【野菜漢字クイズ11】「豌豆」と書くのは、どんな野菜?
こんにちは。
管理栄養士&食生活アドバイザーで、サンキュ!STYLEライターゆかりです。
旬の野菜が店頭に並ぶと、今季もおいしく食べようとワクワクしてしまいます。
漢字検定準1級という資格と食の知識を生かして、みなさんに漢字から読み解く野菜の豆知識を紹介します!
さて、「豌豆」と書く野菜とは一体、何でしょう?
ヒント1:豆の仲間
「豌豆」は、漢字の通り、マメ科の植物。
地中海や中東地域が原産とされ、現ウズベキスタン東部のフェルガナという都市の中国名「大宛国」から伝わったことが、「宛の豆」=「豌豆」と漢字の由来になっているのだとか。
マメ科の植物には、5枚の花びらが対称になった蝶を思わせるような可憐な花が咲きます。(写真は、カラスノエンドウ)
花の後にはさやができ、その中にいくつも豆が実り、枝豆や大豆のようにその中の豆を食べるのが一般的です。
「豌豆」は白や赤紫色の花を咲かせることが多く、「豌豆の花」や「豌豆花」は春の季語として親しまれています。
ヒント2:食べ頃によって呼び名が異なる
元は雑草だった「豌豆」の原種を改良し、実を食用にしていったと考えられています。
平安時代にはすでに日本へ伝わっていて、当時の辞書には「のらまめ」という名で記載されていたのだとか。
また、同じ原産地のマメ科植物には、そら豆・レンズ豆・ひよこ豆などがありますが、これらは全て豆を成熟させてから取り出し、豆を食用にします。
それに対し、「豌豆」は、さやの硬さや品種によって食べ方がいくつもあるのが特徴です。
基本的に、
● さやが硬い品種・・・
完熟した豆を収穫して乾燥させ、必要な時に水に戻して調理。
緑色は、煮豆・甘納豆・うぐいす餡・フライビーンズに、赤色は、豆大福やみつ豆などの和菓子を中心に使われることが多い。
● さやが軟らかい品種・・・
完熟直前の豆だけをそのままの状態で調理したり、豆が膨らむ前にさやごとや、完熟前の豆とさやを丸ごと食べる。
前者はにタンパク質/鉄分が多く、日本食品標準成分表では【豆類】、後者は【野菜類】と扱われ、β-カロテン/ビタミンK/ビタミンB6/ビタミンC/葉酸が多く含まれています。
ヒント3:新たなたんぱく源としても注目されている
美容や体作りを意識している人の中には、プロテインのサプリメントや食品を利用することもあるのでは?
大きく分けると、牛乳由来の動物性タンパク質と、大豆由来の植物性タンパク質がプロテイン素材としてよく使われているのですが、近年はヴィーガン志向の増加に伴って、植物性タンパク質に注目が集まっています。
以前は大豆を原材料にすることが多かったのですが、近年では
■ 栽培に使用する水が少なくて済むこと(大豆の1/40というデータも)
■ 食物アレルギーの心配が少ないこと
などの理由から、「豌豆」の利用が増えているとか。
さて、そんな「豌豆」と書く野菜とは何でしょうか?
正解は・・・
「えんどう」でした!
写真に写っているのは、さやと豆ごと食べられるスナップえんどうです。
えんどうは、春~初夏にかけて多く出回るようになり、グリンピース・さやえんどう(絹さや)などとしても食べられていますね。
国内で見かけるのは緑色のイメージですが、世界では紫色のさやや、中も外も白いえんどうも!
そして、白いえんどうから抽出されるタンパク質は、プロテイン素材としてだけでなく、ビール風味のアルコール飲料(第3のビール)や、大豆や小麦を使わない醤油の原材料としても使用されるなど、新しい食品へもどんどん活用されているのです。
完熟前のえんどうの実は、グリンピースとして冷凍食品や缶詰でも流通していますが、旬の時期の新鮮なグリンピースは香りや甘さが格別!
ぜひ、豆だけ、さやだけ、豆もさやも丸ごとと、いろいろなえんどうを楽しんでくださいね。
★この記事を書いたのは・・・
管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり
5歳女の子のママ。食材記事の監修、食育サイトの栄養相談などで活躍中。
食べること、料理することが好きなワーカーホリックです。