【身体の声を聴く】私が子どもに「残さず食べなさい!」と言わない理由

2021/03/07
  • 料理教室「しあわせイタリアン」主宰。料理研究家、アンチエイジングフードマイスター、野菜ソムリエ。もっと見る>>

サンキュ!STYLEライターでイタリア料理教室主宰のきよみです。
今日は私が食事をするときに日ごろ意識を向けていることを書かせて頂きますね。
賛否両論あるかと思うので、あくまでもそう考える人もいる・・・くらいに読んで頂ければと思います。

子どもが食事を残した時、どうしてますか?

昭和生まれの私の小学生時代。
今でも忘れられない風景が、給食の時間が終わって、掃除の時間になっても、一人だけ給食が片づけられず、涙をぽとぽと落としながらアルミのお皿に残された野菜を憎々しげに睨んでいるクラスメートの姿。
毎日毎日野菜が食べられずに午後の授業が始まるタイムリミットまで野菜を見つめて泣いていたその彼が、大人になって野菜が食べられるようになったかは分かりませんが、全部食べ終わるまで給食を片づけることができず、野菜嫌いの彼にとっては、クラスメートの中にさらされて、罰を与えられているような気持ちだったのではないかと思います。でも、それ以上に野菜が嫌いで食べることが嫌だったのでしょうね(笑)。

さて、令和の時代の小学校の給食事情は、どうなのでしょう。
現在小学1年生の娘に聞くと、このメニューは少なめにしてください。こちらは普通でお願いします。と配膳の時に給食当番に伝えるのだそう。
食べられる量だけよそってもらい、その分は残さず食べて、食品ロスをできるだけなくそうという工夫なのだと思います。

私も家で娘の食事を用意するとき、その日の状態によって食べられそうな分をよそうようにして、こちらが決めて出した食事を、必ず全部食べなさいということはしていません。
というのも、その日のコンディションによって、その日の体が求めているものや量は違うのではないかと思うからです。
プチトマトばかりたくさん食べるとき。お肉をたくさん食べるとき。そんな時は、きっと体がその栄養を欲しているのだと思っています。
逆に、食べられると思ったけれど、全部食べられない…という時もあります。
子どもが食事を残すときも、今日は体がもう十分というサインを出しているのか、それともあまり好きでないものを残して食後のデザートを食べたがっているのか見極めて、その時その時に応じて臨機応変に対応するようにしています。


身体の声を聴くということ

自分が食事をするうえでも、大切にしているのが、身体の声を聴くということ。
身体がビタミンを求めている時は、普段以上にお野菜、果物が美味しく感じられ、たくさん食べたいと思います。
シンプルなただの茹で卵がとっても美味しく感じられる日もある。
体調が悪いわけではないのに、普段はお酒が大好きな私が、美味しく感じられなくて何日か飲まない日が続いたり。
全部身体の声。身体はその時のコンディションや欲しているものを言葉で私たちに伝えることはなくても、色々な感覚を通して私たちに訴えかけてくるのだと思います。
その声を、しっかりキャッチすることが、健やかな体を保つ為に必要なのではないかと思っています。



身体の声を邪魔するものは?

身体や心がバランスのとれた状態であれば、身体も正しいメッセージを発信してくれるものだし、また、身体が発信したメッセージをしっかりキャッチすることができると思うのですが、残念ながらうまくキャッチできない時もあります。

それは、ストレスを感じている時。
会社員時代、仕事が忙しくストレスを感じているような状態の時、夕方になるとお菓子がやめられなくなった時がありました。
今でも、締切のある作業に追われて頑張っているのに思うようにはかどらない時、夜中に娘のおやつ箱をコッソリあけて、家族に気づかれないようにゴソゴソと食べるときもあります。
アンチエイジングフードマイスターなんて言っている自分が恥ずかしい。
でも、そんな自分も含めて私。そんな時は、ちょっぴり自分を甘やかしてしまう時もあります。

また、スナック菓子やインスタント食品などの添加物の多い食べ物、味の濃い食べ物なども身体の声をキャッチするのを邪魔するものの一つ。
たとえば、味の濃いものを食べた後は、反動で甘いものが食べたくなったり、スナック菓子やインスタント食品などには、中毒性のある添加物が使われているものもあるので、もっともっと食べたくなるように、私たちの感覚がおかしくなったりもするのですよね。

ストレスは完全には避けられないもの。
でも、自分で選ぶことのできる食べ物に関しては、できるだけ自然のものを摂ることを心がけて、自分の感覚を鈍らせないことが大切なのではないかなと思っています。

食べ物への感謝を忘れない

子どもに食べ物を残さず食べなさいという言い方をしない代わりに、必ず伝えていることは、食べ物への感謝の気持ちを忘れないということ。
お肉やお魚は、他の生き物の命を頂いているということですし、お野菜や果物、お米は、雨の日も風の日も大切に育ててくれた農家の方たちがいるということ。そしてその食材がスーパーに並ぶまで、たくさんの人がちが係って、私たちの食卓に届くわけです。食べ物そのものやそこに係ってくれたたくさんの人たち、そして今日も食べられることに感謝をする気持ちを忘れないようにと子どもには伝えています。
そして、子どもが残したものは、できるだけ廃棄することはせずに、一人の食事の時にリメイクしたりして、無駄にせず頂いています。

最後に

身体と心のコンディションを整えて身体の声を聴くこと、そして食べるものに感謝を忘れないこと、そのことをいつも心にとめて、これからも子どもにも伝えていきたいと思っています。

記事を書いたのは、サンキュ!STYLEライターのきよみでした。
アンチエイジングフードマイスター、野菜ソムリエの資格を持ち、都内でイタリア料理教室を主宰。地球の未来のために食品ロスゼロ、生ゴミゼロも目指しています。

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