体を温めるはずの生姜で逆効果!?体を冷やさないためのコツとは
- 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>
生姜には体を温める効果がある……、よく知られている話ですが、実はそこには意外な落とし穴がひそんでいます。使い方によっては、逆に体を冷やしてしまう効果があるためです。今回は、野菜ソムリエそして食育インストラクターでもあるライター・植松愛実が、生姜の上手な使い方をご紹介します。
生姜が体を冷やす!?
実は、生姜は生で食べると体を冷やす効果があります。
夏の食事を思い浮かべると、冷や奴や素麺などに薬味として生姜やネギを添えることが多いと思います。
これはもちろん風味によって食欲を刺激したり、食中毒が発生しやすい夏場に殺菌作用を期待しているところもありますが、体を内側から冷やすことで熱中症を防ぐ効果もあるのです。
つまり生姜は、生で食べると体を内側から冷やしてしまい、これからの季節は注意が必要です。
体を温める効果を得るには…?
生姜を使って体を温める効果を得るには、「加熱」か「乾燥」が必要です。
生姜に含まれる加熱成分は、加熱したり乾燥したりすることによって、「ショウガオール」や「ジンゲロン」といった、体を温める作用を持つ成分に変わります。
たとえば煮物に生姜を入れる場合、加熱時間が長いほどこういった成分は増えて、その後冷えたとしても減ることはありません。
また市販の生姜パウダーはすでに乾燥されているので、そのまま使うことができます。
体を温めたいか冷やしたいか、シチュエーションに合わせて生姜をうまく使っていくのがおすすめです。
なお、特に乾燥生姜パウダーは発汗作用が強いので、もともと体にほてりのある人は注意して使用を。
そしてもちろん、妊婦さんや持病のある方を含めて、摂り過ぎには注意をしてください。
生姜湯は理にかなっていた!
生姜湯は明治時代にはすでに、民間療法として「風邪のひき始めに飲むと良い」とされていたと考えられます。
私たちがすでに100年以上もお世話になっている生姜湯は、現代の科学に照らし合わせても、とても理にかなっていたということなのですね。
■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。