大事なのは学歴じゃない、子どもが自分を好きでいられること!~発達でこぼこっ子の「幸せな大人」に続く道⑧
こんにちは!オーバーワークでついにガス欠、寝込んでました(涙)アラフィフ主婦、サンキュstyleライターのみい太です。(皆さんも、お身体にはくれぐれも気をつけてくださいね!)
「発達でこぼこっ子の「幸せな大人」に続く道」読んでいただいてありがとうございます♪
今日は、長男ががんばってもがんばっても努力が実らず苦しかった理由が「学習障害」だとわかったあと、長男といっしょに選んだ道をお話させてください。
子どもにとって本当に良い選択とは?悩んだ日々…
教育相談の先生や通級の先生、そして学校の先生方のバックアップを受けて、なんとか学校に通いつづけていた長男。
友だちと過ごす時間は本当に楽しそうだった反面、授業ではボーっとしたり泣いたりすることが増え、首を不自然に揺らすなどのチック症状も現れていました。
かなりのストレスを抱えながらがんばっている長男を見守りながら…私たち夫婦は「このまま様子を見ていいのか?環境を変えるべきなのか?」と悩んでいました。
環境を変える…すなわち、「特別支援学級」に転学する、ということです。
※特別支援学級とは…
障がいのある子ども一人ひとりに応じた教育を行うため、小・中学校に設置された、障害種別ごとに編成された少人数の学級をいいます。そこでは、障がいによる学習上または生活上の困難を克服するための教育が行われます。
(参照:発達ナビ「特別支援学級を徹底解説!障害ごとの教育内容から卒業後の進路まで」)
特別支援学級は、障害種別ごとに設置されています。私たちが住んでいる自治体にあるのは、知的障害児のための支援級だけで、「知的障害は数字上ないけど、発達障害で通常級での生活が苦しい」子どものための『自閉症・情緒障害児特別支援学級』がありませんでした。
知り合いのママからは、「うちの子も、学校に行くのが苦しくなって支援級に行けないかと申し込んだけど、『発達障害でも、知的障害ではないから入る必要ないのでは?』と言われてしまった。」という話も聞きました。
そして何より悩んだのが、
「特別支援学級に入ることで、彼の将来の選択肢をせばめてしまうのではないか?」
ということでした。
今では、いろんな話を聞き、学んで、障害を持つ方々でも、いろんな就職・自立の選択肢があることを知っています。ですが、その頃はまだ、先が見通せずにいたのです。
好きなことにはとことんのめりこみ、一度見ただけのテレビや本の知識もすぐに吸収してしまう。「将来は研究者になりたい!」と目を輝かせて言っている長男。
でも、支援級に行ったら、その後はどうなるのか…。高校、大学と進んで好きなことを学ぶ道は閉ざされてしまうのではないか?と不安でした。
それに、ちがう学校の支援級に転学するということは、せっかく仲良くしている今の友達とも引き離してしまうことになる。
加えて、次男と一緒に通っている小学校から長男だけ別の学校に移ることを、近所の友達やそのご家族が、どう思うのだろう?どう言えばいいのだろう?正直、それがとても気が重かったです…。
ですが、その一方で、長男がどんどん自信を無くして、ネガティブになっていくことも、ひどく心配でした。
「子どもの良いところだけはつぶしたくないよね、守っていきたいよね」
そんな悩みを抱えていたある日。前の記事で書いた校長先生からの言葉で、私たちは救われたのです。
「彼は、とても一生懸命だよ。そして、とても豊かな発想力と、人への優しさを持っている。
そんな彼が、学校の勉強では辛い思いをしているのを見ているとね…。
彼の良いところだけはつぶしたくないよね、守っていきたいよね。」
私たちが長男に願うのは何か。
学歴や、他の子どもたちと同じようになることなのか。
…いえ、「幸せな大人」になってほしい、ということでした。
ささやかでもいい、自分なりの生活をして、失敗をして落ち込むことがあっても「それでも僕は大丈夫」と思えるように、自分の好きなところ、いいところを信じて生きていける。
そんな大人に、なってほしい。
そう、夫婦で話し合いました。
そのためには、彼のペースに合った学習や生活ができるところに置いてあげたほうがいい。
…不安な気持もいっぱい抱えていましたが、それでも息子への思いを改めて確認できた私たちは、特別支援学級への転学を選ぶことにしたのでした。
「君のいいところを伸ばすために、新しい学校へ行こうよ!」
改めて、就学相談に「特別支援学級へ転学したい」という意思を伝え、検討会議にかけてもらうことになりました。
