【今だから話せる、本当にあった怖い出来事】コロナ禍であえて密にしてほしい、親とのコミュニケーション

2021/07/02
  • フルタイム会社員と子育てを同時卒業。料理アプリは5年で1800投稿超え、パン作りはディプロマを取得。 もっと見る>>

サンキュ!styleライターchiakiです
主婦歴30年、フルタイム勤務の会社員生活と3人の子育てをこの春同時に卒業しました。

今年、2回目のコロナ禍の夏休みも近づきました。
昨年は夏休みやお正月に帰省を諦めた方、週末のお休みに親御さんと会うことを控えていらっしゃる方は多いと思います。

変な言い方ですが、2年目に突入するとそれも仕方がないよなぁと諦める術が身に付いてしまったり、親御さん側もコロナ禍での我が子の仕事は今までより寧ろ大変かもしれないと、会いたい気持ちや連絡することをを我慢して、寂しい思いをされているのではないかと、3人の社会人の子を持つ身としては察する事は容易です。

離れていても想い合う、親子の心の隙間に、突如プロの詐欺グループが割り込んできます。
そんな事は他人事、怖い思いは未体験という幸運な方には是非、私が昨年立て続けに体験した事をお伝えしたいと思います。
自分事として心が動いた方は、この夏、手立てを考えて、親子で話す機会を持っていただきたいと思います。

⬛︎本当にあった、怖い出来事(1)

日が降り注ぐ春めいた昼下がり、ネームプレートを下げたスーツ姿の若い男性が、すれ違い様、高齢の女性に話しかけました。
「今、近所の駐車場で自宅で履かなくなった靴を一足1000円でお引き取りさせて頂いています』と、
こんなに風に爽やかできちんとした身なりの男性が履かなくなった靴を処分してくれるなんて、そんなお仕事もあるのねと女性は思いました。
ゴミになるものに、お金も支払ってくれるなんて一石二鳥だわと、ちょうど下駄箱の整理をして、不要な靴の処分を考えていた事も重なり、好都合と思いました。
「ご自宅でも引き取れますよ」と言われた女性は、明るい時間帯でもあり、マンションのセキュリティもしっかりしているからと、その男性を玄関先に招き入れました。
履かなくなった靴を数足渡し、一足1000円で引き取りした明細を渡され、お金も受け取りました。
その爽やかな男性の語り口や丁寧なやりとりに安心した女性は、さらに男性から声をかけられました。
「不要な貴金属があれば、今は高値で買い取れますよ」と
コロナ禍で外出の機会も減ったし、要らない指輪ならあると思い、貴金属がしまってある部屋に行き、出番の少ない指輪を何点かその男性に渡しました。
渡した宝石の実際の価値は高齢の女性にはわからないまま、その男性の言い値でお金を受け取りました。
後日、娘が家を訪ねてきた時に、そういえばね、と母親から聞かされた靴と指輪の話。
娘の背筋が凍ったのは言うまでもありません。

⬛︎本当にあった、怖い出来事(2)

コロナ禍で外出自粛が長引く中、ある日、離れて暮らす息子から電話が来ました。
「鼻の具合が悪く、声がうまく出せないけど、今日は耳鼻科に寄ったんだ」と
もともと喘息持ちの息子を案じた女性は、可哀想にと思って受話器に聞こえづらくなった耳を押し当てて息子の声に耳を澄ませました。
「大切な仕事の預かり金が入ったバッグを受診時に紛失してしまった」、「いきなり手術することになり落ち込んで置き忘れた」と「今日用立てる必要があり、困り果てて先輩に相談したら、手を回して解決してくれる事になった、とりあえずカバーできるお金を早急に工面するよう指示をされた」と。
矢継ぎ早に言われた息子が見舞われたトラブル。手術という事は会わない間に、身体を悪くしたのだと。
気が動転した女性は、自分が用立ててトラブルが解決するならと、言われた通りにお金の準備にすぐさま取り掛かりました。
50万ずつしかおろせないATMで引き出した時に、もう一回おろせないと銀行の係の人に伝えたところ「一回におろせる金額は50万までですよ」と言い放たれました。
それでは足りないと何軒か回り、指示された近所の公園まで出向きました。
『上司の息子さんがこの件で動いてくれるから渡してほしい」と言われた通り、就活生のようなスーツ姿の孫と同じくらいの年齢の若い男の子がいて、お金の袋を手渡しました。
奔走して動き、一人住まうマンションで無事に事は済んだのだろうか、と冷静になった時に、自分の行動を思い返したら、詐欺にあったのではないかと。はじめて思いました。
警察に慌てて駆け込み、女性は特殊詐欺被害にあった事、大金を一本の電話だけで失った事を認識しました。
※慌てて50万円を何回も引き出そうとした時に、銀行の人が様子がおかしいと感じてくれたなら、未遂で終わったのではと、未然防止のニュースを見るたびに思ってしまいます。

⬛︎オレオレ詐欺やアポ電詐欺は自分には関係ないと思っていたのに

この事は、実際私の身近に起こった特殊詐欺の事例です。本人や家族が味わった衝撃・落胆からようやく一年が過ぎ、同じ思いをして欲しくないと語る事が出来る様になりました。
昔から職業婦人と言われ、活躍してきた女性は自他共に認めるほど一人で健全な生活を送っていました。
世の中にはそんな悪意ある行為があるとは思わず、起きた出来事に疑いの余地もなく、人を信じて誠心誠意、真心で対処しました。

コロナ禍の孤独にたえていた矢先、特殊詐欺という名の悪意ある犯罪に巻き込まれてしまいました。
長年、勤め上げたキャリアもあり、犯罪とは無関係だった女性の落胆は今でも隠しきれません。

特殊詐欺専門の刑事さんによると、両方の事例共に命があっただけ幸いですとの事でした。
騙された本人には落ち度はないです。責めないでください。
相手は特殊詐欺のプロ集団なんですと。

⬛︎「これで万全」はないというほど多様な特殊詐欺の手口

◉その後の対応策
★詐欺グループとの一番の接点となる固定電話は犯罪抑止の機器を取り付け、応答メッセージに切り替わり、録音されるものになりました。
★ナンバーディスプレイに連絡先を登録して表示が出た人しか電話に出ない事とする。
★スーツ姿、ネームプレート、制服に騙されない。
★宅配便は置き配にしてもらう、身内から荷物を送る際は事前に通知する事としました。
★親切に声かけしてくる人は、身内以外は犯罪を疑うようにと心構えも確認
★インターフォンや電話にも抑止になる言葉を書き貼り紙をしました
★オレだけどと言われたら名前を言ってみてと、念を押しました。

◉それでも足りない対応策
☆ポストに名刺が入っていると、わざわざ来てくださったのに、留守にしていてすみませんと丁寧に電話を返してしまう
☆らくらくスマホに、宅急便を届けたが不在だった為持ち帰りましたというリンクを押してしまう

長くなりましたが
◉身近な大切な人を狙う犯罪は進化しながら形を変えて潜んでいます。
親御さんから連絡ないのは元気な証拠と思わず、会えなくても密に連絡を取り、安否を確認したり、親御さんのプライドを傷つけないように、特殊詐欺を防ぐ対策を始めて欲しいです。
◉街中で慌てている、様子がおかしいと思う高齢者がいた場合、トラブルに巻き込まれている可能性もあります。声をかける勇気も誰かの大切な人を守ることにもなりますね。

★☆記事を書いたのはchiakiです☆★
子育てとフルタイム会社員を卒業した専業主婦です
コロナ禍だからこそ密にしてほしい、親子のコミュニケーション。今の心境を綴りました。

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