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あの苦味やえぐみには名前があった!春野菜を賢く味わいつくすコツを野菜ソムリエが解説

2024/02/14
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

菜の花やタケノコ、そして山菜の仲間など、春に旬を迎える野菜には独特に苦味やえぐみがありますよね。
じつはこういった苦味やえぐみには、ひとつずつちゃんと名前があり、体にうれしい効果のある栄養素たちです。

でも、苦すぎるのは食べづらいし、できるだけ苦味を避けながら、うまい具合に栄養素のプラスの部分を利用したいところ。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターの資格を持つライター・植松愛実が、春野菜を賢く味わいつくすコツを解説します。

じつはポリフェノールの仲間!ふきのとうの「フキノール酸」

ふきのとう

ふきのとうの苦味成分を構成するのは、「フキノール酸」などのポリフェノールの仲間の物質です。
ポリフェノールは皆さんご存じのとおり、抗酸化作用があり、腎臓や肝臓の機能を高めてデトックス効果が期待できたりと、うれしいことが多い栄養素。

とはいえ苦すぎるふきのとうはちょっと…という人が多いと思いますので、お店でふきのとうを買うときは、つぼみの先端ができるだけ開いていないものを選びましょう。
つぼみが閉じている状態のものを買ってきて、天ぷらなど調理に使う際に手で優しく開くのがおすすめです。

食べ合わせでえぐみを減らそう!タケノコの「チロシン」

たけのこ

タケノコには独特のえぐみがありますが、その正体は「チロシン」という栄養素です。
疲労回復や、自律神経をととのえるのに役立つ物質で、ストレスの緩和にもつながると考えられています。

ただ、いくら体によい物質でも、えぐみが強いのは何とかしたいですよね。
そこで、カルシウムを多く含む食材と一緒に取ると、えぐみを感じにくくなるのでおすすめ。

カルシウムが豊富な食材で、タケノコと一緒に調理しやすいのは、わかめや油揚げなど。
タケノコの定番料理のひとつに、わかめと一緒に煮る「若竹煮」がありますが、じつは理にかなった食べ合わせだったのですね。

春にぴったり!菜の花の「イソシアネート」

菜の花

菜の花に代表されるアブラナ科の野菜には、「イソシアネート」という辛味成分が含まれています。
菜の花は単に「苦い」というより、ちょっとツンとした苦味と辛味の間のような味わいがありますが、これはイソシアネートを含むため。

イソシアネートは前述のポリフェノール同様、抗酸化作用や免疫力アップに優れているほか、新陳代謝を高めてくれるので、体の機能が落ちやすい春にぴったりの栄養素です。

菜の花の苦味は油と一緒に取ることで感じにくくなるので、肉(豚・牛・鶏ともに相性OK)と一緒に炒めたり、ごま油を使ったナムルにしたりして、苦味をおさえながら栄養をいただきましょう。

ちょっと食べにくいかも?という春野菜も味方に!

食事をする女性

春野菜は独特の風味があり、ちょっと食べづらく感じる人もいるかと思いますが、選びかたや調理法を工夫することでぐんと食べやすくなります。

春にぴったりの栄養素もたくさん含まれているので、ぜひ春野菜を味方につけて、おいしく健康にすごしたいですね。

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。

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