〈愉しくオバさんを生きていく。〉美容師と整理収納の資格が私に教えてくれたこと

2022/02/07
  • 1972年生まれ。『サンキュ!』創刊時(1996年)以来のカリスマ的人気読者。エッセイ集など著書を相次いで刊行したのち心理学を学び、現在はフリーランスの心理カウンセラーとして活動。『サンキュ!』では2007年から現在まで14年余りブログとエッセイを執筆。2021年10月より新連載「愉しくオバさんを生きていく。」をスタート(毎週月曜日午前9時更新)。趣味は旅行・ドライブ・ゴルフ・読書・スマホゲーム・お酒を飲むこと(1人で晩酌するのも大好き!)。もっと見る>>

1972年生まれの私は現在、49歳。若松美穂もオバさんと言われる年齢になりました。

今、若い頃に思っていたより、オバさんは気楽で愉しい!と感じています。
子育てがひと段落し、時間ができて自分のことをメインに考えて暮らせるようになってきたからかもしれません。「女子」ではなくなったことも、心地よさの理由の1つな気がします。

そんな私が、アラフィフのからだ・心・時間・旅・人間関係……もろもろを、個人的な視点で書いていきます。
「オバさんを生きる」。けっこう心地いいな。
そんな思いを込め、リニューアル新連載のタイトルは「愉しくオバさんを生きていく。」にしました。

毎週月曜午前9時更新。
おつきあいいただけましたらうれしいです

【オバ美穂 資格をたくさん取りました】

オバ美穂、じつはこれまでたくさんの資格を取ってきました。美容師免許をはじめ、自動車運転免許、整理収納アドバイザー資格。35歳を超えてから、カウンセラー資格(メインの所以外にも3か所、資格取得&学びに行きました)・カラーセラピスト資格4種(段階や種類があるので、今も積み重ねて取得継続中)・カフェキネシインストラクター資格・パステルアートインストラクター資格・ELM【勇気づけ講座】リーダー資格。ファシリテーター講座や傾聴講座・カラーセラピー勉強会のように、学ぶだけのものにも参加しました。

【資格が大好き!なわけではなく……】

資格取得が大好物なわけではないのです。カウンセラーの資格の取得後は、仕事の幅を広げたいと考え、資格をとりました。もとは甘ったれの私なので、自分に負荷をかけ、あえて学びに行っている感覚もあります。

でも……初めの3つ(美容師免許、運転免許、整理収納アドバイザー)は、周囲から言われるがまま。勧められるがまま、なんとなく取るかな~、みたいな。自らの意志で取得したカウンセラー資格ですら、「なろう!」と思って始めたわけではなく、きっかけは、自分が子育てや人間関係に“違和感”を感じたから。こういうことで困ったら誰に相談するんだっけ?カウンセラー!?それなら自分で学んでみましょう。答えが見つかるかもしれないからね、という軽い感じでした。

車の免許は別にして、美容師免許や整理収納アドバイザー資格も、今専門として活用していないのであれば、取った意味があるのかしら?と思う方もいるかもしれません。でもどちらも、私の人生の中では欠かせないことだったように感じています。

実家は東日本大震災のときの津波で流されました。そのため残った写真はわずか。これもその1枚で、私が小学校4年生のころの家族写真です。十和田湖で撮影しました。中央が母、その右が私。私の実家は美容院で、祖母と母は美容師でした。母はお店では制服を着ていましたが、出かけるときにはパリッとおしゃれをしていました。

【資格試験で知った母の偉大さ。そして私の小さな自信】

美容師免許取得は、必ずしも美容師になるのが目的ではありませんでした。祖母は先見の明がある人で、私の故郷の女川は「小さな町ゆえ、いずれ過疎化する。だから美容院の経営だけでもできるように免許を取っておきなさい」と。

とはいえ、言うのは簡単。するのはまた別のこと。美容師免許の実技試験は、私にとって難関でした。どう練習しても時間内に収まらない。母に伝えると、「帰っていらっしゃい!」の一言。実家の美容院で母の徹底指導を受けました。彼女が教えた方法は、美容学校で教わったのとは真逆のやり方。私の苦手な部分を考慮し、ここまで〇分でできれば間に合うと時間設定も共に考えてくれました。確実でスピーディゆえ、3日の練習で時間内に収まるようになり、もう目から鱗。

幼少期。母はいつも美容師の仕事が中心で、母らしいことをしてもらったと感じることの少なかった私(実際そんなことはなかったのでしょうけれど)。将来、母のようにはなりたくないと思っていた時期がありました。そんな彼女をみる目が変わったのは、間違いなくあの時だったと思います。

祖母と母はこうして、何人もの美容師を育ててきたんだ。資格試験を乗り越えた従業員の皆さんにも、尊敬の念が生まれました。加えて、別の方法を知ることや練習を積み重ねることで、苦手なことでも、必ずできるようになるんだと、小さな自信にもなったような気がします。

【「私にはできない・やりたくない」を知るのも収穫】

心に残っているもう一つは、整理収納アドバイザー資格。今となっては、心の問題と片付けはつながっている……を感じることがあり、心の整理の一つの手段として、家の片付けをお手伝いすることもあります。お一人では、一歩が踏み出せないこともありますからね。ただどこかで、その方の家・モノだから、好きにしてもいいのかなという思いも私にはあって、整理収納を専門にして続けようという強い気持ちが持てなかったのです。

やってみてからしか気がつくことのできないことは、あるものです。結果、自分の向かう方向・向かわない方向を確認することができたのですから、やっぱりチャレンジしてよかったなって。

70代になった母は、現在も基本、自分の髪は自らカットしていますが、時々私が彼女の後ろ髪を切ったりもして。私は美容師にはなりませんでしたが、祖母と母の背中を追いかけるように、自分の仕事に夢中な私がいます。祖母と母は、尊敬する先輩たちです。

【結果は誰にもわからない まずは"トリヤル”でいこう】

そんなこんながあって、私は娘たちに伝えます。自分にも言います。「とりあえずやってみたら(トリヤラ)」と。やりながら考えてもいい。終わってみて気がついてもいい。のちのちどう感じるか、どこで役に立つのかなんて、誰にもわからないのですもの。それにどんなことも経験になりますし、話の種になります。

私、目的は学びと資格取得でも、そこで色々な人に出会うのが好きです。素敵な方、楽しい方、魅力的な部分・才能のある方がたくさんいます。出会いだけでも、私には財産だな~と思っています。

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