「どうしても書き進められない!」と思ったときにプロのライターがしていること3つを教えちゃいます!
こんにちは!サンキュ!STYLEライターの増田洋子です。フリーランスのライターでして、独り身を支えるくらいのお仕事は頂けています。
プロを自負する私であっても、「書き進められない!」と思うときはあります。そして、それを乗り越える方法もまた知っています。
「サンキュ!STYLE」を見ていると「書くことがない!」のお悩み解消の記事はたくさんありますが、書き始めたあとの「書けない!」の解消の記事はない……? いやいや、みんな絶対悩んでるでしょ!?
そこで今回は書き始めてから「書けない!」となったときに、するべきこと3つを、みなさんと共有したいと思います。
1、情報量が十分でない
私が「書けない!」と思うときの理由は、ほとんどこれです。
例えばインタビューの仕事をしていたとします。
3,000字の記事にしなければいけないのに、インタビューの内容を起こしてみたら2,000字しかなかったとします。
ホームページや既出の記事などで公開されている情報を使えば、あと1,000字を足すことも可能かもしれません。
しかし、既出の情報では新鮮味がないですし、盗作にもなりかねません。
そして、「そのときに行ったインタビュー」の記事ではなくなってしまいます。
つまり、記事の質は下がってしまうのです。
反対に記事の文字量に対して、インタビューの内容が充実している場合の方が簡単です。
3,000字の記事に対して、5,000字の撮れ高があれば、2,000字を削ればいいだけですから。
まぁ、削るのは削るので技術がいるのですが、生み出すより削る方が楽であることは間違いありません。
「サンキュ!スタイル」にインタビュー記事を載せることはありませんが、コンビニスイーツのレビューに関しても言えます。
記事として内容が薄いと思ったら、もう一度情報を集める。
「こんな情報いるかな?」と思っても、メモしておきます。
もしかしたらそれが誰かの役に立つかもしれませんし、不要だと思ったら切ればいいだけなので。
ちなみに、最近の私が行った仕事では、1,800字の記事を書くのに1時間のインタビューを行い、起こした文字量は約9,100字でした。
これでも「もっとこの点を突っ込んで聞けばよかった」と反省があるので、やはり情報量が多いに越したことはありません。
2、類似の媒体の記事を参考にする
1は情報量が足りない場合でしたが、2は足りているのが前提です。
特に紙媒体の仕事をしているときに「書けない!」が起こりやすいように感じています。
Webの仕事の場合、文字数の指定がざっくりしていることがほとんどです(ないものさえあるぞ)
ですが、紙媒体は間違いなくあります。
文字量が少ないとレイアウト的にスカスカに見えてしまうので、基本的には最後の1行まで詰めます。
これが難しいんだな!!
足したり削ったりの微調整の繰り返し。
「こっちの情報を加えて増やす代わりに、こっちをちょっと削って、いやいやここをこの表現にすれば3文字減らせる……」
といった具合で、パズルのようなことをします。
「書けない!」と思ったら、私は掲載される予定の媒体の過去記事、もしくは類似の媒体の記事を見ます。
すると、「そうか! この動詞に置き換えられるか!」や「この形容詞があったか〜!」といった発見を得られます。
なぜ類似の記事を読むかというと、表現の親和性がいいはずだからです。
企業の代表取締役へのインタビューみたいなお堅い記事を書くのに、アイドル雑誌の記事にあるような「メンバーのわちゃわちゃ具合に胸キュン(ハート)」のような表現を見ても、あまり参考にならないかと(注:わかりやすい例として挙げただけで、馬鹿にする意図はありません)
小見出しなんかはもっとやっかいで、よりセンスを求められます。
先日、とある動物雑誌でフクロモモンガについての記事を書きましてね。
小見出しが7行2段だったのです。
「フ・ク・ロ・モ・モ・ン・ガ……って、これだけで7文字じゃないかっ!」
と、ツッコミを入れた次第です。
2段目の始まりが「の」とか「を」とかから始まるの気持ち悪い〜!
そこで「『フクモモ』にすればいいんだ!」と閃いたわけですが、これは媒体的にアリ……?
そこで過去の号を調べたところ、別の動物が小見出しに限っては短縮系を使用されていたことがわかりました(これも文字数の都合かと)
何を言いたいかというと、浮かんだ表現が使用可能かの見極めにも使えるということです。
使用可能であれば、遠慮なく使えて「書けない!」問題はクリアです。
言うまでもないと思いますが、念のために書くと、パクリはダメです。
参考にするのは単語1つ程度で、一文マルっと(文字を入れ替えてもバレるよ)は絶対にダメです。
信用問題で仕事がなくなるので、自分の頭からひねくり出しましょう!
3、仕事を中断する
これも情報量が足りている場合で、それでも書けないときに行う方法です。
反対に情報量が多過ぎて、どう整理したらいいかわからなくなっていたり、頭が疲れていたりするときに有効です。
1時間パソコンの前にいてもほとんど書けないということがあります。
「今日はもう仕事をやめるぞ!」と、諦めてパソコンを閉じるわけです。
そして、シャワー浴びた瞬間、閃きが走る……!
ひどいとパソコンを閉じた瞬間に表現が浮かびますからね!
この現象を何と呼ぶのかはわかりませんが、頭を切り替えたり、リラックスしたりすると、起こるように思えます。
脱線しますが、私は朝起きてから夜寝るまで、気の向いたときに仕事をしていまして(もちろんその間に掃除をしたり、ジムに行ったり、ゲームをしたりもしています)、寝る前にお風呂に入るわけですが、その直前まで仕事をしていることがほとんどです。
なぜ労働時間を明確に決めていないかというと、性格的に無理に机に向かい続けても自動的に書けないということがわかっているらからです(締め切りに追われていれば、無理にでも書きますが)
脱線終わり。
要はリラックスすることが有効だよ、ということです。
別にシャワーを浴びなくても、ウォーキングとか掃除とか料理とか、何でもいいと思います。
シンプルだけど、やる価値あり!
はい、ということで、書き始めてから詰まったときの解消法を3つ挙げました。
これで大体は書けると思います。
締め切りがなかったり、原稿料が発生しない場合、寝かせるといった方法もあります。
プロでも書けずに悩むことはあるので(むしろ種類や量をこなさなきゃいけないので当たり前かもですが)、書けなくても悩む必要はないと思います。
今回も長文になってしまいましたが、みなさんのお役に立てば幸いです。
◆この記事を書いたのは…増田洋子。インタビューが好きなフリーランスのライター。得意ジャンルはライフスタイルと動物で、デグー2匹と暮らしている。