長男を苦しめた「学習障害」とは?~発達でこぼこっ子の「幸せな大人」に続く道⑦

2020/01/26
  • 2人の食べ盛り男子の母。子育て支援の現場で働きながら手抜き&時短のごはん作りを楽しんでいます。もっと見る>>

 こんにちは!土日は仕事が進まないので、夜になってからパソコンとにらめっこのアラフィフ主婦、サンキュstyleライターのみい太です(^▽^)

 「発達でこぼこっ子の「幸せな大人」に続く道」読んでいただき、本当にありがとうございます!

 紆余曲折を経て普通級でがんばりながらも、小3の3学期に糸が切れたように学校に行けなくなってしまった長男…。
 なにがそんなに彼を苦しめてるの?疲れさせているの?
 
 その答えの一つが、「学習障害」でした。

長男は、何に困っているんだろう…?

  入学して間もなくから、「宿題を泣いていやがる」「漢字をなかなか書けるようにならない」「繰り上がり繰り下がりの計算がとても疲れる」など、勉強に対して苦手がとても強く見られた長男。

 授業で失敗をくり返しながらも、なんとか頑張ろうとするので、学校から帰ると疲れてグッタリ。そして「ぼくはダメだ、最低だ!」とパニックのように大泣きする日々がずっと続いてました。

 …でも、入学前の検査では、項目ごとのデコボコが激しいながらもIQは平均以上と言われ、「通常級で十分やっていけるでしょう」と言われていました。
 また、大好きなこと…生きもののことや科学のことの知識は、一度見聞きしただけでも覚えてしまうほど記憶力の高い長男。

 …なのに、どうして「読む」「書く」「計算する」がこんなにできないんだろう?

 私たち親は、長男が学習で困る理由がわかりませんでした。
 できるようになるのに時間がかかるだけ?それなら、少しずつでも練習させるしかないのかな?
 そう思い、泣いていやがる長男に、
「量を減らしてもらってるんだから、がんばりなさい!」
「練習しないと、できるようにならないよ!!」
と、きつく叱りつけて勉強をやらせることもありました。
 
 …お恥ずかしい話ですが、勉強を見ている私自身がかなりイライラを募らせ、長男にきつく当たったことも、たくさんあり…。「あのころは誰も助けてくれなかった」と後に語った長男が、この頃どれほど辛かったか…。思い返すと胸が苦しくなります。

 

読み書きは、練習すれば誰でもできると思っていた。でもちがった。

 でも、長男には、どんなにがんばっても努力が報われない理由が、ちゃんとあったのです。

 一つ目の転機は、小3の頃。通級学級の先生にこう言われました。
「この子は、目の動きがよくないように見えます。本を読む時でも目で文章を追えていないので、読み飛ばしをしているように思います。
一度、視覚認知の検査をしてもらってはどうでしょうか?」

 え?視覚に問題があるの?先生の指摘を受けた私は、ドキッとしました。
 実は長男は上下斜視があり、小学校に入る前に、2回外科手術をしていたのです。そういった経緯で半年に一度は眼科で検診を受けていたのですが、
「視力は順調に育ってます。」と言われ、特に心配をしていなかったので、まさか…という気持ちでした。

 でも、長男を少しでも楽にしてあげたい一心だった私は、視覚認知の検査をしてくれる病院を調べ、長男を連れていきました。

 結果…
「両眼視ができていないため、モノが立体に見えていない」
「動いているものを目で追ったり、視線をジャンプさせて交互に見たりといった目の動きに迷いがあり、正確さに欠ける」
「目で見た情報に基づいて手を動かしたり、空間や方向を認知したりする力に苦手がある」
といったことがわかったのです。

 これらが苦手だということは、
「文章を読む時に、文字を追えない、読み飛ばしてしまう」
「枠の中にキレイにおさまるように字を書く」
「黒板に書いてある字を目で追いながら、それをノートに書く」
「漢字の形を空間的にとらえて、そのとおりにノートに書く」
という、学校の勉強では基本のことができない、ということだったのです。

 このことがわかり、その苦手を少しでも克服するための「ビジョントレーニング」というものを始め、少しずつ成長が見られてきました。

 それでも、学力の差はどんどん開いていき…小3の終わりごろには、ついに疲れ切ってしまったのです。

 そこで市の教育相談にすすめられ、さらに詳しい検査を行い…2度目の転機がやってきました。
 長男におりた診断は、「学習障害」だったのです。

「学習障害」とは?

学習障害脳
carlacastagno/gettyimages

 学習障害も、発達障害の一種で、生まれつきの脳の特徴です。

 「知的な遅れや視聴覚の障害がなく、教育環境も整っており、また本人の努力にも問題がないにもかかわらず、「読み書き」や「計算」など特定の領域で学習の遅れが見られる状態を指します。」
(参照:国立精神・神経医療研究センター「学習障害とは」より)

 そのとき受けた検査の所見には、

「ワーキングメモリ(作業や動作に必要な情報を一時的に記憶し、処理する役割を果たし、日常のあらゆる作業を進めるうえで必須の機能)の弱さが、「聞く」ことを通じた理解・学習の困難をもたらしていると考えます。」

「処理速度の低さにより、学習にかかわる作業(字を書くなど)で必要な効率を得られないことも、習得の遅れにつながっていると思われます。」

「そのために本児は、学習において、本来持っている理解力や思考力を十分に発揮できず、
努力をしても定着がすすまない状態にあると考えられます。」

と書かれていました。

 いちばん私にとってショックだったのが…
「学習に関する失敗経験が蓄積されたことが、苦手意識と拒否感を強め、心や身体に二次障害をもたらしたと考えられます。」
と書かれていたことでした。

 本人ががんばってもできないことに、あんなに悩み苦しんでたのに、私はそれを理解しきれず、逆に追い詰めてしまったんだ…。

 めちゃくちゃ落ち込みましたが、いちばん辛いのは長男です。私が落ち込んでいる場合ではありませんでした。

 では、どうしたらいいんだろう?少しずつ道を探り始めました。
 そのお話は、また次の機会に…。


※学習障害の中でも、特に「読み書き」が苦手な場合について、私はこの本がとても参考になりました!

~読んでくださりありがとうございました~

**掲載の体験談は個人の感想です**

**この体験談は、我が家と長男の場合です。挙げている事例は、すべてそのまま発達障害につながるものではなく、ケースバイケースであることをご理解ください。**

■書いたのは…サンキュ!styleライター  みい太
大食漢のダンナさんと中2&小5の食べ盛り男子を満足させるのに悪戦苦闘!教員と保育士の資格を活かして子育て支援の現場で働きながら、手抜き&時短をモットーに日々のごはん作りを楽しんでいます。
元サンキュ!トップブロガー  公式サンキュグラマー 

発達障害をもつ子どもを絶賛子育て中!
同じように発達障害児育児に奮闘している親御さんたちの共感と情報交換の場所となる支援団体を主宰しつつ、子育て支援をしたいという夢に向かって修行中です!
元小学校▪特別支援学校教員 保育士
発達サポーター
発達障害コミュニケーション初級指導者
ペアレントプログラムトレーナー

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