野菜のイメージ

新じゃが、新玉ねぎ、新ごぼう、新しょうが…旬はいつ?違いは何?野菜ソムリエが解説

2024/03/14
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

春から初夏にかけては「新〇〇」という野菜がよくスーパーに並びますよね。
新じゃが、新玉ねぎくらいまでは何となくわかっても、新ごぼうや新しょうがあたりまで来ると、ふつうのごぼうやしょうがと何が違うのか、いつ頃が旬なのか、ちょっと自信がないという人が多いかと思います。

今回は、野菜ソムリエと気象予報士の資格を持つライター・植松愛実が、今ぜひ食べたい旬食材のうれしい特徴を解説します。

意外と守備範囲が広い!新じゃが

じゃがいも

通常のじゃがいもは夏の終わり~秋に収穫されますが、新じゃが(新じゃがいも)は、植え付けの時期をずらして冬の終わり~初夏に収穫されます。

冬の終わり~初夏って、もはや1年の半分近い期間ですよね。
じつは、九州産の新じゃがは冬の終わり、次いで静岡産が春、さらには関東産が初夏に出回るため、かなり長い期間、新じゃがを楽しめるのです。

通常のじゃがいもと違って乾燥の工程を経ずに出荷されるため、みずみずしくてやわらかく、皮ごと食べられるのが特徴です。

どちらのタイプがなじみ深い?新玉ねぎ

玉ねぎ

新じゃがは通常のじゃがいもと収穫時期や工程が違うだけですが、新玉ねぎはどうでしょうか。
じつは、通常の玉ねぎを乾燥させていないだけのものと、そもそも品種が違うものの両方があります。

通常の玉ねぎは、「黄玉ねぎ」と言って、球体に近い形をしたタイプ。
一方で、新玉ねぎは「黄玉ねぎ」を乾燥させずに出荷したものもあれば、「白玉ねぎ」と呼ばれる平たくつぶれた形をしたタイプもあります。

いずれの場合も、みずみずしくて辛味が少なく、生でも食べやすいのが特徴。
出荷時期は春~初夏が中心で新じゃがよりやや短いですが、静岡県など新玉ねぎの一大産地に近い地域では1月頃から出回ることもあります。

アクが少ないのがうれしい!新ごぼう

新ごぼう

ごぼうの旬は秋~冬ですが、ごぼうが成長しきる前の春~初夏に収穫されるのが新ごぼうです。

新じゃが・新玉ねぎに関しては乾燥の工程を経ているかどうかが重要でしたが、新ごぼうは完全に成長しきっていない、若いごぼう。
通常のごぼうよりもやわらかくてアクも少なく、色も白っぽいです。

薄くスライスしてサッと火を通すだけで食べられますし、炊き込みご飯にするとさわやかな風味が楽しめます。

じつはハウスものだった!新しょうが

新しょうが
apiwatt/gettyimages

「新〇〇」シリーズのなかでも知名度が低めの新しょうが。
しょうがは通常、収穫されてから土がついたまま2カ月ほど保管されてから出荷されるのですが、この工程を経ずに出回るのが新しょうがです。

スーパーで新しょうがを買ったことがある人は、新しょうがに夏のイメージがあるかもしれません。
じつは本来の収穫時期は秋なのですが、現在では夏に収穫できるハウスものが主流なのです。

新しょうがは通常のしょうがと比べて皮が薄くて繊維もやわらかく、さわやかな風味が特徴。
通常のしょうがは生で食べるのが苦手…という人も、新しょうがなら食べられるかも。

新しょうがは酢漬けにすることが多いですが、初めて買う場合いきなり時間のかかる酢漬けはハードルが高いと思いますので、スライスしていつもの肉料理や魚料理に加えたり、すりおろして炭酸飲料に少し入れたりしてもおいしいです。

季節や地域ごとの新モノを楽しもう

日本では古来から季節の食べ物が大切にされてきて、しかもその季節の最初に手に入る「新モノ」は重宝されてきました。
現代ではハウス栽培や品種改良によって1年中食べられる野菜が増えてきましたが、それでもやはり「新モノ」は格別。

今回ご紹介した「新〇〇」はスーパーで手軽に買えるものばかりですから、ぜひ季節や地域ごとの旬の味を楽しんでください。

計算中