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【花粉シーズン】換気とエアコン使用、どうする?よくある悩みと勘違いを気象予報士が解決!

2024/02/07
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

毎年花粉シーズンを迎えると、窓を開けて換気をしたりエアコンを使ったりすることで、家の中に花粉を取り込んでしまうのでは…と躊躇する人も多いのではないでしょうか。
でも花粉シーズンの間ずっと換気をしないというのも難しいですし、そもそもまだ寒い時期なのでエアコンを使わないのも大変ですよね。

今回は、気象予報士・防災士の資格を持つライター・植松愛実が、換気やエアコンに関するよくある悩みと勘違いを解決します!

換気は「10センチ」×「レースのカーテン」で!

窓

花粉シーズンは同時にインフルエンザなどの感染症も防ぎたい時期ですから、やはり換気をやめるわけにはいきません。
そんなときは、窓を開ける幅を10センチにして、レースのカーテンだけ閉めた状態で換気するのがおすすめ。

環境省の実験データによると、この状態で換気をすれば窓もカーテンも全開にして換気する場合と比べ、花粉の流入量を1/4に減らせるとのこと(環境省『花粉症環境保健 マニュアル 2022』より)。

もちろんレースのカーテンは定期的に外で払ったり洗ったりすることが必要にはなりますが、流入量1/4という少なさは圧倒的に魅力です。

エアコンはそこまで"悪者"じゃない

エアコンをつける女性

エアコンは室外機をとおして外の空気とつながっているので、エアコンを使うと外の花粉が室内に入ってきてしまう…そう思っていませんか?

でもよく考えてみてください。エアコンの役割はそもそも、部屋の中の空気を吸い込んでそれを暖かくして(冷房使用時は冷たくして)再び室内に吐き出すこと。
つまりエアコンから吐き出された空気は、温度が変わっただけで、もともと室内にあったものです。
この「温度が変わる」際に、室外機によって外から取り込んだ「熱」を使っています。

もちろん流入する花粉がゼロというわけではありませんが、人が帰宅時に外から持ち込んでしまう花粉の量と比べたら微々たるもの。
エアコン使用をがまんするほどのレベルではありません。

エアコンを使うと花粉症対策になることも

空気清浄機とベッド

花粉シーズンは空気清浄機の集塵(しゅうじん)機能を使って室内の花粉を除去しようとする人も多いと思いますが、空気清浄機はエアコンと組み合わせて使うとより効果的です。

メーカーによって多少の違いはありますが、空気清浄機はだいたいの場合、本体の前面か側面から空気を取り込んで、上面からきれいな空気を出すパターンが多いです。
つまり部屋の空気がぐるぐる循環している状態だと効率よく働くということ。

エアコンはがまんせず使ったほうが空気が循環しやすいので、空気清浄機の本来の機能を助けてくれるのです。

正しい対策で少しでも花粉シーズンを快適に

花粉シーズンはただでさえストレスが溜まるのに、エアコンや換気までがまんしていると余計につらいですよね。
室内への花粉流入は玄関と洗濯物が圧倒的に多いので、メリハリをつけて対策すると、効果も上がりますし負担は減ります。

各地で4月頃まで続く花粉シーズン、少しでも快適に過ごせるよう工夫していきましょう。

参考文献

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。

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