【防災】「もしも」のために「いつも」備える!一番簡単にできること

2023/03/01
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

毎年3月11日が近づくとテレビで防災特集が組まれたりネットニュースにも防災記事が増えたりして、「うちもそろそろ備蓄しなきゃ」と思うものの、なかなか重い腰が上がらない……そういう人も多いのでは。
そんな時は、一番簡単なことから始めましょう!
今回は、各地で防災講座の講師も務める筆者・植松愛実が、無理せず備えるためのコツを解説します。

「好きなものを1つ多く買う」だけ!

普段買っている、お菓子や缶詰やジュースといった常温で保存できる加工食品。
それらのうち、何でもいいので好きなもの1種類だけ、1つ余分に買ってみましょう。
自分自身が好きなものでも家族が好きなものでもOK。
あとはそれが1つ減るたびに買い足して、常に1つ余分に家にある状態を保ちます。
これだけ!?と思われそうですが、本当にこれだけです。

はじめのうちは余分に買った分だけ余分に食べてしまったり、しまう場所が安定しなかったりといったこともあるとは思いますが、多少の失敗は気にせず続けることを優先しましょう。
実はこれは、「ローリングストック」と呼ばれる、普段から食品を買っておいて使った分だけ新しく買い足していく備蓄方法を、ごくごく簡単にアレンジしたもの。

ちなみに「ローリングストック」を本格的にやろうとすると買い物計画も収納方法も色々変える必要があるのでちょっと根気が要りますが、とても優れた方法であることは間違いないので興味のある方はやってみてください!

「好きなもの」の力

「何でもいいから好きなものを1種類」と言われても、お菓子などより非常食の方がいいのでは……?と思うかもしれません。
もちろん理想はそうなのですが、私が「好きなもの」を推すには大きく2つの理由があります。
1つは、とにかく取り組みやすいこと。
非常食も最近は美味しいものや親しみやすいパッケージのものが増えていますが、それでも慣れていないとどれを買えばいいか、どれが好みの味か、わからない人の方が多いと思います。
それに引きかえ「いつも食べている好きなもの」であれば迷う必要もなく、今すぐに始められます。

もう1つの理由は、「好きなもの」は元気をくれること。
地震でも水害でも、被災するって精神的にしんどいものです。
そんな時、単純に栄養素やカロリーを補給できるだけでなく「元気」を補給できる好きな食べ物の存在は、想像以上に頼もしいもの。
どうしてもイライラしてしまったり、思考停止してしまいがちな精神状態を助けてくれると思うのです。

とにかく「無理しない」のを徹底!

政府HPの防災関連ページを見ると、必要な備蓄量として次のように書かれています。

食料・飲料・生活必需品などの備蓄の例(人数分用意しましょう) ・飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安) ・非常食 3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど ・トイレットペーパー、ティッシュペーパー・マッチ、ろうそく・カセットコンロ など

結構多いな……というのが一般的な感想だと思います。
これを家族人数分っていくらかかるんだろう?とか、どこにしまおう?とか、考えるだけでちょっとしんどいなぁというのが正直なところではないでしょうか。

もちろんすべて常備できるのが理想ですが、急に完璧にやろうとして挫折してしまうよりも、まずは「好きなものを余分に買う」という誰でもできそうなことから始めてみましょう。
防災は一生付き合い続けるものですから、とにかく無理は禁物!
精神的にも経済的にも無理せずやれることを優先してやってみましょう。

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。

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