アク抜き必要なし!意外と気軽に食べられる山菜を野菜ソムリエが解説
- 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>
春になると一般的なスーパーでも山菜が売られることが多くなりますが、山菜って調味が難しそうだし、アク抜きが必要で面倒そう……そんなイメージがあるかもしれません。
しかし実際には、アク抜きが必要ない山菜も多く、意外と気軽に食べられる食材。
今回は、野菜ソムリエ・植松愛実が初心者さんにもおすすめな山菜をご紹介します!
「とりあえず天ぷら」でOK:タラの芽・ふきのとう
ほぼ全国的に流通している山菜であるタラの芽とふきのとう。
手に入りやすさと調理しやすさを兼ね備えたこの2つの山菜は、初心者さんにもっともおすすめです。
とはいえ、タラの芽もふきのとうも「アク抜きが必要」と聞いた記憶のある方もいるかもしれません。
実は、ふき味噌を作る際などはアク抜きする場合もあるのですが、天ぷらのように高温の油で揚げる場合は、軽く流水で洗うだけでOKなのです!
洗ったあとはどちらも茶色くなっている部分は包丁で切り取り、ふきのとうは手でつぼみを開いて、タラの芽は包丁で切って一口大に。
あとはもう普通の野菜を天ぷらにするのと同じように衣をつけて揚げます。
出来上がった天ぷらは、天ぷらつゆより塩の方が断然合います。
もしご自宅に岩塩があれば最高!
またタラの芽・ふきのとうに比べると出回る量は少ないですが、コシアブラも同じくそのまま天ぷらにして美味しい山菜です。
「茹でるだけ」で最強:こごみ
こごみは前述のタラの芽などと比べると知名度が低めですが、近年は都市部でも売っているのを見かけるようになりました。
こごみはとにかく茹でてマヨネーズをつけるだけで最強に美味しい山菜。
クセもなく子どもでも食べやすく、これだけ万人受けする山菜は他にないのでは、と思うくらい美味しいです。
くるんと丸まった部分に土が入っていることがあるので、ボウルに水を張ってこごみを入れ、しばらく放置して汚れを取り除いたら、沸騰した鍋たっぷりのお湯に小さじ1ほどの塩を入れて2分ほど茹でます。
あとは食べやすい大きさに切って、マヨネーズだけでも、鰹節&マヨネーズでも、味噌&マヨネーズでも。
シンプルだけど美味しくて、農家の皆さんがよく食べている方法でもあります。
マヨネーズは苦手orカロリーが心配という人は、塩をひとつまみ振るか、からしや粒マスタードでも美味しいです。
もはや「生でも食べられる」:ウド
ウドの白い部分は、生でも食べられます。
地面に生えている状態のとき白い部分はすべて地中に埋まっていて、太陽の光を浴びていないのでアクも少なくとても柔らかいのです。
皮を剥いて薄くスライスして、サラダに入れてもいいし、ゴマ和えでも酢の物でも。
アスパラなど他の春野菜と一緒にピクルスにしても美味しいです。
もちろん加熱しても美味しいので、定番のきんぴらのほか、エビなどと一緒に中華炒めにしても合います。
余裕があれば皮を捨てずに細切りにしてきんぴらにすれば日持ちする常備菜になります。
今しか味わえない「春の味」を楽しんで
今回はアク抜きの要らない山菜の中でも特に流通量が多いものを中心にご紹介しましたが、他にもウルイやミズなど、主に道の駅や地方のスーパーで売っているものでアク抜きの要らないものがまだまだあります。
さらに、アク抜きが必要な山菜にももちろん美味しいものが沢山。ふき(ふきのとうが成長したもの)、わらび、ぜんまい、よもぎ……、どれも唯一無二の香りと旨味を持つ山菜たちです。
ぜひ今しか味わえない「春の味」にトライしてみてください!
■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。