梅干し作り 赤紫蘇漬け編
こんにちは。サンキュ!STYLEライター オウチゴハン研究家の服部みどりです。
ご訪問いただきありがとうございます。
これまで梅干し作りの「追熟編」、「塩漬け編」を紹介させていただきましたが、今回は「赤じそ漬け編」。
年に一度の梅仕事ですが、とくに赤しそで梅が赤く染まる瞬間は何度体験しても感動もの。今回は赤じそ漬けの方法を紹介します。
梅の赤じそ漬けって何?
梅干し作りに関心を持つ前は、梅干しの真っ赤な色は人工的に着色しているものと思い込んでいました。
でも、じっさいは「赤しそ」の天然の色。はじめて自分で体験した時は感動は忘れません。
赤しそを使わない、梅漬け、梅干しもできるのですが、個人的には香りも見た目も赤じそ漬けが好みです。赤しその風味や見た目だけでなく、じつは赤しその成分は抗酸化力が高く、保存性を高める役割りもあるそうです。
赤じそ漬けのタイミングは?
梅を塩漬け後、1〜2日(状態によっては数日かかる場合も)すると、透明な液体が出てきます。これは「白梅酢」とよばれる梅のエキスです。塩がしっかり溶けて、白梅酢がたっぷり出たら、赤じそ漬けができます。
赤しそは産地により出回るタイミングが少しずれる傾向なので、梅漬けが終わったら、新鮮でいい状態の赤しそが手に入ったら準備をしましょう。
目安としては6月中旬〜下旬 (7月上旬頃まで)です。
準備 1:洗う
ボウルにたっぷりの水を張り、赤しそをしっかり洗います。
赤しその葉や茎の間には、ホコリ、土などの汚れがあるので、ボウルの水を何度か取り替えながら汚れがなくなるまで洗います。
下準備 2:水きり
赤しその茎を除き、葉の水きりをします。サラダスピナー( 葉物野菜の水きり)があれば使ってしっかり水きりします。
ここで水が残ると、カビの原因になるので、しっかりきりましょう。心配性の私は、ざるに広げ、陰干ししながら、キッチンペーパーで水けをふきとるくらい入念に準備しています。
下準備 3:計量、あら塩準備
水けをきった状態で赤しそを計量します。赤しその量は梅の量の10%〜15%程度。ぴったりでなくても問題ないのですが、10%以下だとうまく赤く染まりにくいことがあります。白梅酢と合わせる前に、赤しそをあら塩で揉むのですが、はじめての場合は、あら塩の量は赤しその15%〜20%程度の量が作りやすいと思います。
計量例
梅1キロの場合
赤しそは100g〜150g程度
赤しそが100gの場合、揉み込むあら塩は15g 〜 20g 程度
下準備 4:塩ふり
清潔なポリ袋に、赤しそ、あら塩の半分の量を入れ、袋の口を閉じてしゃかしゃか振り、塩をまぶし、5分程度そのまま置く。
下準備 5:塩もみ
袋の上から揉み込む。
赤しそがだんだんしんなりし小さくなり、濃厚な紫のエキスが出てきたら、エキスを捨てる。
ちなみにこのエキスはアクです。写真でわかりやすくするためボウルを使用していますが、捨ててしまって問題ないです。
アクを捨てたら、残りのあら塩を加え、さらに揉むと、泡っぽいアクが出るので、それも捨てれば、下準備完了です。
白梅酢と合わせる
白梅酢を清潔なボウルに取り出します。量は赤しそが浸るほどあればOK。1キロ程度の少量漬けした程度なら、全部出してしまっても問題ありません!
塩もみした赤しそを加え混ぜると.......
赤く染まります!白梅酢から赤梅酢になる瞬間です。
この赤梅酢はのちに調味料としても使えるので貴重。
赤梅酢でしょうがを漬けると紅生姜に!
みょうがやかぶの薄切りなどさっぱり漬けを作る楽しみも待っています。
● 写真でわかりやすくするためにボウルを使っていますが、清潔な密閉袋などに合わせて袋の上から揉み込みとすぐに発色します。
梅漬けに加える
梅漬けに戻します。ジップロックの少量漬けの場合は、袋に空気が入らないようにしっかり密閉します。心配性の私は二重にして漏れ、破れ対策をしています。
毎日エキスがまんべんなく行き渡るように袋を動かしたり、上下を反転したり様子を見ます。
日々、徐々に赤く染まる梅を見る楽しみがあるものです。
注意することは?
私は、梅干し歴50年以上の名人に習いましたが、どんなに注意を払っても、気候、梅の状態、そのほかの理由で「かび」がはえてしまうこともあると聞きました。
はじめての場合は、梅漬け、赤しそ漬けともに20%程度ならかびにくい塩分濃度と言われています。個人的には年々減塩し、いまは10%で作っていますが、じつは過去に減塩しすぎて失敗した経験があります。手間がかかるだけに、最後の最後でカビがはえることは本当に悔しく切ないものです。
冷暗所で保存が原則ですが、近年は猛暑が続くので、減塩梅干し作りやはじめてで不安な場合は、冷蔵庫や野菜室でもちゃんと浸かります。
梅干し作りでは、水分、カビ、梅の傷、汚れ、高温多湿の環境での放置などないように、最初から最後まで手塩をかけて楽しんでください。
◆記事を書いたのは・・・服部みどり(オウチゴハン研究家)。簡単でおいしい料理のレシピ提案や旬の食材の調理法など提案しています。