家でおもちゃ箱を掃除する小さな女の子。

子どもに指示が伝わるテクニック!その1「ブロークンレコード」<親子で楽になるペアレントプログラム⑦>

2020/03/28
  • 2人の食べ盛り男子の母。子育て支援の現場で働きながら手抜き&時短のごはん作りを楽しんでいます。もっと見る>>

 こんにちは(^▽^)明日が雪だと聞いて、カラダが気温差についていけるか心配…なアラフィフ主婦、サンキュstyleライターのみい太です。

 子どもの行動の見方が変わることで、親も子どももラクになる「ペアレントプログラム」のお話、なんと7回目です!長くなってしまいましたが、おつきあいくださっている皆様、ありがとうございます。

 前回は、子どもが困ったことをしているのをやめさせたいとき、または好ましい行動をしてほしいとき…どうすればいいの?というお話をさせていただきました。
 命令やお説教では、子どもはそのときは渋々動いても、けっきょく同じことを繰り返します。
 そこで、ペアレントトレーニングの手法である「指示」を使います。
 「指示」とは、「~します。」とシンプルに、行うべき行動のみを伝えます。最終的に子どもをほめることが目標なので、子どもはほめられることによって「またがんばろう!」と思い、行動の強化につながるのです。

 …でも、これだけお話したのでは、
「そんなのできるわけないじゃん!」
という親御さんの声が聞こえてきそうです(笑)
「うるさく言っても叱っても言うこと聞かないのに、そんなシンプルな指示で子どもが言うこと聞くわけがない!」
って。そりゃあそうです(笑)。

 そこで!子どもに指示が伝わりやすくなる必殺技を、これからお話していきます。

テクニック①ブロークンレコードとは?

 前回のおさらいで、指示を伝えるときの基本は

・穏やかな笑顔とあたたかいまなざし
・真剣な声と、「ゆずりません」という毅然とした態度
・CCQS…おだやかに、近づいて、冷静に、短くシンプルに伝える

だとお伝えしました。

 それに加えて、行動療法に基づいたワザを駆使することで、子どもが指示を受け入れやすくするのです!

 ワザ①は…「ブロークンレコード」!
 ブロークンレコードって、わかりますか?若い方はご存じでしょうか、昔のレコードは、傷がついていると同じフレーズを何回も繰り返すんです。それと同じように、指示も
「同じトーン、同じ言い方で、同じ言葉を繰り返して行う」テクニックです。

 何回言っても子どもが言うことを聞かないと、親はどうなるでしょう?アタマに血がのぼってきて、声が大きくなり、口調も強くなり…言葉がどんどん多くなっていきませんか。
「何度言えばわかるの!早くしなさいっ!!」みたいな。
 そこをあえて、必要最低限なことを、穏やかに繰り返す。そのことによって、子どもに巻き込まれることなく、親が主導権を握ることが大事なのです。

 上の図を見てください。
 講座では、参加者に実際にロールプレイで体験してもらいます。体験した参加者のほとんどが言うのは、

「お説教や命令できつく言われると、売り言葉に買い言葉でこちらもだんだんムキになって、言うこと聞くもんか!って気分になってきますね。」
「逆に、自分がどんなにわがままを言っても、相手が全く動じないでニコニコ同じことを繰り返してると、拍子抜けと言うか…あきらめる気分になってきました。」

との感想です。

 しかも、さらに高度なテクニックをお教えします!
 
 3回同じことを言っても子どもが言うことを聞かなかったら、一度、何も言わずにそっと子どもの視界から消えるんです。
 そうすると、怒られる!と思って身構えてた子どもは、拍子抜けします。次に、不安になります。見捨てられたような気分になるのですね。
 そこへ、自分を見捨てて行ってしまったと思ってた親御さんが表れて、笑顔で言葉かけをしてくれたら…
「ああ怒ってないみたい、見捨てられてないんだな」
と子どもはホッとするのです。そこにもう一押しで、
「片づけたら、ごはんを食べます。今日はあなたの大好きなカレーだよ♪」
と喜ぶようなことを言ってもらったら!子どもはイチコロです(^▽^)
「しょうがないな~言うこと聞いてやるか」
というきっかけになるんですね。

 たとえ、渋々でもいいんです、態度が悪くても、おもちゃを投げつけるように片づけても、暴言を吐きながらでもいいんです。
「おもちゃを片付ける」
という指示を達成できた、ということだけで、ほめてあげていいのです。そのことによって、
「次もまたお片付けしようかな」
と行動の強化につながり、だんだんと指示が通りやすくなっていくのです!

 もちろん、ここでも
「下から目線を合わせて、そっと体に触れて、極上の笑顔で」
という「ホスト戦法」は効果的ですよ♪

 子どもに指示を伝えたいときに大切なのは、親も子どもも感情的にならないことです。
 子どもはワガママ言ったりナマイキなこと言ったり、場合によっては無視したり…親の神経を逆なでするようなことばかりやってくると思いますが(笑)そこで親が感情的になると、売り言葉に買い言葉で、子どもも感情的になってしまいます。そうすると、親が伝えたかったことはなかなか伝わりません。
 親が一貫して冷静に、「ここはゆずりません」という態度を示すと、子どもも冷静に判断することができるのです。そのために、このブロークンレコードは効果的なテクニックですよ(^▽^)

 次回は、子どもに指示が伝わるワザその2をお話させていただきます!



~読んでいただいてありがとうございました~
 

**ここでの「ペアレントプログラム」は、一般社団法人チャイルドフッドラボのペアレントプログラムに基づいてお話しています**
**掲載の体験談は個人の感想です**
**使用したスライドは、筆者作成の講座用スライドです。中のイラストは利用規約を遵守したうえで使用させていただいております**

■書いたのは…サンキュ!styleライター  みい太
大食漢のダンナさんと中2&小5の食べ盛り男子を満足させるのに悪戦苦闘!教員と保育士の資格を活かして子育て支援の現場で働きながら、手抜き&時短をモットーに日々のごはん作りを楽しんでいます。

元サンキュ!トップブロガー  公式サンキュグラマー 
元小学校▪特別支援学校教員 保育士
早期発達支援士
ペアレントプログラムリーダー

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