ついに糸が切れた‥。不登校寸前から長男を救ってくれたのは?~発達でこぼこっ子の「幸せな大人」に続く道⑥
こんにちは!休日に友達とおしゃべりできてホッと一息…のアラフィフ主婦、サンキュstyleライターのみい太です(^▽^)
「発達でこぼこっ子の「幸せな大人」に続く道」を読んでくださり、ありがとうございます!
前回で、1年2学期から通級学級に通い出したことで、少しずつ自信を取り戻していった長男のことを書きました。
ですが…
「もう疲れた。明日から学校絶対行かない。もう行けない。」
長男が学校から帰ってきたとたんにそう言って泣き崩れたのは、小3の3学期のことでした。
…その長男が、なんとか学校に戻ることができたのは、「在籍学校」「通級学級」「市の教育相談」が連携しての、長男に寄り添ってくれた支援のおかげでした。
ついに、ガマンの糸が切れ…。
1年生になってまもなく、ストレスで、家に帰ったとたんに大泣きするようになった長男ですが…。
1年の2学期から通級学級に通うことになり、一人ひとりに寄り添った指導で自己肯定感を育ててくれる先生方に支えられ、長男も「ここでならがんばれるよ!」と、少しずつ自信を取り戻していきました。
その後は、在籍学級の担任の先生とも相談をしながら、宿題の量を半分にするなどの支援を受け、もともと真面目でがんばりやの長男は、休まずに学校に通いつづけました。
「成長したね、がんばってるね!」と、担任の先生からも通級の先生からも言われるようになった、小3の3学期も残り少ないある日。
「もう疲れた。明日から学校絶対行かない、もう行けない。」
帰ってきたとたんに泣き崩れた長男。…彼のガマンの糸が、ついに切れてしまったのでした…。
パニックを起こしたように泣きじゃくる長男を見て、これはムリに行かせるべきではないと判断。
「お休みする代わりに、通級学級の先生に会いに行こう。どうして疲れちゃったのか、話を聞いてもらおうね。」と長男に伝え、次の日学校を休ませて通級の先生に会いに行きました。
※通級指導教室…
通級指導教室とは、通常の学級でふだんは勉強をしながら、週に何時間かだけ通って、その子に必要なこと…コミュニケーションや自己認知、ソーシャルスキルなどを個別や小集団で学ぶ場所です。
詳しくは 以下の記事に
学校に行けなくなった理由を整理。
そこでの本人の話、そして午後は母親の私だけで在籍学級の担任の先生に話を聞きにいき…その結果、次のようなことが見えてきました。
・国語、算数の授業について行けてない。特に算数では、ボーっとしていたり泣き出したりすることがある。
・友達のからかいを真に受けて、泣いたり落ち込んだりしている。いやがらせをする子もいる。
・担任の指示が、感情的だったり遠まわしだったりすることがあり、長男はそれについていけていない。
・以上のことでストレスをためていても、学校では誰かに伝えたり発散したりできずに、ガマンし貯め込んでしまう。
直接、学校に行けなくなったきっかけも、あの日
「担任の先生に、給食当番の白衣の着方を注意されたときに、『そんなだらしないなら当番しなくていいですよ』と言われ、言われたとおりに白衣を脱いで座っていたら、叱られてしまった。」
…ということがあったのだそう。
今までガマンしてガマンして、がんばって張りつめていた糸が、それで切れてしまったのでしょう。
その後、5日間ほど学校を休み、午前授業となった数日は何とか登校して、そのまま春休みになりました。
その間、通級の先生・在籍校の副校長先生・担任の先生と面談を行い、勧められて市の教育相談を受けることになったのでした。
市と学校の連係プレーのおかげで
教育相談からのアドバイス
教育相談では、担当の臨床心理士の先生がとても良い方で…親身になって話を聞いて下さり、長男の困っていることについて、適切なアドバイスをいただきました。
例えば、
●自分の感情を自覚し、泣いたりパニックになったりする前に、誰かに伝えてクールダウンすることを目指す。
<長男と家庭の取り組み>
「聞いて下さい」カードや「休ませてください」カードを作り、先生に見せられるようにする。
<学校の取り組み>
先生の間で共通理解、クールダウンできる場所の用意。
●指示は短く、端的に。活動の前に、どんなことをするのか見通しを持たせる。視覚的指示の活用。
<長男と家庭の取り組み>
学校での活動や学習をどうやったら無理なくできるか、家で事前に話し合っておく。
家での生活を、見通しを持って過ごせるように、スケジュールカードを作る。
<学校での取り組み>
テストや特別な活動は、前もって保護者へ連絡しておく。
