85歳の義母から学ぶ!お金があっても不安な高齢者のリアル
ママのモヤっとする時間を短縮!サンキュ!STYLEライターで時短研究家ママのあらきあゆみです。
高齢化が進む中、自分達の将来に年金や社会保険の制度が破綻しないか、将来の補償がどうなるのかとお金の不安を感じている人は多いと思います。
そこで今回は同居する85歳の義母と暮らして感じた「お金があれば良いわけじゃなかった」老後のリアルなエピソードを紹介します。
子どもの世話にはなりたくない?
現在85歳の義母は、私から見ると非常にアクティブな人で友人ともよくランチをしたり、デパートに買い物に行ったりと1人暮らしを謳歌。義父が亡くなった後も1人暮らしを続けて「若い人と一緒には住むのはお互いに大変だから」と、子どもと一緒に住むことを前提としていない人でした。
しかし、玄関の電球を自分で取り替えた瞬間に事態は一変。腰を圧迫骨折して、一時はベッドで横になることもつらいという状態までに。
週2回へルパーさんが来て買い物や掃除してくれても、毎日、自分の食事を準備するのにキッチンカウンターに片手をついて準備するだけで息切れするほど疲れます。
それからは「ここで倒れて誰にも見つからなかったら?」と1人で暮らすことの不安がよぎるように。
背筋がピンとして家の中でも毎日体操する元気な義母でしたが、ケガによって生活が一変したことで考え方が変わりました。
施設に入った友人の現実は?
今はそもそも施設の空きがないといった問題もありますが、義母の友人には裕福な人も多く、高級な福祉施設に入った人もいました。
高級だから良いかというとそうではなかったようで、安全のための制限でお金はあるのに思うように外出できなかったり、食事が美味しくスタッフも優しいと思って最後の住処に選んだ老人ホームが、経営者の交代で食事もスタッフも変わってしまったというエピソードも。
また、サービスレベルの高い施設ではおむつの交換も多く、消耗品購入の出費がかさむなどの問題も施設に入所した知人から聞いていました。
お金をかけてもかけなくても難しい施設選びで、最後の住処を自分で決める決定打がなかったようです。
老後にお金の心配がない暮らしがしたい?
お金に余裕があれば老後も安心と考えている人は多いと思いますが、私の両親や義母を見る限りそうは思えません。
実母の場合
70歳になった実母から「病気になったときのために保険に入りたい」と相談されたのですが、高齢者の保険料は当然ながら高いので、貯蓄や資産があるなら保険は不要だと伝えました。
そもそも家を保有しているなら万が一の時には売却すれば治療費がまかなえます。
私が実家を今売却するといくらになるか業者に試算してもらい金額を確認しましたが、病気に対応して住み替えるのにも十分な額です。
もちろん、住み慣れた家を離れたくない気持ちは分かりますが、あくまで支払いできないほどの大病をしたときの話で延命治療も不要というスタンスなら、今の生活を圧迫する保険に入る必要があるかどうか検討の余地がありますよね。
私の実母のように「お金(家という資産)の上に寝ながらお金がない」と考えている高齢者は少なくないと思います。
義母の場合
85歳の義母の場合は、腰が悪くなって5分歩くだけで疲れてしまうという状態になってから、外出が困難になったことでお金の使い道がグッと減りました。
ではお金の不安がないのかといえばそうではなく、もっと身体が悪くなってしまったときに施設に入るお金を残しておかなきゃいけない、もういつ死んもいいと思っているけれど、思った以上に生きてしまったらお金が足りなくなるかもしれない、年金も少ないし……とお金の不安がつきません。
両者とも私からすると、普通の生活にたまの贅沢ができるお金は十分にあるのですが、「お金がないから不安だ」と考えています。
老後のお金と同時に必要なこと
私たちの老後よりはおそらく手厚い福祉があって、普通に暮らせるだけのお金を持っている高齢者でも「お金の不安を感じている」のが現状です。
高齢となった親の暮らしを間近で見ている私としては、「お金がない」ことが一番の原因ではなく、「行動するだけの体力や気力がない」、「ほしいものややりたいことが思いつかない」、「方法はあるのにそれを知らない・理解できない」ということが現実問題としてあるように感じます。
老後にモヤっとしないために私が高齢の親から学んだのは、高齢になる前から「暮らしそのものに楽しみを見出すこと」、「運動を習慣化して体力維持することで決断力や行動力を落とさないこと」、「新しいことを敬遠せず学ぶこと」、「お金を理由に諦めるクセをつけないこと」が老後のお金を準備するのと同じくらい大切だということです。
2歳4歳の子育て真っ只中のわが家では、老後資金よりも子どもの養育費の確保が優先ですが、今挙げた4つはお金がなくても出来ます。わが家のようになかなか老後資金の準備が進まずにモヤっとしている人の参考になれば幸いです。
◆この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター&時短研究家ママ(あらきあゆみ)
プチプラ活用・デジタル活用・マルチタスク術など……ママのモヤっとする時間を短縮する問題解決のアイデアを提案|2歳4歳やんちゃ男子の母、義母と同居中|FP2級&終活ライフコーディネーター。