アジアの両親は両方の頬に彼らの小さな娘にキス。家族の肖像画。

みんな笑顔でいられるように…気持ちのコントロールを学ぼう<親子で楽になるペアレントプログラム⑬最終回>

2020/04/21
  • 2人の食べ盛り男子の母。子育て支援の現場で働きながら手抜き&時短のごはん作りを楽しんでいます。もっと見る>>

 こんにちは(^▽^)最近ウォーキングを始めてみたアラフィフ主婦、サンキュstyleライターのみい太です。

 子どもの行動の見方が変わることで、親も子どももラクになる「ペアレントプログラム」のお話…13回目にしてやっと!最終回にたどりつきました~!!ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!

 最後に、いちばん私が大切にしたいと思っていることをお伝えします。それは、
「親御さんが笑顔なら、子どもも笑顔になれる。
親御さんが幸せなら、子どもも幸せになれる。」
ということです。

 でもそれは、
「親なら苦しくてもいつも笑顔でいなくてはいけません!」
ということではありません。親だって、1人の人間です。怒りの感情も悲しみの感情もあって当然で、おさえこんだり否定したりしたらもっと苦しくなってしまいます。

 大事なのは、怒りも悲しみも丸ごと受け止めて、そのうえで感情をコントロールできるようになることです。自分で自分をハッピーな気持に導いてあげることです。
 今回は、そんな気持ちのコントロールについてのお話です。

子どもを目の前にしたらイラッとしちゃう!

 前回まで、子どもの行動への見方を変えること、子どもと信頼関係を築いたうえで好まし行動に導くためのワザなどをお伝えしてきました。

 …ですが、きっと多くの方がこう感じていらっしゃると思います。
「見て見ぬふりやワザの大切さはわかったけど…。
でも、子どもの態度にどうしてもイラッとしちゃうんです!子どもを目の前にしたらペアプロなんかふっとんじゃって、冷静に指示なんかできません!
ダメだとわかってても怒っちゃうのはどうしたらいいんですか!?」

 わかります。当時私もそう思っていましたし、実際それでなかなかうまくいかずに苦労してきましたから…。
 では、そんな私が「変われた!」と思えた一番の分岐点は、何だと思いますか?
 そう、自分の感情のコントロールが、少しずつできるようになってきたことだったんです。
 
 なので、ペアレントプログラムの達人になるためには、自分自身の気持ちのコントロールができるようになるといいですね(^▽^)

私のイライラポイントは何?…自分の傾向を知って対策をたてよう!

 では、まず
「自分の感情を知ること」
から始めましょう。

 私がイライラすることって、どんなことでしょう?子どものどんなしぐさ、行動、言葉でイライラしますか?友達とのかかわり方もあるでしょう、生活の中であれもしないこれもしない…ましてや生意気な口答えをされたら!それはムカっと来ますよね。
 次に、時間帯や状況で見て見ましょう。どんな時にイライラしますか?朝の忙しい時?外で周りの目が気になる時?ダンナさんが自分だけゴロゴロしてる時?夜泣きで眠れない時も、心身共にボロボロになりますよね…。

 このように、自分がどんなことにイライラするのかを知ることは、どうして大切なのでしょう。

 心をコップに例えると、日々いろんな感情が、心のコップに注がれていきます。特に、ネガティブな感情は、私たち大人はついつい抑え込んでためていってしまいます。子どもにもこのようなタイプの子がいますね、表面上はおとなしく見えるため、気がついてもらえないけど…。ネガティブな感情は、どこかで発散しないとたまっていく一方です。
 そして、それはいつかあふれます。その時に「怒り」という形ではき出されるのですね。ためこんでいた感情が多ければ多いほど、怒りも大きく、なかなか収まりません。

 だから、「怒らないようにしないと」とがんばるだけでは、怒りはなくならないのですね。
 コップにたまっていた「第一次感情」…日頃からのネガティブな感情。これは本当は、「疲れた」「さみしい、孤独」「不安」「緊張」という、怒りとは別の感情かもしれません。そのことに気づき、怒りとしてあふれる前に発散してあげることが、怒りの爆発をなくすために必要なんですね。

 そこで、
「自分の傾向を知って、対策をたてる」
ことが重要です。

 上のイラストから、自分がどんなときにネガティブな感情…イライラ、悲しい、つらい気持ちになるのかを考えて、チェックしてみてください。
 これは、人によってちがうんです。
「そんなことぐらいで落ち込むなんて…」
と言われて傷ついたことはありませんか?
「みんな大丈夫なことなのに私だけなんでつらいんだろ…」
と自分を責めたことはありますか?
 人によって、ネガティブになる事柄はちがうのです。たとえば、初めてのことにチャレンジするとき。前の日眠れないほど不安になる人もいれば、ケロッとチャレンジできちゃう人もいます。それは、良い悪い・優秀かそうでないか、という問題ではなく、それぞれタイプがちがうということだけです。

 また、大切な視点は、
「感情は体調に左右される」
ということです。
 特に女性はホルモンにかなり振り回されますので、私もそうでしたが、生理周期でイライラや落ち込みが強くなり、生活に支障が出るほどの場合は「PMS」…生理前症候群の可能性もあります。その場合は漢方薬の処方や生活の改善で良くなることもあるので、婦人科の受診をためらわないでほしいです。
 また、人は気圧の変化にも体調や感情が左右されます。自律神経の本を読んで知ったことですが、低気圧が来ると心身のはたらきをセーブする副交感神経の働きが強くなり、身体がだるくなったり気持ちが落ち込んだりするのだそう。この現れ方も、人によってちがいます。

