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春野菜の「もったいない」調理、やっちゃってない!?栄養とおいしさを逃さないコツを野菜ソムリエが解説

2025/03/04
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

春先から初夏にかけて出回る新じゃがやスナップエンドウなどの春野菜は、みずみずしい食感やほんのり甘い味わいが人気ですよね。春野菜は栄養価が高いことも知られていますが、じつはその栄養とおいしさを損なう調理法をやってしまっている人もいるかも!?

今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクターの資格を持ち、作り置きの出張料理人としても活動するライター・植松愛実が、春野菜のやりがちな「もったいない」調理法を解説します。

1.新じゃがのビタミンCを逃したくない!

じゃがいも

意外に思われるかもしれませんが、じゃがいもはビタミンCが豊富な野菜です。しかも加熱時にビタミンCがデンプンに守られるため壊れにくいという、うれしい特徴も。

皮ごと食べることができる新じゃがの季節は、じゃがいものビタミンCを逃さずいただけるチャンス!ただ、加熱の方法に気をつけましょう。

じゃがいもを長時間加熱したり、あるいはカットしたり皮をむいてから加熱すると、栄養を逃しやすく「もったいない」調理になってしまいます。たとえばポテトサラダを作る場合などは、丸ごと加熱してから皮をむくなど、順番を工夫してみてください。

2.スナップエンドウを水っぽくさせたくない!

スナップエンドウ

ゆでたスナップエンドウのほんのりした甘さとやわらかい食感は、まさに春!といった感じですが、噛んだ瞬間に水が出てきてしまうなど水っぽい仕上がりだと、おいしさも半減してしまい、もったいない!

スナップエンドウを水っぽくさせないためには、調理の順序が重要。ヘタやスジを取る前に茹でて、粗熱が取れてからヘタやスジを取り除くのがおすすめです。

また、加熱時間は短くてOK。もともと生でも食べられる野菜なので、1分程度の加熱でもやわらかくなります。ゆでたあとはザルにあげて冷まし、水に浸さないようにしましょう。

3.春にんじんの美肌効果を最大化したい!

にんじん

にんじんに豊富に含まれるβカロテンは、皮膚や粘膜を保護する働きがあり、美肌にうれしい栄養素としても知られていますよね。ただ、その栄養を最大限いただくためには、いくつかコツが必要です。
まず、生で食べる際は、「皮ごと」かつ「油と一緒に」が重要!

にんじんに限らず、多くの野菜は皮ぎりぎりのところに栄養や香りの成分が多いため、皮をむいてしまうとそれらも一緒に捨ててしまうことになります。ちなみに春にんじんであれば皮がみずみずしく食べやすいので、「皮ごと」でもおいしくいただけます(なお、正確には、にんじんの"本当の皮"は出荷の際に落とされてしまっているので、私たちが"皮"だと思っている部分はもともと食べられる部分です)。

「油と一緒に」というのは、βカロテンが油に溶けやすく、油と一緒に食べるほうが吸収がよくなるため。オリーブオイルやゴマ油、ドレッシングなど、お好みの油類を使って和えてみてください。

一方、βカロテンはしっかり加熱することでも吸収がよくなるので、皮ごと油で炒める調理もおすすめ。煮込み料理にする場合は、仕上げにオリーブオイルを少し垂らすのもいいですね。

4.菜の花の苦味を簡単に減らしたい!

菜の花

春の風物詩とも言える菜の花は、日本に住んでいるなら春のうちに一度は食べたいと思いつつ、独特の苦味が気になる人もいますよね。でも、苦味を軽減するために長時間ゆでたり、思いきり濃い味つけにしたりすると、菜の花本来の味も香りもなくなってしまい、もったいない!

そこでおすすめなのが、味つけに油類を使う方法です。たとえば、おひたしにゴア油をちょっと足したり、あるいは韓国海苔のように油を含んだ食材を加えたりすると、簡単に苦味が軽減できます。

そのほかオリーブオイルやタルタルソース、さらには粒マスタードソースにも油は入っているので、料理の種類によってお好みの調味料を足してみてくださいね。

春野菜の味も香りも栄養も堪能しよう!

春野菜は単においしいだけでなく、ほかの季節にはない風味や香りを楽しめたり、また栄養豊富な野菜が多かったりなど、うれしい点がいっぱいですよね。
ぜひ味も香りも栄養も堪能できるコツをおさえて、春を味わいつくしてください!

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。

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