長男については、学習障害と診断した医師から「本人の学習意欲と環境を整えるために、特別支援学級への転学が適当である。」との診断書が出ていたために、無事に転学の許可をいただくことができました。
…転学をすすめるにあたり、長男にもきちんと話をして、意思を確かめました。
父親から
「今のクラスでは、キミのペースで勉強できなくてつらいでしょう。でも、キミのペースに合わせてもらえるところなら、キミはもっともっといろんなことを学べるんだよ。
君の得意なこと、いいところを大事に伸ばしていくために、新しい学校に行こうよ。」
と伝えたところ、
「うん、わかった!」
と、親が拍子抜けするほどすんなりと受け入れられたようです。
友だちと離れること、ちがう環境に飛び込むこと…いろんな不安があったとは思います。ですが、一度支援級に見学に行ったときに、
「ここのほうが、勉強がラクにできる!」
と感じたのでしょう。それだけ、今までの授業がつらかったのだと思います。
でも、長男には、
「勉強についていけないから、落ちこぼれたから支援級に行く」
と思ってほしくありませんでした。
「自分のペースや興味関心・勉強の仕方を尊重し、自信を持って勉強するための環境に行く」
「彼の良さを認め、伸ばすことができる環境に行く」
と、前向きに進んでほしかったのです。
そう思ってくれたおかげなのか…。元の学級の先生やクラスメイトにも明るく挨拶をすることができ、みんなにあたたかかく見送ってもらって、新しい環境へと移って行ったのでした。
自分の「得意なこと」「好きなこと」を見つけることができた!
小5の2学期で特別支援学級に転学。幸い、ていねいにあたたかく指導してくれる先生方と、慕ってくれる下級生や気の合う上級生に恵まれて、のびのびと楽しく1年半を過ごし、無事に小学校を卒業することができました。
中学校からは、電車で片道1時間かけて、発達障害児に特化したフリースクールに通っています。
フリースクールなので、地元の中学校に在籍し、フリースクールでの出席を認めてもらう必要があります。やはり幸いなことに、地元中学校の校長先生や副校長先生にもあたかかくご理解をいただくことができました。
そのフリースクールでは、彼のニガテを育てるビジョントレーニングや感覚統合トレーニングなども取り入れながら、
「一人ひとりの好きなことを、とことん育てる!」
ことを大事にしてくれています。
小さい頃あれほどニガテだった絵を描くことが、小学校の図工の先生にほめてもらって、好きになっていた長男。この学校に入ってからは、水を得た魚のように、生き生きと絵を描きまくり、描きまくることでどんどん上達していきました!
そして、中1の修了式。
こんな賞状をみんなの前で授与され、長男の顔はうれしさと自信とでキラキラ輝いていました!
こんな顔を見ることができるなんて…数年前は、想像もできなかったなあ…。そう思うと、ぐっと胸にこみあげてくるものがありました。いろいろあったけど、今こうして自分の好きなことを楽しんでいる長男がいてくれて本当によかった、そう思うことができたのです。
そして、4月からは中学最後の1年を迎えます。今後の進路についても先生と相談を重ね、今の学校でこのまま自分の好きなことを伸ばしていきたいと言っている長男。
これから、もっとちがう道を望むかもしれない。そのときはそのときで、親としてできることを精いっぱい応援していきたいと思います。
長男が「幸せな大人」になるための道を歩いていくために。
…いままでの話を読んでくださり、ありがとうございました!
これからも不定期に、でこぼこっ子の長男の成長のための工夫や失敗(笑)をお話させてくださいませ。
~読んでくださりありがとうございました~
**掲載の体験談は個人の感想です**
**この体験談は、我が家と長男の場合です。挙げている事例は、すべてそのまま発達障害につながるものではなく、ケースバイケースであることをご理解ください。**
■書いたのは…サンキュ!styleライター みい太
大食漢のダンナさんと中2&小5の食べ盛り男子を満足させるのに悪戦苦闘!教員と保育士の資格を活かして子育て支援の現場で働きながら、手抜き&時短をモットーに日々のごはん作りを楽しんでいます。
元サンキュ!トップブロガー 公式サンキュグラマー
発達障害をもつ子どもを絶賛子育て中!
同じように発達障害児育児に奮闘している親御さんたちの共感と情報交換の場所となる支援団体を主宰しつつ、子育て支援をしたいという夢に向かって修行中です!
元小学校▪特別支援学校教員 保育士
発達サポーター
発達障害コミュニケーション初級指導者
ペアレントプログラムトレーナー