 どうでしたか?
 どんなときどんなことに、あなたはネガティブな気持になるかわかりましたか?
 いやだなあ、悲しいなあ、イライラするなあ…こういうネガティブな気持は誰でもあります。一生懸命生きていたら、そのぶんネガティブな感情になることがあっても当たり前なのです。ちゃんと理由があるのです。

 大事なのは、ネガティブな気持を、そこから生まれる怒りを抑え込むことではありません。
 その気持ちを肯定してあげてください。
 そして、その気持ちにどうつきあうかを、考えて対策を立ててあげましょう。

ワタシのトリセツを作ろう!

 そこで、私の「トリセツ」…取扱い説明書を作ってあげてください!

 私は何が得意でニガテなんだろう、何が好き?キライ?どのぐらい体力がある?限界は?…などなど、まずは自分を知ることです。真面目でいっしょうけんめいな人ほど、意外と自覚してなかったりするんですよ(笑)いやなことでも、疲れてても、ムリしてがんばっちゃうので。

 それがわかったら、
「私は人に話を聞いてもらえないと孤独を感じてしまうから、気持ちよく聞いてくれるママ友や子育てひろばの先生を見つけておこう」
「私は人前で話すのはニガテだから、PTA役員でも会長とかは避けよう。その代わり裏で雑用する書記や会計とかに回ろう」
などと、ネガティブな気持ちを貯め込まないための対策を立てておけます。もちろん、そんな場面や状況がわかってたら、避けていいんです!いえむしろ避けましょう!!

 トリセツを作ることで、周りにも伝えることができます。
「来週あたり体調悪いから、私イライラしちゃうかもしれないけどごめんね」
「お母さんお腹すくとイライラしちゃうけど、怒ってるわけじゃないからね」
と伝えておくことで、家族も安心できるし、協力を得ることもできるかもしれません(^▽^)

 家族のシアワセのためにも、「私のトリセツ」を理解し、共有していきましょう!そしてトリセツ作りは、子どもの自己認知を育て成長を引き出すためにも有効です。

ワタシの「安心ボックス」を作ろう!

 自分のネガティブになる傾向を知ったら、次に
「自分がどんなことでリラックスできるか、気持ちを切り替えられるか、シアワセになれるか」
を挙げてみましょう。
 それを頭に入れておいて、ネガティブな気持がコップからあふれて怒りが爆発する前に、使うのです。
 それを私たちは「安心ボックス」と呼んでいます。あなたの心の安心を引き出す玉手箱です!

 アンガーマネジメントをもとに
「怒りそうになったら6秒数を数える」
でもいいです。あ、「CCQS…おだやかに、近づいて、静かに、シンプルに伝える」を6回唱えるのでもよかったですね(笑)別の好きな言葉でも、歌でもいいです。

 その他、「好きな本やマンガを読む」「ドラマや映画を見る」もいいです。これは、アタマの思考を一度ちがうことでいっぱいにすることで切り替わるのです。

 心を落ち着ける自律神経にはたらきかけるために、
「好きな香りをかぐ」「好きな音楽を聴く」「セルフマッサージ」「冷たい水をゆっくり飲む」も効果的ですよ。

 コップにたまったネガティブな感情があふれて怒りバクハツする前に、
「私つかれてるんだね、がんばったもんね、じゃあちょっといたわろうか」
と気持ちを肯定して、いたわって、成仏させてあげてくださいね!そのことで、きっと怒りのバクハツが減っていくと思います。

最後に…

 私は、このペアレントプログラムを受けたことで、自分自身が変わりました。変わったことで生活が楽になり、楽になったことで子どもたちへの見方やかかわり方が変わりました。…すると、いつの間にか子どもたちも変わっていったのです。

 だから。一生懸命家族や子どものためにがんばっていて、なのにうまくいかない…と苦しい思いをしている親御さんにも、
「大丈夫ですよ!」「もっと楽になっていいんですよ!」
とお伝えしたかったのです。そのために、このペアレントプログラムの連載を書かせていただきました。

 今は、いろんな制約があるなかで、よりいっそう苦しい時だと思います。だからこそ、親御さんが自分のことを知って、いたわってあげてください。楽になってください。きっとそのことが、お子さんの笑顔にもつながるはずです。
 
 どうか、世のがんばっている親御さんが、子どもたちが、楽な気持で毎日を笑顔で過ごせますように…。


~読んでいただいてありがとうございました~

**ここでの「ペアレントプログラム」は、一般社団法人チャイルドフッドラボのペアレントプログラムに基づいてお話しています**
**掲載の体験談は個人の感想です**
**使用したスライドは、筆者作成の講座用スライドです。中のイラストは利用規約を遵守したうえで使用させていただいております**

■書いたのは…サンキュ!styleライター  みい太
大食漢のダンナさんと中3&小6の食べ盛り男子を満足させるのに悪戦苦闘!教員と保育士の資格を活かして子育て支援の現場で働きながら、手抜き&時短をモットーに日々のごはん作りを楽しんでいます。

元サンキュ!トップブロガー  公式サンキュグラマー 
元小学校▪特別支援学校教員 保育士
早期発達支援士
ペアレントプログラムリーダー

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