となり、ゆで落花生として食べられています。食べ方は品種によって異なります。

畑で2週間ほど乾燥させて炒って食べる品種
・千葉半立(ちばはんだち)
・中手豊(なかてゆたか)
・Qナッツ(キューナッツ)

早めに収穫され生落花生のまま茹でて食べる品種
・郷の香(さとのか)
・おおまさり

採りたての茹で落花生は、国内生産の約8割を占める千葉県ではとても馴染みのある食べ方。旬の時期である秋にしか楽しめないとされているので、生落花生をみかけたらぜひ一度は試してみてくださいね!

カリカリとした香ばしい落花生とは違い、どこか豆を思わせるほっこりとした風味と、しっとりとした食感に、落花生の持つ甘味やうま味が堪能できますよ。



★この記事を書いたのは・・・

管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり
年長の女の子のママ。食材記事の監修、食育サイトの栄養相談や献立作成などで活躍中。個人で食育イベントの実施や、地元のケーブルテレビの食育番組に出演しています。
食べること、料理すること、喋ることが好きです。

計算中

関連するキーワード