【野菜漢字クイズ9】「甘藍」と書くのは、どんな野菜?

2021/03/17
  • 管理栄養士&食生活アドバイザー。5歳娘のママ。食と栄養に関する記事執筆、栄養相談をメインに活動中。 もっと見る>>

こんにちは。
管理栄養士&食生活アドバイザーで、サンキュ!STYLEライターゆかりです。

漢字検定準1級という資格と食の知識を生かして、みなさんに漢字から読み解く野菜の豆知識を紹介します!

さて、「甘藍」と書く野菜とは一体、何でしょう?

ヒント1:1年に何度も旬がある

一般的に、野菜の旬と言えば、1回か2回ということが多いもの。

「甘藍(カンラン)」には、大きく分けると春採れ/夏秋採れ/冬採れの3種類、地域によっては通年収穫ができるというところも!

生産量の多い地域は、群馬県・愛知県・千葉県・茨城県・神奈川県。
この中では、愛知=冬、千葉・茨城・神奈川=春、群馬県=夏に多く収穫されています。

季節ごとに旬を迎える地域が変わり、日本各地の産地がリレー形式で出荷しているので、1年中スーパーなどで目にすることができるのです。
今や、コンビニやドラッグストアに並べられていることも!

ヒント2:野菜の国内生産No.1

「甘藍(カンラン)」が日本へ伝わったのは、江戸時代頃と言われていて、当時は観賞用として親しまれ、改良品種されたハボタンが今でも栽培されています。
当時の書物には、「紅夷菘(オランダナ)」と記されていました。

品種によって、葉が巻いたり開いたりするのですが、巻いた品種が伝来したのは明治頃。
外国人向けに横浜を中心に栽培されていましたが、寒さにも強いということで、北海道で本格的に栽培されるように。

その後、日本各地で栽培されるようになり、昭和20年までは「甘藍」や「玉菜(たまな)」の呼び名が一般的に使われていたのだとか。


洋食文化が普及するにつれて消費量が増えていき、現在では、国内での野菜の作付け面積・収穫量・出荷量ともにトップとなっています!
(次点は、大根)

ヒント3:冬と春では別物

収穫時期によって、「甘藍」の形・食感・甘味には大きな違いがあります。
春: ボール型/ふんわりやわらか/生でも甘い
冬: 扁平型/ぎっしりかため/加熱すると甘い
夏秋: (春・夏の中間)

また、色も春と冬では明確な違いがあります。
春: 外→緑色、内→薄黄緑色
冬: 外→薄黄緑色、内→白色

春採れはサラダや漬物、ピクルスなどに、冬採れは煮込みや炒め物などにするのがおすすめですよ。


さて、「甘藍」とは何の野菜のことでしょうか?
正解は・・・





「キャベツ」でした!!

写真左側:冬キャベツ、右側:春キャベツとなっています。


キャベツには、
●抗潰瘍性のあるビタミンU(キャベジンとして胃薬にも使われていますね)
●骨を丈夫にするカルシウム・ビタミンK
●抗ストレス、抗酸化作用のあるビタミンC
などの栄養素が主に含まれています。


外側の葉やかための冬キャベツであっても、繊維に対して直角に細く切り、塩を少し振ってしんなりしてから水気を絞れば、生食でも食べやすさUP!
かさが減って沢山食べられる上に、食前に食べることで、食べ過ぎや血糖値の急上昇を抑えられる効果も◎

芯の部分もかたくて捨てることが多いかもしれませんが、食物繊維が詰まっていて、葉よりも甘みが強く、栄養価も高いので、薄く切ってサッと加熱して食べるのがおすすめ!
(長時間加熱は臭みが出る可能性があるので注意)


失敗しない選び方も参考に、賢くキャベツを食卓に取り入れてみてくださいね。



★この記事を書いたのは・・・

管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり
5歳女の子のママ。食材記事の監修、食育サイトの栄養相談などで活躍中。
食べること、料理することが好きなワーカーホリックです。

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