かすむ景色

黄砂が飛んだら何すればいい?やりがちなNG行動とは⁇対策が必要な理由を予報士が解説

2024/02/12
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

春になるとよく、ニュースや天気予報で黄砂の話題を耳にするようになります。

例年2月頃から飛来する頻度が増加し、4月頃にピークを迎える黄砂。
黄砂の飛びやすい時期は花粉シーズンと重複するため、すでにマスクをしたり、洗濯物を取り込む際に払ったりして対策をしているから大丈夫…という人も多いと思いますが、黄砂は花粉とは決定的に異なる注意点があります。

今回は、気象予報士・防災士の資格を持つライター・植松愛実が、黄砂が飛びやすい今の時期にやるべきことをまとめます。

払っても取れない!やっかいな「ガラス質」の砂

洗濯する女性

黄砂は、大陸にある広大な砂漠付近で低気圧が発達することによって巻き上げられた細かい砂が、偏西風という風に乗って日本まで運ばれてくる現象です。
この「砂漠の砂」というのが重要で、通常の砂と比べてガラス質の成分を多く含んでいます。

鋭いガラス質の砂は布地の繊維に入り込みやすく、洗濯物に付着してしまうと、花粉と異なり手で一生懸命払ってもなかなか取れないのです。
そのため、黄砂が予想されている日はあらかじめ洗濯物を部屋干しするのがおすすめです。

車についたら「たっぷりの水」が必須

黄砂で汚れた車

前述のように黄砂にはガラス質の砂が含まれているため、モノをキズつけやすい性質があります。

そのため、車についた黄砂をふき取ろうとすると、車にキズをつけてしまうことがしばしば…。
車についた黄砂は、「拭き取る」のではなく水で「洗い流す」必要があります。

このとき、使う水の量が少ないと十分に洗い流せなかったり、水とともに使うブラシなどで結局キズつけてしまったりするので、とにかく「たっぷりの水」を使うのがポイントです。

花粉よりは少ないけど…

胸を押さえる女性

花粉は自分の住む都道府県か、あるいは隣県から飛んでくるものなので、花粉と比べて遠い大陸から運ばれる黄砂はもちろん量が少ないと言えます。

ただ、花粉よりも粒子が小さいため、吸い込んだあとに末梢の器官や肺まで到達しやすく、またさきほどから説明に登場している「ガラス質の砂」はそれらをキズつけてしまうこともあるのです。

そのため、できるだけマスクをするなど対策をして吸い込まないようにするのがおすすめです。

今や予測可能!春は黄砂の情報を確認して

黄砂予測図
黄砂予測図の例(気象庁HPより)

じつは黄砂は、突然やってくることはありません。
なぜなら大陸の砂漠から数千kmを旅してやってくるので、出発してから日本に到達するまでに時間がかかり、その間に「いつ・どこへ・どのくらい飛来しそうか」を予測できるためです。

しかも、日本と中国との間には朝鮮半島がありますから、韓国の気象機関による観測で実際にどのくらいの濃度で飛来したかがわかり(データはリアルタイムで国際的に共有されます)、かなり確度の高い予測が可能です。

そのため、日々の天気予報を見ていれば、黄砂に不意打ちされずに対策が可能。
テレビでもネットでもOKなので、これからの時期は黄砂の情報をチェックして生活や家事に活かしましょう。

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。

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