高齢者 終活

娘として、看護師として、認知症の父と再びエンディングノートに向き合う

2024/04/19
  • 知って活用、暮らしに溶け込む健康づくりをモットーに東洋医学のセルフケアの知恵を取り入れやすく続けやすいように発信します。看護師・薬膳師・などの資格をもつ令和元年生まれの坊やのママです もっと見る>>

看護師で薬膳師の薬膳ナースけいこです。

実は私の父は50代で脳梗塞をおこして体が不自由になり、60代からは腎臓の問題を抱えて人工透析をしています。現在、父は施設に入所していますが、高齢であることや透析中の急変のリスクに備えて15年以上前にエンディングノートを作成しました。ノートは娘である私が管理して、容態がが急変した際の情報共有として「入所している施設」「透析治療を受けている病院」にコピーを渡しています。

しかし、父も83歳となり「別れの時」を具体的に覚悟する機会が増えてきました。容態の変化と共に病院や施設と「こんな時はどう対応しようか」と考える中でエンディングノートを更新する必要が出てきました。
認知症が進行してきた父と「命の終わりの迎え方について決断する」正解のない難しいことに向き合う経験をしました。

エンディングノート更新の必要性

高齢者 終活

最初にエンディングノートを作成したのは父の認知症が進行する前でした。父の意思を優先して「気管内挿管はしない」「心停止したら心臓マッサージはしない」「苦痛を取るための処置、治療は積極的にしてほしい」など急変した際に「してほしくないこと」「してほしいこと」を書面で示しました。

施設、病院のスタッフの方から「この話し合いを本人と家族でしていること、とても助かります」と言われることもありました。

しかし、最近は透析中に容態が急変して救急搬送されたり、入院する頻度が増えてきました。医師からは、「心臓に関しては、もう医療の力で助けられる部分は無い」という説明を受けました。透析中、病院で意識を喪失した際は、そのまま病院で治療をしますが、「施設で眠っている際に意識を失った場合に救急搬送をするかしないか」という判断が必要になってきました。

入浴中や食事中などのアクシデントの際は救急搬送をお願いしますが、心臓がかなり弱っている父にとって、眠っている間に意識を失ったなら、そのまま息を引き取る可能性も十分に考えられます。看護師である私は、救急搬送の際に行われる処置に関しても見当がつくため、「せっかく意識が無い、苦痛が無い状況なのに、救急搬送されたら、意識レベルが上がって苦痛を感じ、苦しい思いをするかもしれない」「睡眠中の意識消失であれば、そのまま経過を見た方が穏やかにすごせるのではないか」「もし、少ないけれど回復の可能性があった場合、治療ができる病院に搬送された方がよいのだろうか…」色々な考えが浮かびました。

認知症の父と大切な話をしたタイミング

高齢者 認知症

父の認知症は進行しており、孫の名前を間違うこと、自分の年齢を間違う事さえありました。透析をした日は体もだるく眠っている時間も長いため、本人の意思を確認するための大事な話をなかなか切り出せずにいました。また、ものごとを決断する力がどれだけ残っているかという不安もありました。

そんな中、施設での面会中に父のコンディションがとても良い日がありました。その日は孫の名前も間違えず、自分の年齢も間違えませんでした。透析治療の日ではなかったことや、食事が摂れていたこと、少し外出をしたことなど良い条件が整っていたのだと思います。

今日を逃すと、大事な話をするタイミングは巡ってこないかもしれないと判断した私は、話を切り出すことにしました。
「施設で眠っている時に、意識を失った時に救急搬送してほしい?」
「救急搬送するメリットは、かなり少ないけれど治療すれば回復の見込みはゼロではない」
「デメリットは、意識レベルが上がって苦痛を感じる可能性がある。慣れた場所で最期の時を迎えられない可能性がある」
細かい難しいことは伝えずに、その時の父の反応を見ながら話し合いました。
「運ばれなかったらそのままあの世だな」
「延命はせんでいい」
「でも、具合がいつもと違うなら(救急車)呼んでもらう方がいいかな」
父に迷いがみられるという点からも、重要な決断になることは伝わっていたようです。

私たちが迷いながらも出した結論

高齢者 終活

正直、私は眠りの中で意識が失われたのなら、もう何もせずに看取りの時を迎えた方が穏やかなのではないかと考えていました。しかし、父は「具合がいつもと違うなら、病院に運んでもらおう」治療できることは、無いかもしれないし、デメリットもあるかもしれない。ある程度理解した上での本人の意思でした

私たちが出した決断は、最初に作ったエンディングノートの内容は変えず、「施設で入眠中の意識消失があった際は救急搬送をする」という意思を追加しました。

これが、正解かどうかは、父が旅立つ時にわかるのかもしれないし、わからないかもしれません。認知症の父に残酷な選択肢を迫っているように感じる方もいるかもしれません。ですが、私の意見を優先するのではなく「父と一緒に決断をした」というのは、今の私たちの状況の中では正解なのだと感じています。

〇この記事を書いたのは…薬膳ナースけいこ
薬膳師/看護師/経絡ヨガ指導者/薬膳茶エバンジェリスト
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