漢字テストは、苦手な「書き」はなくして「読み」だけにしてもらう。
算数では、式をたてられたらOK。計算は電卓の使用を許可する。
…以上の内容を、教育相談の先生から在籍校の担任の先生へ、直接伝えてくださったことが、何よりありがたく心強かったです。
在籍校・通級学級との話し合い
長男が小4になったタイミングで、担任の先生と校長先生が代わりました。
新しい担任の先生とは、連絡帳でのやりとり、そして私がPTA役員でちょくちょく学校に顔を出した際にお話をさせていただくなどしていました。
最初に「宿題を泣くほど嫌がるのですが…」と恐る恐る言ったところ、
「みんなと同じ内容じゃなくても、〇〇くんなりのできることをがんばればいいんですよ!」
と明るい言葉をいただき、ホッと肩の力が抜けたのを覚えています。
そこで、長男が取り組める学習として、
・新出漢字の読みを、単語カードで練習する。
・タブレット学習
・2~3問の算数問題か 漢字練習
を、連絡帳を兼ねた1冊のノートで報告する形にしました。
勉強に苦手意識が強い長男は、何枚もプリントがあったり、国語と算数…というようにいくつも宿題があると思うと、それだけでパニックになってしまっていました。
そこで、1冊のノートにまとめたことで、負担感が減ったようです。また、書くことがニガテな長男にとって、字を書かずに勉強できる単語カードやタブレット学習はとても有効でした!
これらの実現を後押ししてくれたのが、通級学級の先生でした。
彼の学力や必要な支援について、担任の先生に折にふれて連絡をしてくれていたのです。また、担任の先生との保護者面談にも同席してくれました。
胸に響いた校長先生の言葉…。
新しい校長先生は、特別支援について、とても理解の深い方でした。
学校公開の際に、私が思い切って校長室のドアをたたき…長男の抱える困り感について相談をさせていただきました。(担任の先生に事前に了承をいただいて)
すると、すぐに担任・校長・保護者での面談の機会を設けてくださったのです!
算数では基礎クラスでもついていけずにしんどそうだ、という話を聞いた校長先生は、
「校長室で彼に合ったプリントでも用意して、個別学習すればいいよ。私がいるときは見てあげるし、いないときは職員室の誰かに声をかけるから。」
と言ってくださったのです!
この個別学習の時間ができたことによって、彼がそのときに必要だった小1・2レベルの基礎学習をじっくりと積み重ねる時間ができたのでした。
…それまでは、わからないままにどんどん勉強が進んで行くので、基礎が身についていない状態では理解もかなわず…わからない、という劣等感を抱えたまま、授業に出ていなくてはならないのは、本当に辛い辛い時間だったのだと思います…。
あるときの面談で校長先生がおっしゃった言葉を、私は今も忘れません。
「彼は、とても一生懸命だよ。そして、とても豊かな発想力と、人へのやさしさを持っている。
そんな彼がね、学校ではつらい思いをしているとのを見ているとね…。
彼のよいところだけはつぶしたくないよね、守っていきたいよね。」
このような素晴らしい先生方に恵まれ、その支えがあったからこそ、長男は学校に通いつづけることができたのでした。
だからこそ、私も、学校に任せきりにしたり責任を追及したりするのではなく、
「先生方と共に協力して子どもを支えていきます!」
という姿勢で積極的に先生方とコミュニケーションを取り、感謝を伝えるようにしていました。
…長男の抱えていた「困り感」とは、なんだったのか。この頃分かったのが
「学習障害」
ということでした。
また別の機会に、お話をさせてください!
~読んでくださりありがとうございました~
**掲載の体験談は個人の感想です**
**この体験談は、我が家と長男の場合です。挙げている事例は、すべてそのまま発達障害につながるものではなく、ケースバイケースであることをご理解ください。**
■書いたのは…サンキュ!styleライター みい太
大食漢のダンナさんと中2&小5の食べ盛り男子を満足させるのに悪戦苦闘!教員と保育士の資格を活かして子育て支援の現場で働きながら、手抜き&時短をモットーに日々のごはん作りを楽しんでいます。
元サンキュ!トップブロガー 公式サンキュグラマー
発達障害をもつ子どもを絶賛子育て中!
同じように発達障害児育児に奮闘している親御さんたちの共感と情報交換の場所となる支援団体を主宰しつつ、子育て支援をしたいという夢に向かって修行中です!
元小学校▪特別支援学校教員 保育士
発達サポーター
発達障害コミュニケーション初級指導者
ペアレントプログラムトレーナー