ごほうびで子どもを釣るのはよくないの?指示テクニックその4<親子で楽になるペアレントプログラム⑩>
こんにちは(^▽^)子どもの休校延長に気を引きしめてるアラフィフ主婦、サンキュstyleライターのみい太です。
子どもの行動の見方が変わることで、親も子どももラクになる「ペアレントプログラム」のお話、ついに10回目となりました!おつきあいくださっている皆様、新しくのぞいてくださった皆様、ありがとうございます(^▽^)
子どもの困った行動をやめさせたいとき、または好ましい行動をしてほしいとき…お説教や命令で渋々従わせるのではなく、ほめることで行動の強化を目指すのが「指示をする」という方法です。
ただ、「~しましょう」「~します」とシンプルに伝えるだけで、子どもが言うことを聞いてくれたら、親は苦労しないですよね…(笑)そこで、行動療法に基づいた、様々なテクニックをご紹介してきました!
本日は、「ブロークンレコード」「予告する」「選択させる」に続く、最後のテクニックをご紹介します。
テクニック④「~したら~できる」とは?
4つめのテクニックは「~したら~できる」という声かけです。
皆さんは、次の二つの声かけのうち、どちらがやる気が出るでしょうか?
「掃除機かけてくれないと、おやつのケーキあげないよ!」
「掃除機かけてくれたら、おやつにケーキを食べられるよ!」
どちらも、言ってる内容は同じなんですけどね(笑)。ちがいはわかりましたか?そう、一つ目の声かけでは、「言うこと聞かないと損するよ、バツがあるよ!」という脅迫要素がありますが…二つ目の声かけでは、「こうすれば、いいことがあるよ!」と言ってます。子どもだって、自分が得すると思える、前向きな方が、やる気がでますよね(^▽^)
ここでポイントです!
行動をするかしないかはお子さん次第です。しないことも選べます。ただ、特典を失うだけ!それでもいいとお子さんが判断したのなら、しなくても怒らないでくださいね。
ただし、怒られはしないけど、自分が損をするということに、子どもに気づいてもらいます。
なので、このテクニックは、宿題のような「しなくてはならないこと」を指示するときには使わない方がいいですね。
ごほうびで釣ってもいいの?
特典って、つまり「ごほうび」ですよね。ここで、
「ごほうびで釣るのはよくないんじゃないの?ごほうびないと動かない子になるんじゃないの?」
とよく質問が出ます。私もそう思って迷った時がありました…。
実は。ごほうびって、人間の行動を強化する、大切なものなんです。大人もそうではないですか?
「おそうじがんばったら、ごほうびにとっておきのスイーツ食べよう!」
「この仕事がひと段落したら、旅行だ~!」
って、何かを楽しみにしながらやる気を出していませんか?
大切なのは、何をごほうびにするか、なのです。
「お子さんにとって、特別な機会や品物。お子さんが好きで、しかも親も喜んで与えられるもの」
だから、子どもにとってうれしくもなんともない「勉強の本」では、ごほうびにはなりません。(実は失敗経験あり(笑))
また、いくら子どもがほしがっても、親が与えたくないと思うゲームとか、続けて与えることが不可能な「高価なもの」である必要はありません。
物でなくてもいいんです。たとえば、おやつに好きなお菓子とか、夕ごはんに好きなものを作ってあげるとか。どこどこに連れて行ってあげるとか、親がいっしょに遊んであげるとか…。大好きな親が、自分のために時間や機会を与えてくれることは、子どもにとってとてもとてもうれしいことなのです。
著名な子どもの心理学者、佐々木正美先生が、多くの著書の中でおっしゃっているのが
「物を与えるのではなく、手と心を十分にかけてあげてください。」
ということです。
お金やもので子どもの心を満たそう、動かそうとすると、子どもの要求はエスカレートしていきます。物欲って、大人でもそうですよね(笑)
ですが、手や心をたっぷりかけてあげると、不思議なもので子どもは「もういいよ」と手をかけさせなくなり、自立していくのだそう。心が満たされるんでしょうね。
赤ちゃんの時「泣いたら抱っこ」「おなかがすいたらおっぱい」と願いをかなえてあげてきたのと同じように、好きなごはんを聞いて作ってあげる、ちょっとの時間でもいっしょに遊んであげる、そんなささやかなごほうびで子どもは満足するのだそうです。
もちろん、「たくさんほめる!」も忘れずに…。
「トークンエコノミー」でがんばれる子に!
そして、さらにいいごほうびシステムがあります!
「トークンエコノミーシステム」…自己コントロールを育てるほめ方のひとつで、望ましい行動を促すために、ごほうびを利用するという方法です。
「ごほうびがないと動かない子になるのでは?」という心配にたいする、まさに答えになるのです。
上手に目標と報酬をその子に合わせて設定することができれば、次第にポイントを集めること自体が楽しくなってきて、気づけば習慣になっているのだそう。主婦あるあるで、ポイント目当てで行き始めたスーパーだけど通ってるうちにそこに慣れて行きつけになってる、というのと同じでしょうか(笑)
また、この方法のいいところ。
行動の直後には、ごほうびがありません。いくつかシールがたまったらいいことが待ってる、というシステムです。
だから、今すぐ要求が通らなくてもガマンして、見通しを持って努力する、その結果達成する、という経験を積み重ねることで、鼻の先にごほうびがなくても、先を見通して自分のためになると思えればがんばれる子に育っていくのです。もちろんその過程でたくさんほめてもらっていることも大事なポイントです。
以上、行動療法に基づいた、効果的な指示の出し方テクニック4つをご紹介してきました!これって、実は大人(例:夫)にも使えるんですよ。ぜひためしてみてくださいね!
~読んでいただいてありがとうございました~
**ここでの「ペアレントプログラム」は、一般社団法人チャイルドフッドラボのペアレントプログラムに基づいてお話しています**
**掲載の体験談は個人の感想です**
**使用したスライドは、筆者作成の講座用スライドです。中のイラストは利用規約を遵守したうえで使用させていただいております**
■書いたのは…サンキュ!styleライター みい太
大食漢のダンナさんと中2&小5の食べ盛り男子を満足させるのに悪戦苦闘!教員と保育士の資格を活かして子育て支援の現場で働きながら、手抜き&時短をモットーに日々のごはん作りを楽しんでいます。
元サンキュ!トップブロガー 公式サンキュグラマー
元小学校▪特別支援学校教員 保育士
早期発達支援士
ペアレントプログラムリーダー