【秋田土産】びよ~んと伸すぎ!モッチモチがたまらない「バターもち」はマタギ発祥のソウルフード
- 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>
秋田県に「バターもち」という郷土菓子があります。
米粉や小麦粉、バター、砂糖などでつくられた、やわらかいお餅のようなお菓子で、モチモチの食感とやさしい甘さが特徴で、お土産屋さんで販売されているのはもちろん、地元の人も食べるのスーパーにも並んでいます。
この「バターもち」、じつはクマなどの狩猟にかかわる歴史あるお菓子でもあります。
今回は、東北在住経験があり、東北地方の180市町村を回ったことがあるライター・植松愛実が、一度食べたらやみつきになる秋田土産をご紹介します!
どこまで伸びる⁉もちもち感がたまらない!
「バターもち」の特徴は、なんといってもモッチモチの食感。
持ってみた感じはお餅よりもマシュマロに近いくらい軽い感覚なのですが、ひとくち食べようと思って引っ張ってみると、びよ~んとどこまでも伸びるのです。
材料はメーカーによって異なりますが、米粉や小麦粉、バター、それに砂糖またはてんさい糖を混ぜあわせていることが多く、ほんのりやさしい甘さがあります。
どことなくなつかしい感じがして、ついついもうひとつ食べたくなる味です。
値段や内容量もメーカーによってさまざまですが、1箱だいたい数百円から、高いものでも1,000円以内くらいで売られています。
もとは「マタギのおやつ」
マタギというのは、東北を中心とした地域で伝統的な方法で集団で狩りをする人たちのこと。季節を問わず山に長時間入って狩りをすることが多く、体力も使う仕事です。
このマタギの携行食つまりおやつとして、持ち歩きができ、どの季節・どの時間帯でも固くならず、かつ砂糖やバターで腹もちするよう考えられたのが、「バターもち」の原型とされています。
寒さの厳しい秋田県の気候でもやわらかさを保てるわけですから、お土産として持ち帰ってももちろんモチモチ状態が持続しますし、栄養価も高くて大人も子どもも大満足のおやつです。
県内各地で買えます!バリエーションもさまざま
秋田の「バターもち」は、かなりの数のメーカーさんのバージョンがあり、それぞれ県内各地のお土産屋さんや道の駅、スーパーで販売されています。
今回ご紹介したような四角いものが多いですが、なかには三角形や小判型のものもあり、商品名も「もちもち三角」や「やわらかバター餅」などさまざま。
さらには小豆やチョコが入ったものや、キャラメル味のものまであります。
今回の記事で写真を掲載している「蕗月堂(ろげつどう)」のものは県南部の横手市内にあるイオンなど複数のスーパーに卸していて、JR横手駅の近くだと「アックスフーズマート横手駅前店」にもあります(ただ、一度に納品する数が少ないそうなので、どうしても買いたい!という場合は事前に問い合わせておくのがおすすめです)。
秋田の観光はエリアのねらいを定めて
秋田県は面積が広いだけでなく、主要な観光地がエリアごとに分散しているため、「今回は南部のほうに行こう」とか「この旅行は半島にしぼってみよう」などとエリアのねらいを定めて計画するのがおすすめです。
初めての秋田旅行にぴったりなのが、県の中央付近にある角館(かくのだて)を中心としたエリア。
角館は「みちのく小京都」とも呼ばれ伝統的な武家屋敷が並び、秋田の名産である稲庭(いなにわ)うどんや比内地鶏(ひないじどり)が食べられるお店もあり、最近はおしゃれなカフェも急増しています。
角館と同じ仙北(せんぼく)市内では日本一深い田沢湖の絶景も楽しめるほか、隣接する大仙市(だいせんし)は「大曲(おおまがり)の花火」で知られ、なんと真冬も含めて毎月打ち上げ花火大会が開かれます。
そのほか、約2000匹の生き物が泳ぐ大水槽が魅力の「男鹿(おが)水族館GAO」や「なまはげ館」がある男鹿半島エリアや、「横手のかまくら」で知られる県南エリアなどエリアごとの個性があり、一度秋田に行ったことがあってもまた新鮮な気持ちで旅をすることができます。
秋田県へは東京から秋田新幹線で行けるほか、県内2つの空港へは大阪や札幌など各地から便が飛んでいます。
■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。