下ネタ?!いいえ、人生哲学。笑って泣ける星野源の名作エッセイ

2020/03/02
  • 暮らしにまつわるあれこれを幅広く執筆するオールラウンダー。とりわけ北欧インテリア・家計・読書が好き。もっと見る>>

こんにちは。
これまで1,000冊以上の本を読んできた読書マニアのサンキュ!STYLEライターあやをです。

今回は、下ネタ満載!だけど実は人生哲学が詰まっている、星野源の名作エッセイをご紹介します。

よみがえる変態/星野源

仕事や生活など、周りで起きたことに対して”真夜中のテンションで哲学する連載”として2011年から女性誌「GINZA」に掲載されていた星野源のエッセイに、新たな書き下ろしが加えられた一冊。

舞台、映画、音楽、文筆など幅広く活躍してきた著者のものづくりのエピソードが満載な前半。打って変わって、後半は2012年にくも膜下出血で入院、手術した際の闘病生活のリアルが綴られる。

前半は「星野源、下ネタ多いわ!!」と思わず声に出してつっこみたくなるくらい、7割下ネタで展開されております。

とはいえ、ただの下ネタかと言われれば、それっぽく下ネタを「哲学」している感じがあり、そこはさすがだなと感心せざるを得ません。

ただ、あまりにも下ネタが続いてちょっと飽きてきたなあ...と思い始めたそのとき、くも膜下出血で倒れ入院、手術、再発、再手術、そして復活に至るまでの闘病生活の内容に切り替わり、そこからは読む手が止まりませんでした。

闘病系の読み物は悲しい内容のものが多いのですが、このエッセイは違いました。
良い意味で、悲しくない。

もちろん、物凄く苦しそうではあり、本当によくぞ助かった...と感動もするのですが、"この人になら殺されてもいいなと思える先生との出会い" "座薬を入れる可愛い看護婦さん"など、前向きで笑えるエピソードを中心に書かれていて、著者の”人を楽しませたい”という気持ちがひしひしと伝わってくる素晴らしい文章。

タイトル通り、死の淵から「よみがえった」3年間が飾り気なく綴られています。

「楽しいことも、辛いことも濃縮して味わった」という濃密な闘病生活の末に感じた生きる喜び、働く喜びには説得力があり、まさに笑いあり涙ありの充実したエッセイです。

普段本を読まない人にこそおすすめしたい「エッセイ」

普段あまり本を読まないという人には、ぜひ最初の一冊としてエッセイを手にとってもらいたい!最初は、自分が好きな人のエッセイでもいいし、タイトルに引かれたものを試しに買ってみるでもいい。

エッセイは、日常の些細な楽しさ、可笑しさ、そして憤りや悲しさが、ぎゅっと短い文章で語られています。それは、自身の生活にも置き換えられるような本当に「身近なこと」ばかり。

だから、分かる分かる!と共感できたり、時には「え、そんなことあるの?!」とゲラゲラ笑ったり。好きな人のエッセイなら「この人、こんな生活をしているんだ!」と知る喜びがあったり。

「読書」は、必ずしも小説を読まなければいけない!というわけではないので、なかなか本を読む機会がないというかたは、読書習慣の第一歩として、まずはエッセイを一冊読んでみるのはいかがでしょうか?

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◆記事を書いたのは・・・あやを
インテリアも節約も収納も料理もそこそこな肩書き迷子。強いて言うなら暮らしにまつわるあれこれを幅広く執筆する「暮らし」のオールラウンダー。お金好きが高じてFP2級を取得。暇さえあれば本を読んでいる読書家。Instagramでも定期的に読んだ本を紹介しています。

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