義母と同居してわかった!高齢者向け便利アイテムの意外な現実
暮らしのモヤっとする時間を短縮!サンキュ!STYLEライターで時短研究家ママのあらきあゆみです。
高齢の義母と同居するようになり、早くも3年目に突入。義母の生活を近くで見守る中で学んだことは、高齢者をサポートする便利アイテムがあっても、解決しきれない困りごとが意外と多いということ。
そこで、今回は高齢の義母と同居する私が感じた「高齢者向け便利アイテムの誤解」を紹介。
親と同居しなくても、今まだ親が若くて元気でも、人は必ず歳をとりますし、私たちも必ず高齢者になります。将来モヤっとしないために知ってほしい内容です!
1. 歯がなくなったら「入れ歯」があるから大丈夫?
「歯が抜けても入れ歯がある」と漠然と考えていましたが、実際はそんなに簡単じゃありませんでした。
義母は残っている歯を活用してつけるタイプの入れ歯を使っています。入れ歯は一度作ってしまえば当面メンテナンスが不要だと思っていたのですが、これが間違いでした。義母の場合、3〜6ヶ月ごとに歯医者さんで調整を受けています。また、入れ歯をしていても固いと食べられず、なるべく柔らかいものを基本に食事を作っています。
入れ歯は加齢とともに歯茎が痩せてしまい、痛みやズレが出ることがあるからです。その結果、食事がしづらくなり、気力・体力ともに落ちやすくなってしまいます。
高齢者にとって「食べること」は、身体を動かす以上に大事な楽しみで、生きる活力そのもの。だからこそ、「入れ歯が痛い」というときはなるべく早めに対処することを心がけています。
2. 耳が遠いなら「補聴器」をつければ解決?
耳が遠くなった義母は、少し奮発して高機能な補聴器を購入。音域ごとの調整が可能で、耳にぴったり収まるオーダーメイドタイプ。これなら音の問題もクリアだ!と期待していましたがそう甘くありませんでした。
補聴器を装着して最初の問題は自分の声が反響して聞こえること。この「補聴器の音」に慣れるまでには時間が必要で、ちょうど良い音にするために何度か調整も必要でした。
また、音域別にボリュームを調整していても、ショッピングモールのように雑音が多い場所では、周囲の音が大きすぎて逆に聞き取りが難しくなることもありました。
さらに難しいのは、「音が聞こえていない」のか、「聞こえていても言葉を認識できていないのか」が他人からは分かりづらいこと。補聴器が解決できる問題と、別の原因が絡む場合もあって、難しいなと感じました。
少し奮発して高機能な補聴器を購入した分、気になるたびに自宅に調整にきてもらえるのがありがたいところです。安価な補聴器(集音器)もたくさん販売されていますが、選ぶ際はアフターフォローまで見て検討するのがおすすめですよ。
おしっこが近いなら「尿もれパッド」で安心?
加齢が進むにつれて、頻尿や尿もれはよくある話。そのために「尿もれパッド」や「大人用おむつ」がありますが、これがあれば良いということではありません。高齢者との接点がなかった時には考えもしませんでした。
寝たきりになったり、介護が重度化しても、年齢に関わらず羞恥心があるのは自然なことです。それに加え、「漏れていないか」「匂っていないか」という不安もあるため、できるなら尿もれパッドを使わないで済ませたいというのが本音だと思います。
そこで私が気をつけているのは、外出時に「自分がトイレに行きたい」と伝え、さりげなく早めにトイレへ誘導すること。最初の頃は「トイレ大丈夫ですか?」と直接聞いてしまい、義母に気を遣わせてしまう失敗も。しかし、私のトイレのついでに一緒に行く流れを作れば、義母も自然にトイレに行けるので安心感があるみたいです。
最後に
高齢の義母との同居生活を通して気づいたのは、高齢者をサポートする便利アイテムはたくさんあるけれど、それだけで問題が解決するわけではないということ。便利アイテムを活用しつつも、高齢者の気持ちや生活のリアルに寄り添うことが、最終的に介護する側の負担やストレスを軽くするカギだと感じています。
これからのは少子高齢化の時代。わが家のように「子育て」と「介護」のダブルケアをする割合も年々増えています。加齢以外に病気でも介護と向き合う可能性はありますから、「介護」を遠い先の話と捉えずに、親がまだ元気なうちから、こうした課題や準備を知っておくことは、将来のモヤっとする時間を減らすことにつながりますよ。
◆この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター&時短研究家ママ(あらきあゆみ)
プチプラ活用・デジタル活用・マルチタスク術など……ママのモヤっとする時間を短縮する問題解決のアイデアを提案|育児と介護のダブルケア◎3歳4歳やんちゃ男子の母、80代義母と同居中|FP2級&終活ライフコーディネーター。