〈愉しくオバさんを生きていく。〉50歳手前にして、家族に褒められるようになった

2022/01/24
  • 1972年生まれ。『サンキュ!』創刊時(1996年)以来のカリスマ的人気読者。エッセイ集など著書を相次いで刊行したのち心理学を学び、現在はフリーランスの心理カウンセラーとして活動。『サンキュ!』では2007年から現在まで14年余りブログとエッセイを執筆。2021年10月より新連載「愉しくオバさんを生きていく。」をスタート(毎週月曜日午前9時更新)。趣味は旅行・ドライブ・ゴルフ・読書・スマホゲーム・お酒を飲むこと(1人で晩酌するのも大好き!)。もっと見る>>

1972年生まれの私は現在、49歳。若松美穂もオバさんと言われる年齢になりました。

今、若い頃に思っていたより、オバさんは気楽で愉しい!と感じています。
子育てがひと段落し、時間ができて自分のことをメインに考えて暮らせるようになってきたからかもしれません。「女子」ではなくなったことも、心地よさの理由の1つな気がします。

そんな私が、アラフィフのからだ・心・時間・旅・人間関係……もろもろを、個人的な視点で書いていきます。
「オバさんを生きる」。けっこう心地いいな。
そんな思いを込め、リニューアル新連載のタイトルは「愉しくオバさんを生きていく。」にしました。

毎週月曜午前9時更新。
おつきあいいただけましたらうれしいです

【オバ美穂 小さく万歳をする】

ここ1,2年のことなのですが……、私、家族に感謝されたり、認めてもらう機会が妙に増えました。と言っても、自分としては特に大きな変化はないのです。家事も仕事も、これまでと変わることなく、同じことを続けているだけ。

ですから、何が起きたの?どうしたのかな!?と、ちょっと驚いております。加えて、こんな日がやってくるとは思ってもいなかったので、心の中で小さく万歳。まっ、今は良くても、この先は誰にもわからないのですから、用心深い私は、これくらいの喜び具合がちょうどいいのかなと思っています(笑)。

【母のしてきたことが、実は子どもには見えていた】

最近、お友だちや知り合いからも似たような話を聴くことがあります。ある方は、「お母さんの子育ては間違ってなかったね」と、成人したお子さんに言われたのだそうです。こんなに嬉しいことってないですよね~。彼女は主婦の時代が長く、夫さんに「世間知らず」と言われることもあり、迷いの時期がありました。でも、お子さんたちが積極的に行動し、自立を目指す姿を見るうち、“私が子どもたちを育てるにあたり、彼らに込めた思いはちゃんと伝わっていた”と感じることができ、夫が何と言おうと、自分の子育てにOKを出せるようになったのだそうです。

また別の方は、やんちゃをしていた息子さんが若くして結婚され、お孫さんが生まれました。息子さんは奥様を大切にしつつ、「母さんの気持ちもわかるようになった、ありがとう」と何度も言われていると顔をほころばせます。『もう素敵♬』と私の方がウルウル。

おいしいものが間にあると会話が弾む……のが若松家のような気がします~大好きなフレンチのレストラン「Azure45」にて~

【それぞれの経験が 家族を変えた】

我が家の場合、私に何かがあったのではなく、家族の暮らしの変化が、彼らの視点を変えたような気がします。夫や長女は、単身赴任や一人暮らしを経験したことが大きかった。次女も大学生になり、一人で生活を営む仲間たちの様子を目の当たりにしています。

これまで、家族それぞれの両脇にあった大きな壁が一気に取り外されたように、皆の視界が広がり、私への理解が増しました(笑)。「ママは自分のことをして、家族のこともしてきたんだね」という言葉をもらった時には、心いっぱいの、大きなプレゼントをもらったような気持ちになりました。スムーズな暮らしをキープするには、ある程度の時間と手間がかかることも皆が認識したのだと思います。家の外を見る・知る・体験することで自然と変わること、見えるようになることもあるようです。

【ダメ出しの嵐……からの今】

もう一つの理由は、娘たちが就職する・就職しようとすることで、働くことに目を向けるようになったことです。仕事に関しては、夫と話すことが多い彼女たち。これまでの「父親」という視点に加え、夫の社会人としての一面をみることで、感じることが増えたようです。

また、仕事と家庭の両立を考えた時、私への見方も変わった様子。娘が言います。「自分の仕事(カウンセラー)が好きと言えるってうらやましいし、フリーランスで仕事をすることは簡単じゃないでしょう?」、「仕事も家庭もちょうどよくできるママの働き方、良いな」。

こんな言葉が出るようになったのも、自分の将来を見据える年齢、メンタルの安定の重要性を認識できる年齢になったから……なのかもしれません。

数年前まで、娘たちは私に、ダメ出しの嵐でしたから。「話を聴くだけなの?カラーセラピーって何!?」と言われたり、中学生や高校生の頃には、ひとつの仕事に絞らない働き方(執筆&カウンセラーという二足のわらじ)に、「お母さんは何をしている人?って聞かれると困るんだけど~」なんて言われていました。私も、「そう言われても困る~」と思っていましたけどね(汗)。

首都高速で。助手席からの景色です。車の中もおしゃべりが盛り上がる場所。人にきかれることのない安心感と、視線が合わないからこそ話しやすいこともあるのかな。

【そして思ったこと 】

娘たちから褒められ慣れていないので、いざとなると「そ、そう?」「ありがとうございます~」と、照れた反応しかできない私です。

ここまでの人生、たとえ誰かが認めてくれなくても、すべては自分で選んだ道です。私自身後悔は少ないですし、変わらず前に進むでしょう。それでもこうして一番身近な人たちが認め、伝えてくれることは、予想外のご褒美です。

なんか……、この先もがんばろ!って思ったのでした。

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